掌編小説【ブレーメン】♯毎週ショートショートnote

お題「ネコ」「クインテット」

【ブレーメン】(410文字)

ある所に、音楽の街ブレーメンを目指して『ネコクインテット』を結成した五匹のネコがいました。みんな棄てられたネコだったので、音楽で身を立てようと思ったのです。でも途中で暗くなりお腹も空いてきました。
灯りのついた家を見つけたので、五匹は窓からのぞきました。すると人相の悪い男たちが、ごちそうが山と盛られたテーブルを囲んでいます。

「きっと泥棒にゃ」
「追い出してごちそう食べるにゃ」
「あわよくば、ここに住むにゃ」

しかしネコたちはあまり頭がよくなかったので、すぐ男たちに見つかってしまいました。
五匹は壁際に追い詰められ、鼻先には男たちの足が…。

「わははは、こいつらなんて顔してんだ！」
ネコたちは『フレーメン反応』という、妙な匂いを嗅いだ時になってしまうポカーンとした表情をしていたのです。
五匹は男たちに気に入られ、この家で飼われる事になりました。
「うまくいったにゃ」
五匹はブレーメンのことなどすっかり忘れて幸せに暮らしましたとさ。

おわり

(2023/2/7 作)

上記の『たらはかに』様の2/5～2/11のイベントに参加させていただきました☆
クインテット(五重奏)→ブレーメンの音楽隊→フレーメン反応……
安易な発想ですみません…(;・∀・)