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東大生とアーチェリーで日本一を目指す話

このnoteを書いている人って誰?

初めまして、小川哲生(おがわ てつせい)と言います。
1997年3月14日生まれの26歳、好きな食べ物は苺です(ずっと食べていられる)。
突然ですが、僕はリクルートという企業で働きながら、東京大学の体育会アーチェリー部でコーチをしています。

目標は「日本一」を取ること。

東大生が部活動で日本一? そんなのできるの?
皆さんそう思ったかもしれませんが、僕も現時点ではそう思っています。

でも未来のことは誰にも分かりません。

一人の社会人と学生達がどんな想いで、何を成し遂げようと挑戦しているのか、その記録が奇跡的に誰かの役に立つかもしれない。

しかも、もし何年後か本当に目標を達成したら、それまでどんな風に歩んできたかを残しておくことが、何かの参考になるかもしれない。

そんなことを考えて、このnoteを書いています。

東京大学の選手達と


東大生が部活に取り組む意義って?

「大学生の4年間という貴重な時間を何に使うか、本当に部活動に使って良いのか考えよう」

新チームが発足する度、一番最初のMTGで必ず問いかけます。

語弊を恐れずに言うと、この問いかけで部活を辞める子が出ても良いと思っています(それくらいの覚悟で言います)。

なぜなら、その時点でどんな状態だったとしても学生達は可能性に満ち溢れていて、4年間という時間を「何に、どれだけ使うか」によって、いくらでも変化・成長できるからです。

もしかしたらアーチェリーなんかやっている場合じゃないかもしれない。

前提として大学生18歳は成人であり、かつ誰かに強制されて入部したという人はいないでしょう(僕も勧誘やスカウトは一切していません)。

だからこそしっかり考え、納得した上で部活動に取り組むことを”自分で選んで”欲しいのです。

人間は弱い生き物なので、自分で選んでおきながら(変えられるのに)環境に対して文句や不満を言ってしまう時もあります。

でも"自分で選ぶ"ことを意識的にやってもらい、部活動に貴重な時間を使っているという意識を持って欲しいと思っています。

そして、指導者はスポーツ・部活動を通して、彼らの貴重な人生の時間を一緒に過ごします。

なので、その時間を何かしら彼らの人生にとって意義があるもの、背中を押すような学びや経験が得られるようにする責任があると思います。

スポーツは勝負の世界なので、当然、結果が出る / 出ない、メンバーになる / ならない等、様々な違いが生まれてきます。

それでも各選手にとって、「この時間を使う意義は何か、どんな学びが得られるのか」を考えて、出来る事ならば全員に最大限の学びや経験が得られる時間にしていこうと常に考えています。


言葉の周波数をチューニングする

ここからは具体的な指導の場面で意識している点を記載します。
まず、”学生達の言葉”で話すことです。

スポーツ界では未だに、

「コーチの言っている言葉・意図を選手が理解するのが当然」
「(出来ない場合)選手の理解力が弱い、もしくは努力が足りない」

と考えているのでは?と思ってしまうような一部指導者の態度、発言が見受けられます。

でも前提として選手は他人だし、各々の経験も異なるので、一つの言葉、単一の表現だけで全てが理解出来る訳がない(伝わる訳がない)と思っています。

例えば、弓を”ひく”という言葉でも、解釈はいくつもあります、

  • ドアノブを”ひく”ような自然な動作

  • 綱引きで綱を”ひく”ような力強い動作

  • テーブルクロスを”ひく”ような素早い動作

指導する時には、伝える相手にプレゼントするように言葉を選ぶことを意識しています。

そして正しく(伝わる)言葉を選ぶために、相手がどのような経験、価値観を持っているかを雑談しながら事前に確認します。

これを練習の度、一人ひとり、行なっていきます。

これはラジオで周波数を合わせるような感覚です。

チューニングが合っているかどうかで、選手のパフォーマンスには明らかな違いが出ます。


同じじゃないけど、対等

最後に、コーチと選手は同じじゃないけど、対等です。

競技に限らず、ありとあらゆる人間関係で言えることだと思います。

もちろんチームの状況やコーチに就任した背景など、様々異なります。

でもあえて言えば、コーチが出来ることなんて、あくまでも選手が思い切りプレー出来るように、その結果何かを得られるように支援をすることだけです。

それ以上でも、それ以下でもありません。

だから選手達と向き合う際には、「指導をしてあげている」とか「こんなにやっているのに」と、勘違いした発想を持たないように常に自己チェックをしなければなりません。

またコーチが対等であることを意識しながら選手と関係性を築くことで、選手からしたら悩みの相談がし易くなったり、同じことを伝えようとしても選手の受け取り方は変わるはずです。

僕自身も選手とは、上下の関係ではなく、世代を超えた同じ志を持つ仲間かつ友達のような存在だと思って接するように意識しています。

年齢も経験も、あらゆることが違うけれど、違うからこそ様々な工夫や努力によってそのチームしか出せない魅力、成し得ない成果が実現できるのではないかと思っています。


引き続き、選手達との目標に向かった挑戦を記録していこうと思います。


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