「見捨てる」のではなく「見守る」~サバイバーの境界線問題のリアル~
小さなころ、過酷な環境で育った私。
私がサバイバーだと気づいたのは、セラピーを重ねて2年過ぎた、ほんと最近のこと。
サバイバーの抱える「生きづらさ」の原因の大きなひとつに、
「境界線」の問題がある。
セラピーを継続してきて、だいぶ「自分」という輪郭が明確になってきて、人と自分の間に「境界線」が引けるようになったな・・・と感じていた今日この頃。
先日、「やっぱり、私ってまだまだ境界線の問題が根深くあるんだな」と実感せざるを得ないショックな出来事が起こった。
娘と私の境界線
シルバーウィークに入る前日の夜、小4の長女は「宿題」についてグズグズ言い出した。
急遽決まった、茨城の実家への帰郷。
いとこたちと思いっきり遊びたいのに、難しい宿題を出されてしまいジレンマ。
完璧主義の長女は、「完璧に」宿題を終わらせていきたいタイプ。
終わる見通しが立つときは、丁寧にコツコツがんばれるけど、自分にとって「わからない」「苦手」と感じる課題のときは、「どうしたらいいの?」とパニックになり、大荒れに荒れる。
私があれやこれやとアドバイスしたり、サポートしようとしたりするけど、長女は「無理」「できない」と泣くばかり。
私は私のことじゃないのに、胸がズキズキ・ヒリヒリ痛むのを感じる。
その後、寝かしつけた末っ子が起きて泣き出し、長女の元から一旦、寝室へ。
胸の痛みが気になるので、末っ子を寝かしつけながら、長女とのことを振り返る。
「ママ、何とかしてよ!!!」と言わんばかりに、私を頼る長女。
「どうにかしてあげたい」「でも、どうすることもできない」と自分を責める私。
あ、これは、境界線の問題だ。
以前だったら、そんな風に気がつくこともなかっただろう。
でも、気づける私になったんだなぁとじんわり自分の成長も同時に味わう。
長女とのやり取りで感じたフェルトセンス(身体の感覚)を思い出し、よーく感じ直してみると、私が長女の中に入ってしまう感覚。
自分のことと、長女のことがごっちゃになってる。
パニックになる長女に対処しようとする私は、アダルトチャイルドと同化してるみたい。
二人でチャイルドになり、私が長女を保護するはずの成熟した親ではなくなってたんだ。
長女の中に入り、長女の感情をコントロールしようとしてる。
パニクって泣くのは耐えられないから、私が代わりにやってあげたい。
どうにかして、助けたい。
さみし過ぎて、お母さんとひとつになりたいチャイルド
私の中にいるチャイルドを感じると、お母さんを求めに求めて、泣くチャイルド。
8歳くらいの子。
「さみしくて、さみしくて、お母さんとひとつになりたい。」と泣いている。
ピトーーッて、お母さんに抱きつきたい。
うすい境界線の膜さえも邪魔に感じる。
でも、そばに母の姿はなく、その子の近くでは、母の悪口を言うおばあちゃんの存在を感じた。
チャイルドは、おばあちゃんに対して、機嫌をとり、何とかお母さんを助けようとしてる。
私は、チャイルドに
・どんなにがんばっても、お母さんを助けられないこと
・あなたはこどもで、むしろ、大人に助けてもらう必要があったこと
・わたしがあなたのママとしてあなたを助けること
を伝えるけど、チャイルドは事実が悲しすぎて認められない感じ。
チャイルドとのやりとり途中で、末っ子が寝たので、長女の元へ向かったけど、まだこのチャイルドのケアは必要だなとも感じていた。
主人という父性の介入で目が覚めた
長女の元へ戻り、「境界線を自覚しなきゃ」とは思いながら、目の前には大泣きする長女。
再び、あれやこれやと世話を焼こうとする私。
テレワークを終えその様子をみた主人が、私たちを一喝!!!
「ゆみこ、それはちょっとおかしいよ!
それはやり過ぎ!!!
これは、長女ちゃんの問題で、ゆみこの問題じゃないよ。
長女がぶち当たる壁をゆみこが取っ払ってたら、
いつまでたっても、長女はゆみこから離れられないよ。
ゆみこが長女ちゃんを依存させてるんだよ!!!」と言われ、ハッとした。
図星。
境界線との問題って気づいてたはずなのに、また、自分から境界線を越えて手助けしようとしてた。
自分にもショックを受けた。
以前だったら、それさえ認められず、逆に主人を責め立て、夫婦けんかになっていたかもしれない。
主人は、落ち着いて、私に言う。
「ゆみこは母親だから、境界線を引くのが難しいこともわかる」
「だけど、親なら見守るしかない」
「長女が葛藤する機会をうばっちゃいけない」
「見捨てるんじゃなくて、見守るんだよ。
長女が自分で助けを求めたときに、はじめてサポートすればいいんだよ」
主人の言葉がハートに突き刺さる。
涙もあふれる。
これは、チャイルドの涙かもしれないとも感じる。
チャイルドにとって、長女と私を分けることは、「見捨てること」「見離すこと」だと感じてたんだなぁ。
だから、そんなことはしたくなかったし、できなかったんだ。
それから、私の境界線のイシュー(課題)とインナーチャイルドとの気づきも含めて、素直に主人に話し、ともにわかちあった。
思春期に差し迫った上の子たち。
今回の件で、今、私たち家族は境界線のイシューの岐路にたっているね・・・と、主人と共有もした。
どんだけ、私って境界線がうすいんだ!?と愕然とした出来事だったけど
・ちゃんと事実を知れて、受け入れられたこと
・境界線を教えてくれるパートナーがいること
これって大きいな。
サバイバーにとって、この「境界線」の問題ってすぐに解決できるものではなく、ず~~~~っと生涯かけて、つきあっていかなきゃいけないものなのかも。
機能不全家族に生まれた「運命」として・・・。
「見捨てられる」感覚で生きたこども時代。
そんな自分の傷をかばうように、私はどうしても過保護になりがちだ。
でも、主人が言ってくれたように
「見捨てる」ことと、「見守る」ことはちがう。
ここ、肝に銘じよう!!!
境界線の問題は、手ごわい。
だけど、私がその問題から目を背けず、しっかりと向き合い続けることは、私のこどもたちや未来の子孫たちへ渡るはずの、『負の遺産』を軽くすることになるだろう。
やるしかないなぁ・・・と改めて、自分にも意を伝える。
結局、長女は、宿題を実家にもっていき、早起きして宿題と向き合い、私たち親にもアドバイスを求めながら、しっかりと終わらせた。
いとこたちとの時間も楽しんで・・・。
リアルチャイルドとのかかわりの中で、教えられることは本当に大きい。
主人にも感謝。
自分では気づけないことも、彼のおかげで知れるから。
今回の出来事を通して、私のチャイルドも癒されたみたい。
日々、セラピーだなぁ・・・
☆☆☆
インナーチャイルドセラピー はじめました
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