発達障害者がマインドフルネス瞑想を1ヶ月続けてみたらどうなるか?

マインドフルネス瞑想は、ストレス対処や自己啓発の文脈でも薦められる手法の一つかと思う。

実はこのマインドフルネス瞑想を4月頭くらいから1ヶ月継続できている。

発達障害者がマインドフルネス瞑想を行うことの是非は人によって意見が別れるが、僕の意見は結論から言ってしまうと「絶対やった方がいい」だ。

科学的な研究によればマインドフルネス瞑想を2ヶ月継続することで、変化を実感できると言われている。

まだ1ヶ月しか実施していない自分がマインドフルネス瞑想を強く勧めるというのもいささかおかしな話ではあるが、逆に1ヶ月だけでも効果を実感できているということだ。

今回の記事は中間報告的な意味も込めて、発達障害の自分がマインドフルネス瞑想を続けたらどのような変化があったのかを振り返ってみようと思う。

マインドフルネス瞑想とは

そもそもマインドフルネス瞑想とは何者かということについて、自身の知識を整理する意味も込めて紹介したい。

・定義

マインドフルネス瞑想とは、自分の中では「自分の今置かれている状態に対してありのまま見つめる瞑想法」だと認識している。

そもそもマインドフルネスとは何かということだが、wikipediaによると「今現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程」という説明がある。

わかりやすく言うと、部屋の換気扇の音や、微風が首筋に当たる感覚、自分が息を吸い込んだときのお腹の動きがどのようになっているかを観察すること。

そしてその中で思い出される嫌な思い出や将来の不安についても、「自分は今嫌な思い出を思い出している」と言う具合に客観的に見つめることがマインドフルネス瞑想の姿勢ではないかと思う。

マインドフルネス瞑想は、うつ病の治療や能力開発の現場でも用いられ、世界的な大企業であるGoogleでも用いられている。

つまりそれくらい効果があるものだと言うことだろう。

・脳科学的な視点での変化

マインドフルネス瞑想を行うことで、人間の脳の構造が大きく変化することがわかっている。脳の扁桃体と言われる部分が小さくなるのだ。

扁桃体は、不安や恐怖を司る部位であり、扁桃体が暴走することによって、パニックを起こしたり、高ストレス状態に追いやられたりしてしまう。

発達障害者はこの扁桃体と言われる部位のコントロールがしづらく、そのため衝動的な行動を起こしたり、二次障害でうつ病を発症してしまったりする。

扁桃体を小さくし、暴走を抑えることで、不安やストレスといった負の感情に支配されにくくなるのだ。

・実生活上での変化

これは人の感じ方なので諸説あるが、一般的には集中力やストレス耐性の向上などの変化があると言われている。

また、マインドフルネス瞑想を行う中で、自分の状態を客観視する力、専門的に言うとメタ認知能力が鍛えられることで、自分本位な行動が抑えられる、ワーキングメモリが向上するなどの変化がある。と言う人もいる。

始めたきっかけ

結論から言うと「発達障害特有のポンコツさをどうにかしたい」と言うのが始めたきっかけだ。

具体的には

・集中力がない
・ワーキングメモリが低い
・相手の立場に立って考えられない

と言ったものだろうか。
要はいろいろ自分にメリットがありそうだと思って初めてみたのだ。

自分の中に起こった変化

自分でも驚いているが、かなり変化があったと思う。大きくは以下の3つだ。

・感情が暴走している時に自覚できるようになった
発達障害者は嫌な思い出や黒歴史が急に思い出される「フラッシュバック」と言う現象に苦しめられる方が多い。黒歴史や虐められた経験が多い僕もそれにもれず、フラッシュバックに苦しめられやすい。
事実、瞑想を行っている時も幾度となく嫌なこと、腹が立つことが思い出され嫌な気分になった。
その度に「自分は今嫌な思い出のことを考えている」と心の中で捉えることで、気持ちを冷静にすることができた。
結果、仕事中に何か嫌な気持ちになったり、不安に苛まれたりしても、その感情に支配されている自分を冷静に見つめることができるようになったのだ。

・習慣化がしやすくなった
発達障害者、特にADHDはその飽き性の性格から、物事を継続すると言うことが非常に弱い。そのため、結果的に器用貧乏となり、職場では使えないと言う評価を下されがちだ。それを抜け出すためにも、自分をコントロールし、物事を継続すると言う実行機能を鍛えなければいけない。
意識を何度も自分の呼吸や、今自分が感じていることに向けることをマインドフルネス瞑想で繰り返す中で、自分をコントロールする力が身についた。
それによって勉強や運動などの継続が必要な物事を続けやすくなったと感じている。

・不安に強くなった
これは一番実感しているものだ。不安な感情が発生するたび、自分を客観視する習慣がついたため、不安な感情に支配されず、要因を取り除くためにどのようなアクションプランを練るべきか冷静に考えられるようになった。
また、嫌なことが起こってもマインドフルネス瞑想を行えばある程度対処できると言うように自分の中で逃げ場ができたのも大きいだろう。

難しかったことと対処法

とはいえ、マインドフルネス瞑想は非常に難しい。今ここに意識を向けると言うのはシンプルな言葉と裏腹に奥が深い。

自分がマインドフルネス瞑想を実行することで難しかったことは以下の点だ。対策に関しても記載しておくので、マインドフルネス瞑想を始めたいと思う方は参考の足しにしてほしい。

・「今ここ」を意識することは困難
雑念や嫌な思い出は必ず発生する。
いくら今ここに意識を向けられている状態になれたとしても、数秒後には嫌な思いや雑念が頭のなかをよぎり出すだろう。
仮に換気扇の音に集中していても、その換気扇の音が、自分の嫌いな職場の換気扇の音と似ていると感じ、トラウマを掘り起こしてしまうことだってあるかもしれない。
これは自己流のやり方で本当は正しくないかもしれないが、インストゥルメンタルを聴きながらやるといい。特にリズムが一定のものがおすすめだ。
自分の場合、音楽のリズムに合わせて、8拍で息を吸い、16拍で息をゆっくりと吐き出すことを意識することで、余計なことを想起せずに、今ここに意識を向けることができた。

・姿勢を保つのが難しい
発達障害の特性として姿勢が変だったり、その結果、肩こりや腰痛が発生してしまうと言うものがある。
マインドフルネス瞑想の本には背筋を伸ばして正しい姿勢で行いように書かれている本もあるらしいが、それをすると僕たちは非常に疲れてしまう。疲れてしまうと継続は難しい。
実際、正しい姿勢の方が脳に酸素がたくさん供給されるのでいいらしいが、継続できなくては元の木阿弥だ。
発達障害の場合、まずは続けて行って習慣化することが大切なので、多少だらしない姿勢でも、とにかく瞑想を続けてみるとしてみた方がいいと

・忙しくて時間が取れない
発達障害者、特にADHDの方はスケジュールを管理するのが苦手なため、瞑想をするための時間が取れないことが多い。事実、僕も最初はなかなか時間を捻出するのに苦労した。どうしても瞑想時間の15分を確保するより、YouTubeをみてしまいたいと思う時だってあるだろう。
そう言う場合の対策として、目標を下げると言うことをおすすめする。例えば毎日15分瞑想すると言う目標が難しければ、毎日最低1分、いや30秒をノルマとして瞑想を行うとしてしまうのだ。
これをすることによって「やらねばいけない」と言う負担感を軽減でき、かつ「今日もできた」と言う満足感を得られやすい。「今日もできた」と思うことで自己肯定感が上がるというメリットもある

結論:発達障害の方はマインドフルネス瞑想をぜひやった方がいい

冒頭にも話したが、発達障害の方はマインドフルネス瞑想をやった方がいい。集中力が上がり、仕事の生産性が上がったり、メンタルが多少強くなったりするからだ。

たった1ヶ月継続しただけで、変化を実感できるのだ。2ヶ月、半年と続けていけばさらなる効果が見込めるだろう。

今後とも定期的に自分の変化について発信していくので、マインドフルネス瞑想に興味を持った方は参考にしていただければと思う。

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