丁寧にお風呂に入って、スキンケアをしたら、自分が可愛く見えた

生理が終わった。
今日はきちんと湯船に浸かろうと決めた。

今月は、なんだかなんのやる気も出なくて、仕事もほとんど手につかないような状態に陥った。
生理中だからとわかっていても、自分のことを相変わらず責めて、悲しくて仕方なかった。

生理の終わりがきて、そんなことは嘘だったみたいに、体と心が動くようになってきた。
その勢いに乗って、お風呂を洗って、湯をはった。

こんなことは、当たり前のことなのかもしれない。
湯船じゃなくていつもシャワーで済ませることも、
スキンケアは適当に済ませることも、
私がズボラだからでしかなくて、みんなはもっとちゃんとしているのかもしれない。

でも、
素早く済ませたいがための、何も感じずにする作業のようなものではなくて、
きちんと、私がもしも大事な人の体を洗うとしたら。
大切な人の体を慈しむみたいに、柔らかく、丁寧に、優しく。
泡を広げて、肌をするーっと撫でて、

そしたら、自分への愛おしさが溢れて、ぎゅっと自分の両腕で自分の身体を抱きしめた。
自分の体がいつもきちんと動いてくれていることを、ありがとうと思った。

湯船に浸かって、目を瞑る。
水が滴る音。
自分の体がお湯に触れていてあたたかいこと。
ひとつひとつの感覚をしっかり捉えていく。

クリームパックを手のひらに出して、
顔に塗り広げていく。
ゆうっくり、ていねいに。

ベリーミルクの香りのするクリーム。
すごく好きな匂い。
パッケージも淡いピンク色で、かわいいなと改めて思う。

クリームをお湯で優しく洗い流して、人差し指で頬を撫でた。
すべすべで、気持ちいい。
鏡を見ると、自分の顔がそこにはあって、
驚いた。

かわいいのだ。
私が。

自分の顔なんて、全然好きではない。
かわいいなんて、いつも全然思わない。

なのに、この瞬間、私は私をかわいいと思った。
そして、こんなにかわいい存在を、大切にしなければならない!と思った。

かわいいね
って言ったら、
鏡の中の私がにっこり照れたように笑った。

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