【仕事・建築】近隣住民によって設計が決まる幼稚園
おはよう
こんにちは
こんばんわ。
今日も来てくれてありがとう。
昨日は久しぶりに都内近郊で地震があったね。
震度3だったけど、大丈夫でしたか?
東日本大震災を経験した身からすると、少しの地震が前触れになるというのは誰も予想できないから、いつでも避難できる準備は大事だね。
こどもの騒音トラブル
去年まで住んでいたマンションの隣には、屋上に遊びスペースが設けられた保育所が建っていた?
園児は青空の下で走り回り、僕の部屋からはいつも元気そうな子どもたちの遊ぶ姿が見れた。
時には音楽を流してダンスの練習をしてた。
それを見るたびに微笑ましい光景だったし、懐かしい気持ちにもなれて、結構好きな立地だったね。
子どもの頃、
園庭を走り回った記憶はあるかな?
きっと声を出して走り回ったりしたと思う。僕も、奇声を発しながら無我夢中で走ってた。
その声に釣られるように、
近所のご老人が園の外から眺めて、声をかけてくれたり、挨拶してくれた。
でも、最近は騒音トラブルが増えているらしい。
壁に囲まれた保育所
都内の某設計事務所。
新卒のときお世話になった先生から連絡があり、新しい保育所に入れる建築商材を相談したいとのことだった。
事務所を訪問すると、図面片手にK先生が現れた。こちらもカタログを広げ営業モードに入る。
商材の相談を受けて、カタログを用いて回答し、その後図面を確認させてもらうことに。
その設計が違和感でしかなかった。
ロ型の形状をした保育所。
真ん中に庭園があり、周囲を教室が囲む。そして、道路や住宅に面した外側の壁は、窓の大きさがかなり小さい。(横幅30センチくらいの窓が間隔をあけていくつかある程度)
まるで、隠されたような保育所だ。
しかし、K先生にしては珍しい設計だ。
過去の保育所は開放的で、園児の声がよく響く素敵な園舎が多い。
K先生に疑問をぶつけると、
頭を悩ませていた。
近隣からの苦情
公立保育所は、その名の通り役所が施主の物件である。建物は住民の税金が財源となり建てられる。
そのため、設計過程において近隣住民の納得を得られるような取り組みとして、説明会は重要だ。
説明会において、当初のプランでは園児の声が騒音として住宅街に響くことを意見された。
K先生は住民に対して説明したが、役所側が持ち帰り、音防止の設計としてロ型保育所が生まれた。
当然ながらK先生は納得していない。
設計士として理想の図面が描けないこともそうだが、施主の理想ではなく、近隣住民の要望を組み込んだ保育所像なわけだ。
子どもたちが元気に遊ぶ環境を与えるのは大人の役目だろう。騒音が理由で閉じ込めるような環境にしてしまうのは、どうかと思うけどな。
僕からすれば、昔の方がよっぽど声が響いてたのではないかと思う。
吸音技術も今より発達しておらず、低層な建物且つ屋上園庭などなかったはず。
そのさらに昔は、路上で遊んだり、空き地で遊んだりしていたはず。
その頃に比べればだいぶマシじゃないだろうか。
騒音トラブルで公害調停
実際に騒音トラブルにより公害調停事件に発展した事例がある。
川崎市の幼稚園で「子供の声がうるさい」と訴える近隣住人との間で騒音を巡るトラブル。国の公害等調整委員会(公調委)が公害調停事件として仲裁し、平成29年に和解が成立していた。
公害等調整委員会は、騒音や異臭などのトラブルを間に入って解決に導く機関のこと。
上記の事件は、幼稚園の騒音がきっかけで精神的苦痛を受けたと、学校法人側に対して451万円の損害賠償を求めたもの。
最終的に和解となったものの、幼稚園や保育所が「迷惑施設」のイメージを
今後もたれてしまうような事案。
保育所や幼稚園だけでない、公園もそうだ。
公害調停ではないものの、実際に長野市では子供の遊ぶ声が”騒音”として市に訴えかけ、公園を閉鎖する事態も発生している。
こうして子供たちの遊び場が少なくなっているのだろうね。
”最近の子供は外で遊ばない”ではなく、遊ぶ場所を奪っているのは大人なんじゃないかな。
子供たちが自由に遊べる社会
K先生の理想は、子どもたちへ成長の場を作り、将来に場を繋ぐことだ。
その場が失われることで、保育所等は待機児童問題が発生する。近くに保育所がなく、遠方に通う児童も少なくない。
そう、K先生は僕に訴えかけていた。
そのような社会であることを、僕らは大人として理解しなければならない。
子どもたちが自由に遊べ、
声を出してはしゃげる社会を
騒音と片づけてはいけない。
今日もありがとうございました
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