見出し画像

きれいになりたい

服を買った。

前にも書いたけれど、わたしはファッションが苦手だ。知識もないけれど自分を飾ることが不得手だ。

何を着たら良いかわからない。何が似合うかもわからない。
化粧は学生時代にデパコスのお姉さんから教えてもらって以来アップデートされていない。髪はくせ毛で薄いのもあり気がつくと風に吹かれてホームレス状態,、トイレで鏡を見るたび仰天する。いっしょけんめい手で撫でつけるんだけど格好の悪い方向にはねる。櫛を使えよって? うん、そうなんだ。そういう「ちょっと自分のためにがんばる」努力が足りないのよね。

何が似合うのか曖昧で着るものを買うのも難しい。そこで今回なんとか日程調整をして友だちのverdeさんに会いに行った。

verdeさんはファッションの専門家だ。

Salon de Verde は依頼したクライエント(顧客)のニーズに合わせ、verdeさんが持てる知識と経験のすべてをつぎこんで一人だけのためにコーディネイトしてくださる場所。今回は諸処の事情で時間があまり取れなかったので服のセレクションをお願いした。本当は髪、メイク、服、靴すべてのトータルをお願いしたいので、それは次回にとっておく。


verdeさんに会うというのでいつもは持たないバッグを出した。

愛用のバッグ。こうやって見ると似たようなテイストだなあ。


左がいつも使っているモロにリクルート用のバッグ。ビニールレザーで雨にも風にも強く手帳どころかA4ファイルもノートPCも入ってしまい便利だ。大きくて何でも入りいかにもお仕事用。ふだんの自分はこれ。

今回はせっかくお洒落の練習に行くのだし、と、いつもは使わない右側の小ぶりのバッグを出してきた。見かけはあんまり違わないし写真に撮るとサイズもさほど違わないけどね。気持ちは違うの。

服も一張羅を着ていった。別にめかし込んでいかなくても良いのだけれど。そんなことをしなくても十分わかってもらえるし、むしろ普段のしょうもない格好の方がよりわたしという人間が現れていて良かったかもしれない。でも飛行機と電車に乗って都会に出るからね。気持ちの問題として。

verdeさんとは初めて対面したがいつもnoteやTwitterでやりとりしているので全然初めての感じがしない。zoomでも何度もお会いしていて顔もよく知っているし。で、挨拶も早々にさっそく相談に入る。

わたしはふだん、「ステキだね」とも「変だね」とも言われない地味な服装をしている。規定もないしどんな格好でも何も言われない職場なのに、男性が毎日ねずみ色の背広を着るみたいにスーツを着ている。家では万年、ジーンズとトレーナーかTシャツ。それが楽だから。考えなくて良いから。

だけど……

ファッションに限らず、この「考えなくても良い」というのは努力を放棄した姿でもある。もちろん大変な時はそれでいい。それしかできない時期もある。実際あった。

でも、少しゆとりがあるにもかかわらず以前と同じように「考えなくても良い」服装をしているのは、ちょっとやはりダメだろうと思うようになった。誰でも年を取ってどんどんおじいさんやおばあさんになっていく(おじさんおばさんを通り過ぎたら平等にみんな老人になっていくのよ)。その時に若い頃と同じファッションでは痛いし、かといっていかにも老人くさい格好はしたくない。ちょうど今、どうしていいかわからない状況で、それでプロのアドバイスをもらおうとしたのだ。

verdeさんが次々にいろいろな提案をしてくれる。
パンツ、スカート、ワンピース。
今回は「ちょっと遊びに行く時に着られる服」を新調したいと思っていたので、硬すぎないテイストが欲しかった。硬くて地味な服はたぶん自分でも選べると思ったから。

今年はワンピースが流行ということでそちらにも大いにひかれたが、一着で着てしまう服よりもコーディネイトできる服が欲しくて、パンツやスカートとジャケットのような組み合わせをいろいろと試してみた。
さすがプロと思ったのはverdeさんが提案して下さる服がすべて自分の身体に合うサイズだったこと。これって当たり前のようで実は素人にはできない。

わたしは服から出ている顔や足首はさほどでもないが、胴体が丸くて見かけよりずっと体積があり服のサイズはL以上になる。物によっては3Lだって着られてしまう。しかし大きいサイズは手足も長いものが多く、腕が細い割に袖が長すぎたり、襟ぐりが開きすぎたり、ちょっと見ただけではわからない(ユニクロの長袖はほぼ全滅だ)。それが、verdeさんが提案される「これはどう?」という服はほとんどが自分の身体にジャストフィットするものだった。同じ「L」だってメーカーによってずいぶん違うのに。まずそのことに「すごい!」と驚いた。

それからわたしという人間の好みを短い時間で的確に把握し、その上でちょっとこれまでと違うテイストが提案された。これもキャリアとセンスあってのこと。どの服も良かった。全部欲しかった。石油王だったら全部買っていただろう。

最後に選んだのがこれ。

上手く撮れなかったけど許して

あんなに後でみんなに見せようなんて言っていたのに、ビフォーアフターを撮り忘れ。自分も、verdeさんも。

でも、1人では決してこれらの服たちを見つけられなかっただろうと思う。何よりパンツのフィット感と動いたり座ったりした時の楽さがすごい。この布地で、こういう縫製で、このくらいのサイズ、という見立てがすごい。服だけ見ていてもフィット感はわからない。

インのTシャツは自分では選ばなかっただろう。薄手の夏のジャケットも多分、ひとりなら「扱いが難しそう」と思ってスルーしていた。全部を着てみたら活動的でいてキチッと感もありおしゃれにも見えてとても嬉しかった。何より着ていて楽で体型も気にならない。

あと、メイクについてもアドバイスをいただいた。今まで上手くできなくて放ってあった部分も少しずつ改善できそう。
verdeさんありがとう❤️

ステキな服を着たりメイクの仕方を変えても、それで自分がものすごく変わるわけではない。他人から見たらビフォアもアフターも違いはわからないかもしれない。だけど気持ちが変わるのだ。ステキな服を着ている、という気持ちが。
気持ちは表情にも行動にも表れる。本当に少しの変化だけれど、笑顔が多かったり、少しだけ優しくなれたり。そうすると少しだけ,ほんの少しだけ前より感じが良くなり明るく見える。
それがお洒落をする本当の意義だと思うんだ。

ワインは赤が好き。白も好きだけど。ロゼも好きだけど。


そんなわけですっかり満足して帰ってきたのでした。ちょっだけ乾杯もして!
verdeさん本当にありがとう。また寄らせて下さい。


【追記】
verdeさんが書いてくださったバックステージはこちら。❤️❤️❤️



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?