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Erving Goffmanの“On Cooling the Mark out”についてまとめました。
今回の記事はErving Goffmanの
Cooling the Mark outという論文についてまとめています。
Erving Goffmanとは
Goffmanは、有名な社会学者ですが彼は特に以下の3点に興味があったと言われています。
・一般的な社会状況や人々の関わりについて
・人間の直接的なやりとり
・小さな行動や、日常のとても細かい会話
(提案を断ったり、質問に答えるなど)
特に彼の論文は詞的に書かれていることもあり、ダイレクトにこれだ!と答えを簡単に教えてくれるようなものではないので、論文を読むのは結構難しいと言われています。
Cooling the Mark outに書かれていることとは
今回の論文、Cooling the Mark outは詐欺行為などの知能犯罪での人と人のやりとりは、日常のやりとりでも見受けられるということが書かれています。
この論文でKeyになる単語は
mark
operator
blow off
cooling out
です。
Goffmanは、詐欺などの知能犯罪を例にこの日常のやりとりについて説明をしていますが
mark・・・知能犯罪のターゲットとなる人物
(詐欺の被害を受ける人)
operator・・・詐欺のターゲットを操る人物
blow off・・・operatorがmarkから十分に得た利益を持ち逃げその場から消えてしまうこと
cooling out・・・詐欺にひっかかったと気づいたmarkが色んな方法(友人に話したり、自分は何も失っていないと根拠づけたり)を使って自分を落ち着かせようとすること
とそれぞれの言葉を定義づけ、社会のたとえ小さな集団の中でのやりとりでも、これら4つを使ったやりとりが行われていると主張しています。
あるmarkは自分が社会的ステータスを持っていることに自信があります。operatorはその彼の自信をうまく操り、ギャンブルや投資に誘います。もちろんその投資などもすべて虚偽のものであるので、markは初めのうちは勝ち続けるわけです。その投資に勝っていくことで、markにより自信がついてきて、自分のステータスが上がっていることをmarkは自負し始めます。この段階まで来たら、operatorはmarkが積み上げてきた投資額を根こそぎもって逃げる(blow offする)のです。
markはもちろん、自分という人間が詐欺にあうなんて。と信じられず現実を受け入れられないのですが、この起きた出来事を警察に届けようか迷います。しかし、operatorの仲間一人がまたmarkに近づき、“警察に届け出るなんてことをしたら君の社会的ステータスがおちてしまうかもしれない”などといい、この問題をなかったかのようにCooling outさせ、落ち着かせようとする。
という話です。
これら4つが行われる日常でのできごととは
ある女性が母親になるために仕事を止め、自分の意思で家庭に専念する場面を想像してみて下さい。
そのシチュエーションを、Goffmanの論理に当てはめると、
・仕事である程度社会的地位を得ていた
・出産という出来事が起こり辞職する
・辞職した後に社会的ステータスを失ったことに気付く
・子供の為ならこの犠牲は仕方ないと自分をなだめる、または他人に話、他の人が彼女にそういったことを言い、なだめる。
という感じです。
また、プロポーズのシーンや、カスタマーサービスなどでもこういった状況が見られるとGoffmannは解いていますが、皆さんは彼の理論を日常のやり取りの中で見つけることが出来たでしょうか?
今回はGoffmannのOn cooling the Mark outについてまとめてみました。
誰かの勉強の参考になれば幸いです。