掌編小説【叡智の結晶】♯毎週ショートショートnote

お題「全力で推したい」「ダジャレ」

「叡智の結晶」(410文字)

それは人類の叡智の結晶だ。
その手法自体は遠い昔から存在したが、決して日の当たる場所で評価されるものではなかった。
しかし人類は進化し、それがもつ真価を見抜いたのである。

人類が進化した今では滅多に起こらない紛争も、小さな誤解や欲から始まることがある。そういう時、それは使われる。
それぞれの国のトップが、世界が注目する中で全神経を研ぎ澄ませ、己の知識と経験を脳内でシャッフルし、最高の組み合わせを作る。
もちろん、それを発する時に必要なのは品格だ。品格のないそれなど愚の骨頂。
紛争は、それをトップ同士が見せあうことで微笑みの中で収束する。
「お前もやるな」と。

国のトップを決定する時にも、それは活用される。それは、その人の人格を丸裸にしてしまう強力なツールだからだ。
選挙前のポスターには候補者が練りに練ったそれが書かれている。
人々はそれを見ながら『全力で推したいダジャレ』ってどれだ？と言い合う。
ダジャレ、それは人類の叡智の結晶。

おわり　(2022/11/14 作)

上記の『たらはかに』様の11/13-11/19のイベントに参加させていただきました☆
なんとか粋なダジャレを思いつかないものかと唸りましたが無理でした。
( ;∀;)さいのうない…

『わたしにも　あったら押したい　ダジャレスイッチ』