見出し画像

世の中のクルマをEV化(電気自動車化)するっていうけど・・・

「EV車化する未来をかんがえる①」

あなたの住む町のガソリン価格は現在いくらですか?
神奈川県に住む私は先日スタンドに入ったところ「レギュラー1リットル155円」の文字が・・・高すぎる!
『gogo.gs』というガソリン価格が調べられるサイトで『神奈川県』を調べたところ、最高価格は鎌倉の某スタンドで181円というのを、まさに梅干しを口に入れたようなすっぱい顔をして見てました。

全国平均は168.4円(2022.7.15「gogo.gs」調べ)

実際ガソリン車はいまどれくらい走っているのか

アメリカでは燃費の良いハイブリッド車プリウスに人気が集中し入手困難とのこと。(ピークは過ぎたみたいですが)
原油価格の高騰は世界中で起きており、高騰したガソリン価格は世界中の多くの人を混乱させています。
2021年の時点でアメリカの道路を走っている自動車は2億8950万台(約3億台)で、うち約98%がガソリン車との記事を読みました。
日本では2020年の自動車保有台数が約7,846万台で、EV車が同年3月までに累計15.2万台販売されていることから、ざっくりの計算でその内EV車は約1.5%ほどということになります。
日本も大体98%がガソリン車ということで、まだまだガソリン車がほとんどであることが分かりますね。
そりゃあハイブリッド車の需要が高まるのは自然です。

世界の流れは脱炭素をかかげてEV車を推していますが、EV車のくくりであるはずのガソリン燃料を使うハイブリッド車のHEVやPHEVを受け入れず、電力のみをエネルギーとしたBEV(バッテリーEV)一択に先導している流れがあります。
国内の車がすべて電気でしか走らないというリスクを受けいれて、本当にすべてのガソリン車と入れ代わるという世界がやってくるのだろうか? と頭をかしげてしまいます。

アメリカの約3億台がすべてBEV自動車に? 日本の約8千万台がすべてBEV自動車に?
いくら政府が決めても、それを実現していく際に市場とミスマッチ(消費者に選ばれづらい状況)であれば実現するのはかなり困難でしょう。

電気という燃料は本当に安全に機能するのか

節電ムードでなおかつ電気代は上がるなか、近所のコンビニやスーパーでも、売り場の電気を一部消しているのをよく見かけるようになりました。
少なくとも現在の電力状況では7千万台以上のガソリン車を電力で走らせるほど電力は用意できていません。
アメリカも同様で一部の州で計画停電の話が出ていて、約3億台を走らせる電力はいまのところ期待できる状況ではありません。
EV化を推進するヨーロッパ諸国の電力状況は、昨年から再生可能エネルギー関連がうまく稼働せず、電気代は恐ろしいほど値上がりして生活を圧迫しており、加えて今回のウクライナ戦争でエネルギー危機は増すばかりとなっています。
電力ひとつとっても、ままならない状況が世界中で起こっているのに、世界中の何億という自動車が電気で走るということが、私は少なくともいまのところは全く想像できません。

電気は、政府や経済やインフラを動かすにも必要で、つまり国を動かすのに絶対必要なエネルギーです。
電気がなければ信号も消えたままになり、パソコンは使えず、通信手段も壊滅的な打撃を受け、なおかつクルマまで動かなくなるなんて・・・。

電気の供給が止まった世界線では、一部自家発電を所持している企業や家などが、自分たちが使える分をほそぼそと消費するのがやっとで、自動車にそのなけなしの電力をまわさなければいけなくなったときに「ああ、ガソリン車欲しい!」と悲鳴をあげる人は少なくない気がします。
そんな大事な生活インフラを『電気』一択にするより、石油で動くものと分散した方が、自然災害の多い日本では特に大事な気がしますが、どうなんでしょうか。

中小企業が多い日本では、節電自体に限界があります。
災害や節電を余儀なくされる状況が起こった際に、ものづくり日本を支える企業や工場に電力を供給したいなか、経済インフラを支える車にも電力をまわさなければいけない。そうなれば世のなかの混乱は必至だと思います。
長期的な事態でも工場を止めないしくみが、そこから経済を立ち上げる底力としても必要不可欠です。


半導体が不足する。という新時代の脅威


電気に依存するということは、半導体の存在も忘れてはいけませんね。
我々の身のまわりのほぼすべての電気製品に使われていて、その半導体不足の影響で今年の冬はお湯を沸かすボイラーが修理できないなんてニュースに驚いたばかりです。

半導体不足は国家間で利権をめぐって冷戦のような状況で、半導体の主権を握る国が世界を制すといわんばかりの存在になり、国防に関係する意味合いが増しています。(特にウクライナの戦争で露呈してきました)

— 世界中の国々が、エネルギー問題でもめて、半導体でもめている。

— コロナ以前と以後で世界の流れは変わり、ウクライナの戦争でまた新たな流れがはじまった。

このような状況下で、私なんかは「世の中のクルマは100%EV車にします」なんて宣言が、なんだかもめごとの中心にある気がして、物騒に思えて来ました・・・。


バッテリーEV車以外の選択が価値を持つ可能性が高まるのではないか

「コロナ後の世界」と「ウクライナの戦争で始まった流れ」で時代の背景が変わり始めたことにより、ガソリンと電気をエネルギーとするハイブリッド車はこれから実はもっと重要になるのではないか? なんて思い始めているのは私だけではないのではないか、と思っております。

電気以外の選択肢として他にも「水素」やバイオ燃料など、バッテリーEV化しなくても路線はいろいろあります。
日本はその線はとても強いです。
とはいえ「BEV化の流れは止められない」「おかみ(政府)が言っているからそうなる」という意見が根強い気がします。

第一の問題のカギは、電力がガソリンに本当に置き換われるのか。

もっと詳しく知りたいですよね。
一緒にその世界を見に行ってみましょう。
では、次の記事で。
(電力ってそうなってるの・・・と調べていて驚きました)

キンタン 高橋


【切削加工の技術広場 キンタン】という中小企業応援型のWEBサイトを運営しております。
ものづくり日本が次の時代を迎え撃つためには「発見」が必要です。
そんな「発見」をみんなでつくる場です。しかも楽しくがモットーのWEBサイトですので、ぜひお気軽に遊びに来て下さい。

《参考資料》
ガソリン価格比較サイト gogo.gs
グローバルノート 国際統計・国別統計専門サイト
くらしTEPCO  さあ、EVのある暮らしを始めよう!
Gigazine  - なぜ夏に計画停電しなければならないほど電力需給がひっ迫するのか?
一般社団法人日本自動車会議所
JAMA一般社団法人日本自動車工業会
ソルトブッシュクラブ
PRESIDENT  Online
Finances Online


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?