見出し画像

本屋が生き残っていくための戦略を考えてみよう

こんにちは。

本日は、「本屋が生き残っていくための戦略」についての投稿をしたいと思います。


1.本記事でのゴール

読者の方々が本記事を読み終えた時のゴール(状態)としては、下記となります。

・本屋の現状や問題点を把握している状態
・今後、本屋が実践すべき戦略や施策を理解している状態

なので、そのことを念頭に置きながら、ご覧いただければと存じます。

本記事を読み終えた時のゴール(著者作成)

それでは、進めていきましょう。


2.韓国で増える本屋

最近、次のようなニュースを見ました。

インターネット書店の台頭などで減った街の書店が、韓国で増加傾向を示している、というニュースです。

書店を街の文化拠点と位置づけて、国や自治体が様々な支援策を手掛け、独立系書店と呼ばれる中小の店が活気づいているのが主な理由となっているようです。

一方で、同記事に記載されているグラフを見ると、日本における書店数は減少の一途を辿っていることが見受けられます。

日本と韓国の書店数の推移

今、日本における本屋(書店)では、一体、何が起きているのでしょうか?

今回は、日本の本屋が抱える課題と、その課題を解決するための施策について話していこうと思います。


3.本屋が抱える課題

現状、本屋はどのような課題を抱えているのでしょうか?

私は、次の4つが主な課題だと考えているので、順番に見ていきましょう。

(1) 電子書籍の普及

電子書籍の普及により、紙の書籍市場が縮小し、結果的に本屋の衰退につながっています。

こちらのデータは、電子書籍の市場規模の推移ですが、年々、増加傾向にあり、今後も成長していくと予測されています。

電子書籍の市場規模の推移・予測

電子書籍は在庫がない分、コストが低く、配信も容易であるため、本屋には無い強みを持っていますし、スマホやタブレット端末の普及により、消費者の電子書籍に対する利便性が上がってきたことが原因として考えられます。

また、Amazon Kindle等、電子書籍のサイトは物理的な在庫が無いため、膨大な書籍を用意できますが、本屋はスペースが決まっているため、置ける書籍の数も決まっています。

このように様々な点で電子書籍より劣っていることが、本屋の衰退の原因の1つとなっているのです。

(2) 来店する消費者が限定的

本屋に来店する消費者の規模が限定的な点も、本屋が抱えている課題の1つです。

本屋は、全国の全ての地域に店舗を構えることは現実的に不可能です。

個人経営の本屋はもちろん、大手の本屋であっても全国の全ての地域に本屋を構えることは経営上、効率が悪いです。

電子書籍はインターネットさえあれば、全ての消費者にリーチすることができますが、リアルな本屋は全ての消費者にリーチすることは不可能なのです。

ちなみに、全国の市町村のうち26.2%は「本屋が1店舗もない」そうです。

そういったデータを見ても分かるように、書店が全国中に店を構えることは、経営上、現実的には不可能です。

都道府県別の「書店ゼロ」自治体数の割合

ここから先は

3,822字 / 10画像

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?