【困り感別・合理的配慮の具体例集】こんないい方法があるよ
発達障害の子どもが受ける合理的配慮には、その子が持つ困り感を出来るだけ取り除き、他の子と等しく学ぶ機会を与える、という意味があります。
困り感はわかっていても、いざ学校に何をお願いすればいいのか、どういった合理的配慮をしてもらえるのか、といったところがまだあまり認知されていないかと思います。
そこで、今回は現在私が勤めている福祉施設の子どもたちが学校でどういった配慮を受けているか、また私は普段、時々通信制高校でも勤めているので、そこではどういった配慮をしているかをお伝えできればと思います。
【困り感別 合理的配慮の例】
◆読みに困り感がある場合
・読み上げソフトの使用(アプリやペン型音声機など)
・デジタル教科書の使用(教科書会社が出しています)
・プリントや試験の文字を拡大
・プリントや試験の行に罫線
・支援員による代読
・試験の漢字にはフリガナをつける
(発達障害の子だけではなく、最近増えてきている帰国子女や外国籍の子どもたちが受けています)
◆書きに困り感がある場合
・タブレットやPCの利用
・板書を写真撮影
・板書の内容をプリント配布
・デジタル教科書を音声で聞く
・試験の際は口頭試問で受ける
・読み書きが極端に遅い場合は、別室対応にて時間延長
◆指示理解に困難がある場合
・短いセンテンスで指示
・具体的に指示
・ひとつずつ指示
(この辺りは娘が小学校入学の際に医師が記載してくださいました)
・口頭ではなく出来るだけ文字に書いて指示
・言葉ではなくイラストや写真を使用した視覚的な支援
・支援員に理解度を確認してもらう
◆感情制御に困り感がある場合
・クールダウンするための別室の確保
・事前の刺激調整
視覚過敏・・・蛍光灯をLEDに変えてもらう、窓際の席は外す、専用眼鏡の使用
聴覚過敏・・・ノイズキャンセラーなどの使用、英語や音楽などCDを聞いて答える試験は別室対応、教室での授業では雑音で耐えられない子もいるので別室でプリントやネットでの学習
ヒラヒラしたものに反応する子・・・カーテンをしばる、掲示物の貼り方に工夫する
◆集団生活に困り感がある場合
・別室登校
・支援員による見守り(小学校に多い)
・一斉指示のあと、支援員が個別に重要な場所を具体的に伝える。
◆高校入試・大学入試
・タブレット使用
・試験時間の延長
・試験の文字を大きくしてもらう
・注意事項を口頭ではなく文書で準備
・感覚過敏への対応(席の場所など)
ただし、入試の際に合理的配慮を受けるためには、それまでの実績とかなり事前の準備が必要になります。現在在籍している学校に一度相談してみましょう。
【合理的配慮の心構え】
合理的配慮は超能力ではありません。本来持っている実力が反映されるだけです。
私個人としては、合理的配慮は受けることによって本人が本来の自分の力に気づき、自己肯定感や自己実現など前向きな生き方が出来るための方法だと思っています。
なので、周囲の方々にも“ひいき”や“特別扱い”ではなく、“フェアに戦うための土台作り”であることを理解してもらわなくてはいけません。
そのためには、大人がお膳立てをするのではなく、本人自身が「自分は何に困っているのか」「どういう環境であればフェアに戦えるのか」を自己理解しなくてはいけません。
小学生の場合の困り感は本人が自覚していないことも多々あるので大人が積極的に動くこともあるかと思いますが、中学生以降はまず本人の自己理解が必要だと感じます。
【まとめ】
合理的配慮は本人の困り感を表面化し、それを解決するにはどういった方法がよいのかを周囲の大人たちが考えてあげることが理想です。
ですが、現実的に学校の先生は多忙です。そこまで気づいてあげられないということも多いです。
なので、この記事を読んでくださっているのが当事者の場合、誰か信用できる大人に相談してみましょう。
保護者の方の場合は、最後に載せておく関連記事もお読みいただき、段取りに則って行動を起こしてみてください。
すべての子どもたちに平等な学びの場を。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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