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今週のkinologue 【9/16-22】

時差を引いてもこぼれている「今週」も、引き続きヘルシンキ滞在旅日記という備忘録。後半からコペンハーゲン経由でマルメへ。

<9/16, Maa>
2013年に『かもめ食堂』のワークショップをロケ地の食堂でやった時に超お世話になったメディア研究者と、再開発が過ぎるKalasatamaにて10年ぶりくらいにビーガンランチ。尺八を作りに日本に来てたとか、驚く話ばかり。10年あれば色々あるか。コーヒーはレトロなRoberts coffeeにて。

いつからあるんだろう。全然知らなかった

フィンランド語の春樹本を納品しにArkadiaへ。相変わらず色んな人が来て、違う言語が飛び交う。シベリウスアカデミーで勉強中のアムステルダムから来たビオラ奏者女子から、奏者がどうやって職を得ていくかの話を聞いた。映画でも観たことあるけど、オソロシイ世界だ。Ianの愛用エコバッグは日本で貰ったらしいが、謎のロゴ。画像検索しても見つからず。

暫く続いたエコバッグ自慢大会

<9/17, Tii>
やっと洗濯完了。なんで2時間以上かかるのか謎だけど、明日からの旅もこれで安心。
友達が昨年オープンした定食屋?にてサーモン丼を食す。大盛況だね!と言ったら、いつものことらしい。早速仲間たちに元気に働いている写真を送ると、ディスる返事が来て笑う。

現地の食材を使うことにこだわってるらしい

『マイヤ・イソラ〜』の監督Leenaの家に招待されて、カントリーサイドへ。庭でトマトなどの野菜を育て、6本の林檎の木からジャムやパイをつくる暮らし。景色と気温は全然違うけど、林檎を夏みかんに置き換えたら、ほぼ同じことしてるじゃん。去年のプロデューサーMerjaもそうだったけど、やはりこの人たちとは分かち合えるものがあるなぁとつくづく。

林檎は木によって味が全然違った
サッパリしたクリームチーズみたい?なLeipajuusto
ベリーのジャムはもちろん手作り

夕食後にLeipajuustoとアップルパイというデザート2種を頂いていたときのこと。明日は空港に荷物を置いて行くつもり〜と話したら「友達に預けないの?」と言われ「そんな友達、思いつかない」と言ったら急にうちから行けそうな範囲の知り合いにガンガン連絡をし始めた。え?ウソでしょ。あっという間に引き受けてくれる人が見つかり、連絡をとって、その日のうちに持って行くことになった。もちろん初めて会う、メディアアーティストであるその人はトラムの駅まで取りに来てくれた。これが、フィンランド人にとっての当たり前なんだよね。何度もこんな経験をしてきたけど、人への信頼の深さと寛大さに感動するばかり。中秋の名月を見ながら、じーん。

<9/18, Kes>
コペンハーゲン🇩🇰へ移動。手持ちバッグとリュックだけでホント助かる。機内でArkadiaで買ったガイドブック2007年版を熟読し、コペンハーゲンの地理をGooglleマップを見ながらざっくり把握。とりあえず荷物を駅のロッカーに預けて、一番遠くにあるゴミ焼却場Copenhillへ。処理場内のエレベーターを上がって、帰りは歩いて降りていく。ここはスキーとクライミングが出来るらしいが、モダン建築が◎ 帰ったら『コペンハーゲンに山を』を観ねば。

遠くからでもこのカッコいい建物と煙が見える

スマホの充電切れもあって、Black Diamondと言われる王立図書館にちらりと寄る。こことSuperkirenはまた改めて来よう。そして滞在先のマルメ🇸🇪へ電車移動。橋を渡るとき、遠くに風力発電の風車がたくさん見えた。フィンランドを出てからここまでパスポートのチェックが一度もなかった。たまたま?

<9/19, Tor>
初めての街に数日滞在する場合は、ホストと同居のエアビーに泊まるのがマイルール。今回のホストはコーチングの自営と大学教授をしている少し年上のMaria。自分の寝室を貸して、その間はリビングで寝ている。駅から近くてメチャ便利なトコにあるからこそ可能なのだろう。いいなぁ。
今回参加する映画祭NORDISK PANORAMAについては別noteにまとめるとして、初日はマルメをぶらぶらと。地元のマルメ通にオススメのカフェを聞いたらすぐに返事が来たので、早速行ってみた。メニューが豊富で人気店のよう。魚のスープが美味しかった。

完食したら夕食が食べられなくなった。すごい破壊力

secondhandを数軒のぞきつつ(厳選された旅のワードローブにぴったりなスカーフを35SKで手に入れた👍)、初めての街では先ずは図書館を探す。古い建物のマルメ市立図書館に入ってびっくり。開放的で美しく、ダイバーシティ&インクルージョンをそこここに感じる。フィンランドの図書館も素晴らしいけど、更にすごい。こんな図書館がある街、羨ましすぎる。Mariaに話したら「世界一だと思う!」と誇らしげだった。

1-4階の様々な場所に話したり、勉強できるスペースがある
コーナーのスペースは居心地が良さそう
超多言語棚。本が詰めて入ってないのもいい

<9/20, Per>
前日に綿密な映画祭スケジュールを立てたところ、今日は夕方まで時間が作れることが判明。再びデンマークへ渡ってオードロップゴー美術館へ。前日の夜に買った電車のチケットが当日有効でやってしまった!と嘆いたら、Mariaが即座にSPAにチャットして対応。おかげでリファウンドできた。ありがたい😭
フィン・ユールの家も隣にあるからか、日本人を数組見かけた。どこの有名建築でも日本人に会わないことはほぼない。屋外に現代美術のオブジェがいくつかあって、探しながら歩くのが楽しい。オラファー・エリアソンの作品から突然スチームが出てきてびっくり。屋内は企画展(印象派とちなんだ現代アーティスト2名の展示、1人はアイ・ウェイウェイ。ちゃんと見たのは初めてかも)と常設のフレンチコレクションとデニッシュコレクション。印象派の所蔵品もたくさんあって、なるほど。この邸宅の主人のコレクションなのね。北欧は個人のコレクターがいないと、有名作家作品を見ることが難しいからなぁ。
16時から続けてドキュメンタリーを3本観る予定だったので、のんびりしたいのをガマンして急いでマルメに帰った。

これももちろん作品。
椅子に子どものパンツが干されていたけど
子どもたちはぐるぐる楽しそう。結構怖かった
リノベされた中に入ると広さを実感
フィン・ユールも好きだった景色かな、と
ベンチから庭をしばらく眺めていた

<9/21, Lau>
お昼までみっちりあった短編ピッチの後、もう1軒のオススメされたレストランSMAKでランチ。週末の昼下がりは家族連れがいっぱいで平和。ラムのハンバーグとサラダバーでまたお腹いっぱいになって苦しい。

塩辛ソースはジャガイモを合わせると◎

偶然にもレストランが入っているkonsthallは映画祭の会場のひとつでもあった。ギャラリーではLenke Rothmanの「Life as Cloth」という展示がちょうど初日で賑わっていた。ユダヤ人で戦時中はナチに追われ、1945年にマルメにたどり着いたそう。布や紙、様々な素材がミックスされて、とてもユニーク。

展覧会タイトルになっている作品

ゆっくりしたせいで、映画に間に合わず、諦めてオレンジで目立つ現代美術館へ。こちらもウクライナ人アーティストMarija Prymatjenko の「THE FANTASTIC AND HORRIFIC」という展示が初日。いつか見たいと思っていたから、ここで出会えて嬉しい。戦争が始まってから、国民的アーティストである彼女の作品が焼失したと聞いていたが、今回はここの所蔵らしい。自国以外に所蔵されていて、本当に良かった。ニキ・ド・サンファルやピカソ、現代アーティストとの組み合わせが面白い。

青空に映えるわー
カフェとショップ。なんか色々買ってしまった

<9/22, Sun>
朝からBreakfast Screeningに。意外にも満席で、みんな朝からアトラクション気分なのかテンション高め。サイドテーブルに置かれていた朝食は、ポリッジみたいなのにドライフルーツやナッツのトッピングとパン、スイーツと軽めだわ〜と思っていたら、結構お腹いっぱいになった。終了後に急いで移動し、ドキュメンタリーのWORK IN PROGRESSでプレゼンを聞くこと2時間ちょっと。最後のプレゼンにコメントした人が『365日のシンプルライフ』のセールスエージェントだと気づいて声をかけてみる。やりとりしている社長はこれから来ると聞き、10年以上の付き合いで遂に会えるのか!映画館に移動して観たのは、去年フィンランドで観てずっと気になっている作品。出演兼監督とメールでやりとりしたプロデューサーのQ&Aがあると知って観に来た。終了後に声をかけ、情報交換。イイ話を聞いた。ちょっと諦めかけていたが、ここで会ったのも縁だし再度配給を検討しようか。と思っていたら、次に観た作品にやられた!明日セールスエージェントに詳しく話を聞いてみることにする。やっと映画祭らしくなってきたか!笑。

ナッツとフルーツをトッピングしてヘルシーな朝食

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