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詩みたいな【スキップ】#シロクマ文芸部

お題「十二月」から始まる物語

【スキップ】(458文字)

十二月はいそがしいってママは言う。
十二月はいそがしいってパパも言う。
やることがいーっぱいあるんだって。
ママとパパは、走って行っちゃった。

ねぇミィすけ。いそがしいの好き?
ぼく、あんまり好きじゃないなぁ。

ママとパパ、ことし一年のあいだに
やりたいコト何もできなかったって。
やらなきゃいけないコトばっかりで。

あんた達のせいよって言われたけど
ぼくたちなんにもしてないよねぇ?

ミィすけが、おおきなあくびをする。
ぼくもなんだかねむたくなってくる。

ぼくたちパパとママが帰って来るまで
コタツで丸くなって待っていようよ。
ごろごろするの、気持ちいいもんね。

あのね、ミィすけ。
ぼくスキップできるようになったよ。
走るよりずっとずーっと楽しいんだ。
ぼく、大人になっても
十二月は走らずにスキップしてたい。

そしてね
やりたいコトはいちばんにするんだ。
やらなきゃいけないコトは…あとで。

にゃあ~。
ミィすけは、うーーんと伸びをした。
ミイすけもやりたいことしかしない。
今いちばんやりたいコトはおひるね。

おやすみ、ミィすけ。
夢の中でいっしょにスキップしよう。


(2023/12/2 作)

小牧幸助さんの『シロクマ文芸部』イベントに参加させていただきました。

むかしむかし、実際に『ミィすけ』という名前の猫を飼ってました。
そして私は師走でも走らない大人になりました…
ついでに言えば、スキップすれば転ぶ大人に…
できないことは来年やろう(・∀・)

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