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「お金を貸してほしい」と上司に言われまして

これは、わたしが最近考えさせられた出来事です。
それは断ることの大切さです。

いつものように仕事をしていると
違う部署にいる後輩から、
チャットで相談に乗ってほしいと連絡があった。

上司がいるのに、違う部署の私に相談なんて
よほど言えないことがあるんだろうな・・
ちょうど昼だったので、彼を誘って近くの定食屋へ。

お店に着くなり、周囲を見渡した彼。
どうした?と聞くと彼は答えた。

上司にお金を貸してほしいと言われているんだ

私は衝撃的な一言に水をこぼしそうになった。
どういう経緯でそのような状況になったのか聞く。


彼の上司は40代男性、妻と息子が1人いる。
生え抜きで、社内では評価が高い人物だった。
仕事ができ、同期では誰よりも早く課長補佐まで昇進した。来年には課長になることがほぼ確定している。

最近はマンションを購入した。
わりと都心に近く、車も持っているので休日はよく家族でドライブに行くと話していた。理想的な上司の姿と思っていたが、まさかその上司から「お金を貸してほしい」と言われている。
そんな馬鹿なと思った。

「上司はなぜお金が必要なんだ?」

そう聞くと、

「財布を無くしたから」と言われたらしい。

飲み会の帰りに落として困っているそうだ。何とかするから今だけ貸してほしいと頼まれているそう。

彼は、かわいそうだから貸そうと思っているが
本当に貸していいか悩んで相談したとのことだった。

私は「断り、且つ部長に相談しろ」と即答した。

彼は動揺していた。
直属の上司で、信頼している人が真剣に悩んでいるのに断ったら関係が悪化するのではと。

彼が心配になる気持ちもわからなくない。
しかし、そもそも社内でお金の貸し借りを行おうとする
その行為に私は腹が立っていた。

ましてや、断りにくいであろう後輩から。
そんなことを40代にもなって平然とやっているとは
あり得ないことだ。

だから、断れと彼に伝えた。

「はい・・」と頷いてご飯を食べてお店を後にした。


後日、私は直属上司から呼び出された。

「最近、金を貸してくれと言われていないか」
私ではないが、聞き覚えのあることだった。
何かあったのか上司に聞くと

私に相談してきた後輩が、結局お金を貸したらしいのだ。
貸したのは5万円。約束の期日には返ってきたものの
また貸してほしいと相談されたらしく、
次は3万円を貸した。

しかし、今度は約束の期日に返ってこず、
もう少し待ってほしいと言われたまま。
それを部長に相談したところ
社内で他にも借りていたことが発覚したのだ。

後輩に、何故お金を貸してしまったか聞くと
「上司だし、断るのが怖かった」と話していた。

彼から事前に相談をもらっていたことを直属の上司に話し
上司からは彼が所属している部長に伝えてもらった。
その後、課長補佐には厳重注意が伝えられ
厳しい評価が与えられた。

マンションの頭金でだいぶ苦しくなったうえに
奥さんから禁止されている競馬で大損。
お小遣い制のためばれるわけにいかないと金を借りていた。
ただ、財布を無くしたことは事実だったようだ。
それでも許されることではない。


親からずっと「金貸しと借金は絶対するな」と
小学生の頃からずっと言われてきた。
だからこそ、私は貸してくれと言われても断れる。

しかし、直属の上司や信頼している人が
真剣に悩んでいたら、心が揺らぐかもしれない。
それでも断ることが大切だ。

お金は一度でも返済問題に発展したら
余計に関係性に響いてしまう。

おかしいと思ったら断る。
小さなことでも、怪しいと思ったら断る。

最近学んだ、当たり前だけど大切なこと。





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