恥のかき方、付き合い方 | 高いプライドと、変化に対する拒絶反応について

こんにちは。もう2020年ですね。時間が経つのは早いです。

昔、先生をはじめとしたオトナ達がよく『キミたちもあっという間に大人になる』と言ってた記憶があります。気づけばそんな『オトナ達』の当時の年齢よりも自分が年上になってしまってます。改めて歳をとったなぁと思います。

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はじめに

たまに公共の場で凄い剣幕で怒っているおじいちゃんを見かけることがあります。『いい歳して…(以下省略)』という周囲からの冷たい目線に臆する事なく、店員さんに何かを訴えてます。私が目撃したケースのほとんどが年配の男性😱 そんなオトナにはなりたくないですね。

溢れ出る感情の源泉は何なんでしょう。バツが悪いんでしょうか。

プライド(英語: pride)は誇り、自尊心、自負心を意味する言葉。

若い人と年寄りとでは、プライドの質と量が明らかに違う印象を持っています。この『プライド』は悪い意味で『恥をかきたくない感覚』と言い換えられるのかもしれません。

《まとめ》
プライドが高い=『恥をかきたくない』

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恥のかき方、付き合い方

15年くらい前なんですが、電車の中で高校生が『恥かきたいわー、時々恥かかんといかん』みたいな高尚な話をしていた記憶があります。知らない人の断片的な会話がたまたま耳に入っただけでしたがすごく印象に残ってます

勝手な憶測ですが、その高校生は恥をかくことでメンタルバランスを保ってるでしょうか。確かに『恥ずかしい』体験を共有できる人は、オープンで近づきやすい性格な気がします😃 先程の高校生はもしかしたら他人に対してオープンで、恥と付き合い上手なのかもしれません。

一方、悪い意味で『プライドが高い』人は、恥との付き合い方が下手くそな大人気ないオトナだと認識してます。恥をかくという体験が怖くて表面上を取り繕う傾向があると思ってます。

皆さんの職場はどうでしょうか?恥をかくことを拒絶するが故にやるべき事ができない人って結構いる気がします。決して特定の誰かの悪口を言ってる訳ではないですよ。笑 あくまで一般論です。

《まとめ》
恥をかきたくないので表面上取り繕うことも

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恥ずかしいという感情とその種類

お正月に姪っ子含め、3歳以下の子供と遭遇する機会が多々あったんですが、彼ら彼女らには『恥ずかしい』という言葉がしっくりくる、恥じらいを持ち合わせている場合があります。

同じ『恥』という漢字でありつつも『恥をかきたくない』というオトナが抱く感情は、小さな子供にはおそらく皆無でしょう。歳をとるにつれて、このある意味ねじ曲がったプライドが出てくるのかなと察してます。要は虚勢を張ってしまうんです。勿論、個人差は天と地ほどあります。笑

《まとめ》
恥をかきたくない感覚には個人差がある

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変化に対する拒絶反応

私事ですが、1月からバーチャルに海外転勤することとなりました。詳しくは過去のnoteに書いてますが、ざっくり言うと、日本に居ながら海外の部署のチームに配属される感じです。

この取り組みに先行して、英語が公用語となったチームが同じフロアにあります。そのチームは管理職がドイツ人なので、全ての業務は英語になっているようです。

私のバーチャル海外転勤と似た事例ですので、チームに起こった変化困っている事などメンバーに少し聞いてみました。すると、予想外の回答が返ってきました。

意外だった事例が、英語の原稿作りのために残業爆上がり中の人と、頑なに日本語オンリーを貫いている人。後者の場合、メールも口頭での説明も第三者の目に晒される場では全て日本語だそうです。笑 勿論、業務に弊害は出るでしょう。

その方はオジサンです。他のメンバー的には、カタコトの英語で恥をかきたくないのかなと察しているようでした。何とも言えない気持ちになりました。

《まとめ》
高いプライドは変化に対する拒絶の要因の一つ

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人目を気にする日本人

Wikipediaで『』のページに載っている引用文献を辿ってみました。すると面白い論文を見つけました。

中里・松井(2007)は日本、アメリカ、トルコの中高生を対象に比較している。それによると、トルコの中高生は日本とアメリカの中高生よりも、多くの状況で恥を感じやすいが、“自分だけみんなと違うことをしてしまったとき”のような仲間に対する恥日本の中高生はアメリカやトルコの中高生に比べて高いことが示された。
※ 出典は末尾に記載

この報告によると日本人は周りと違うことをしてしまった時に恥を感じやすいそうです。

さらに、アメリカの中高生はトルコと日本の中高生よりも“自分で立てた目標が達せられなかったとき”のような自身の基準に対して恥が高いことが見出された。
※ 出典は末尾に記載

この文献によると、恥を感じるポイントは国や地域によっても異なる可能性があるようです。『』にあたる言葉の持つ微妙なニュアンスが国毎に異なるかもしれませんが、我々は『恥』という視点において周りの目を気にしすぎなのかもしれません。

《まとめ》
日本人は人目を気にする

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変化に対する拒絶の根本は『恥』の回避?

組織の中ではいろいろな変化が起こります。ここまでの話を踏まえると、変化に対する根強い抵抗感は『恥をかきたくない』という負の感情が主要因かもしれないと思いました。

その場合、本人の能力ではなく性格が根本的な課題となってしまいます。

人前で恥をかきたくない
自分のイメージを崩したくない
周りのヤツらにダメな自分を知られたくない

もしこれが図星なら、会社から提供されるサポートの多くは全く機能しないことになります。

少し意地悪な言い方ですが、彼ら彼女らのプライドを維持するためのコストを払った方が物事はスムーズに進みそうな気がしてます。

前述の英語公用語化のような痛みを伴う変化を導入する場合、画一的な制度を整える視点に加え個別のケースとしての都度対処することもかなり大事。そんな気がしてきました。

《まとめ》
変化に対する拒絶反応は、能力ではなく性格の問題

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さいごに

まとめるとこんな感じです。

《まとめ》
・プライドが高い=『恥をかきたくない』
・恥をかきたくないので表面上取り繕うことも
・恥をかきたくない感覚には個人差がある
・高いプライドは変化に対する拒絶の要因の一つ
・日本人は人目を気にする
・変化に対する拒絶反応は、能力ではなく性格の問題

何が言いたかったかというと、

《結論》
変化に対する拒絶反応の根底には、周りの目を気にして『恥をかきたくない』という意識がある可能性
これは能力というよりも性格上の課題

したがって、上記のケースの場合、
能力を向上させるようなサポートは機能しない可能性

という内容になります。ここまで言いたい放題ですいません。笑 とは言え、私自身も『恥ずかしいから嫌だな』と思うこともしばしばあります。そんな時は自分にこう言い聞かせることにしてます。

自分が思っているほど誰も自分のことを気にしてない

これは芸人のアンガールズの田中さんが蛭子能収さんに言われた名言とのことです。笑

悩みを抱えたアンガールズ田中さんが蛭子さんに相談。その相談内容に対して蛭子さんは『へへへ。田中君の事、誰もそんなに気にしてないんじゃない。へへへ』とアドバイスしたのことです。現場からは以上です。それではまた。


《出典》
Ritsuko Azami
University of the Sacred Heart, Tokyo
The Japanese Journal of Research on Emotions
2008, Vol. 16, No. 1, 49-64


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