見出し画像

本読みの履歴書 7

やっと中学まで来ました。ああ長い。
思うに、小学生の時が一番本を読んでいた気がするんですけどね。他の皆さんはどうなんでしょう? 前回はこちら。

通し番号は、「100冊とりあげる」という指標のためだけに付けたもので、特に意味はありません。


39.シェンキェビッチ 「クォ・ヴァディス」

友だちんちの子ども向け文学全集の中で、読んだことのないものを借りてみたのでした。中1の時です。2学期になって夏休みに読んだ本を聞かれたので、これを答えたら……だって本当に読んだんだもん……担任は知らなくて、それはいいんだけど、どうも生意気だと思われていたらしいです。

この担任には嫌われてましたな、多分。
英語の先生だったんですが、わたしは一応、帰国子女で、「先生、こんな発音しません。」なんて正直に言っちゃうしなー(笑) ええ、正直に言っちゃってたんですよ、教科書が違ってるって。

だけどSundayを「サンディー」なんて、絶対言わないよ。少なくともアメリカ東海岸では言わんぞ。そんな発音記号を載せていた教科書も変。

クォ・ヴァディスですが、キリスト教徒がひたすら迫害される小説で、何だか読んでて明るい気持ちにはならなかったですね。


40.ウェブスター 「あしながおじさん」

読んでたのは小学校だったかもしれません。オリジナルの挿絵がヘタウマな感じで好きでした。やはり印象に残っているのは、主人公のジュディたちがいろいろなものを食べる所。雪野原のハイキング(?)の果てに、どこだかの喫茶みたいな所でおいしいファッジを食べたとか(このへん、きわめて記憶曖昧)。しかしファッジって何でしょう? いまだによくわかっていない。いまだによくわからない食べ物BIG2のうちのひとつです。もうひとつは若草物語に出てきたブラマンジェ。

続編も読破。こっちはサリーからの手紙で、うん、なかなか面白い。このへん、マイク・ニューウェルが監督した「モナリザ・スマイル」(ジュリア・ロバーツ主演の映画)の時代とかぶるんでしょうか? この映画、国際線で見た記憶があるんだけど、いつだろう? 国外にはあまり出たことがないのですが。 


41.モンゴメリ 「アンの愛情」

「アン」は何度も全部読んでいますが、シリーズから代表して。
第1作の「赤毛のアン」は小学生の時に既に読んでいました。続編があると知ってシリーズを読み出したのは中学校。何を挙げようか、「炉辺荘のアン」か、「アンの娘リラ」か、迷う所ですが、「アンの愛情」を選ぶあたり、やっぱりもう大昔から10代の学校話が好きなんですね。上の「あしながおじさん」も大学の女子寮の話だし。

こうしてみると、定番少女小説みたいなものにどっぷりと浸かっていましたね。ただ、いつかもどこかで書いたけど、今読み直すと、「若草物語」などオルコットのシリーズはキリスト教色というか道徳的説教色が濃いです。それに比べ、「アン」は出てくる人物の描写が巧みで、今読んでも楽しめます。ジェンダー観などはずいぶん違いますけどね。


42.フランソワーズ・サガン 「悲しみよこんにちは」 新潮文庫

サガンはいっぱい読みました。一時、友だちの間で流行って、濃いピンクの背表紙の新潮文庫を買っては貸し借りしてましたね。中学の頃だったんだけど、どうなんだろう。今の中学生が住野よるとか貸し借りする感覚?

いまでも同じ装丁で、背表紙が濃いピンクです。「愛と同じくらい孤独」までは読んでたかなあ。それ以降は未読。


43.井上靖 「夏草冬濤」

いわゆる日本文学系統って、私のリストの中ではほとんどありません。日本語の物語ってなぜか苦手でした。だけどこれは、中学の国語の教科書に一部が載っていて、もっと読みたくて自分で買ったもの。

ええと、載っていたのは「しろばんば」の方だったかもしれません。そちらも既読。こうしてみると、やっぱりさっくり児童・青年期の話が好きなのですね。あらためて自覚。


44.マルキ・ド・サド 「悪徳の栄え」

親に見つかって取り上げられた本。だってどういうわけか文庫本が家にあったんだもん。でもめげずに「美徳の不幸」も読みましたよ。これもサガンが流行っていた頃、友だちの間で貸し借り(笑)したもの。

読んでの感想は「痛いのは嫌いだ」でした(爆)。
「SM系統はフランス」という固定観念ができた本でもあります。マゾッホの「毛皮を着たヴィーナス」は未読。


45.カフカ 「変身」

わけわかんないなりに読みました。それなりに楽しんだです。ザムザという名前が「ざざむし」に似ていて、Gというよりはムカデを連想しました。カフカは「城」も読んだけど、理解していたかどうかは?

ただね、最後になってグレゴール・ザムザはまた突然人間に戻り、何の得るものも学びもなく元の生活に戻っていくような気でいたんです。ところがそうではない。現実はそんなに甘くなかった。そこはちょっと衝撃でした。

そしてこれらすべてがいまでは記憶の彼方に茫洋としており、筋も(「城」の方は特に)よく思い出せません。後で出てくるけどカミュなんかもそうかな。読んだ記憶だけはあるのですが。

この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?