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【読書感想】キノの旅Ⅱ

こんにちは、今日も毎日更新を
継続しているYui Kinouです。

学生の頃に読んだ本、「キノの旅」を
もう一度読み直したくなり、
kindle版で再購入と再読しています。


紙の本って、どうしても場所を取ってしまいますよね。

だから渋々古本屋に売ったので、
読み直したくなっても、
再購入の検討すらしませんでした。

ですが、kindle版だと置き場所に困らないため、
すぐ購入です!

場所を取らない、という最大のメリットが
すごく魅力的。
気になっていた本をどんどん買えちゃう。


去年までは、
「本はやっぱり紙の本じゃないと!」と
思っていましたが、すっかり電子書籍も
お気に入りです。

何事も慣れ、なんでしょうね。

去年の自分に教えてあげたいです。


では、今日は2巻目を読み終えた感想を
投稿です。


キノの旅1巻目の感想はこちら



キノの旅II the Beautiful World

時雨沢 恵一 (著)



内容(「BOOK」データベースより)

砂と岩の砂漠の真ん中で、キノは空を見上げていた。晴れている。頭を下げて、石造りの口を開ける井戸を見た。涸れている。「だから言ったとおりだよ。最初からこれじゃあ旅なんて無理だよ。キノ。旅人に一番必要なのは、決断力だよ。それは新人でも、熟練の旅人でも同じ。違う?」「いいや、エルメス。それはきっと運だよ。旅人に一番必要なのは、最後まであがいた後に自分を助けてくれるもの。運さ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。



2巻の購入理由

1巻目を読み直してみたところ、
大人になった今でも、
考えさせられるお話ばかりで
改めて「キノの旅」に魅せられました。

学生の頃に一度読んだのですが、
覚えている話と全く異なっており、
自分の記憶力に絶句。

これはもう一度読み直さないと、と
2巻目も手にしました。



キャラ

旅人のキノと、二輪車エルメスがメイン視点。

最後の章では、1巻に出ていた
元王子のシズや犬の陸が視点です。

様々な国を巡る短編、
1話完結型のファンタジーなので、
それぞれ違う登場人物が出ます。

登場人物みんな人間臭い人たちです。


感想

旅人のキノと、二輪車エルメスが
様々な国を巡る短編集。

2巻では10章ほどの短編集でした。

どの章も面白い題材でしたが、
特に印象に残ったお話が「優しい国」。

キノはその国を訪れる前に、
旅人たちから様々な悪評判を聞いていました。

それでも興味津々で訪れるキノ。
一体、どれだけ酷い扱いをされるのかと
思っていましたが、評判とは正反対の歓待っぷり。

でも、どこかで手のひら返しがあるのか、と
予想して読み進めていましたが、
それも外れる。

「1つの国には最大3日間滞在」という
キノ自身のルールを破ろうとしてしまうほど
最後まで居心地の良い、優しい国。

何も分からぬまま、キノが国を出た次の日。
その前評判と異なる理由が分かります。

全く想像もしていなかった展開に
ただただ驚きます。

次の日に自分たちが死ぬ。
けど逃げ場所の宛もないため、国と運命を共にする。

私だったらどうするだろうか。
たぶん逃げ出したい。けど宛もないとやはり逃げないのかも。

そんな中で人に優しくして、
優しかった自分たちが旅人の記憶に
残って欲しいという想いは
すごく切ない気持ちになりました。


考えさせられたお話は「絵の話」と
「続・絵の話」。

「絵の話」では、
「絵描きが絵に込める想い」
(今回の場合は好きな物を好きなだけ描いている)と、
「購入者の絵に対する感想」の温度差が現実的。

「〇〇の気持ちが込められているんだ!」と
他者の勝手な解釈は芸術によくあることだなぁ、と
思ってからの、続編の「続・絵の話」陸視点。


続編でこの何でもないお話の印象が変わりました。


購入者が「〇〇の気持ちが込められている」
という評価が過ちだったと、絵を燃やします。

絵を燃やされ、国の人々に酷い扱いを受け
「好きな物の絵を描けなくなった絵描き」が
適当に書きなぐっている絵を、
立ち寄ったシズが動揺するほどの高評価をつけます。

でも、適当に書きなぐっている絵を
高評価されても、絵描きの心には響かない。

絵描きは自分の好きな物を描けたら
それでよかったのに。
他人からの評価でそれも出来なくなる。

ほんの些細なキッカケで評価が一転するところや、
好きな絵を描けなくなった絵描きの様子が
「絵の話」と「続・絵の話」で
うまく描かれています。


他人の評価なんてスルー!とよく言うけど、
絵に限らず、好きなことをしていても、
他人の評価で左右されてしまうものですよね。

絵描きの様子がすごく悲しい。


ほかのお話も、1話1話にテーマがあり、
完成度も高くて面白いです。

学生の頃に読んだな、という人も
新しい発見があり、再読はおすすめです。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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