はじめてのサヨナラ
大好きなばあちゃんがこの世から旅立ったのは私が10歳の頃。脳溢血(のういっけつ)が原因で倒れて入院して後3日くらいで亡くなった。
毎年夏休みや冬休みは田舎のばあちゃんの家に泊まりにいくのが恒例で、ばあちゃんはいつも私が好きだった三ツ矢サイダーとぽたぼた焼きを用意して出迎えてくれた。いつも優しくニコニコしていたばあちゃん。遊びにいくと毎回ティッシュに包んだ千円札を親に内緒でくれるばあちゃん。
そんな大好きなばあちゃんが急に倒れて病院に運ばれたと連絡があり後日病院に向かうと、ばあちゃんは病室のベットで横になっていた。
ばあちゃんの近くにいくと意識朦朧のなか私に気づき、動かすのがやっとの手を私に向かって伸ばし、弱々しい声で話しかけてくれた。
婆ちゃん『◯◯(私)、今日はお小遣いあげれなくてごめんな・・・』
こんな状態なのにそんなこと言わないでいいよ。早く元気になってまた一緒に遊んでよ。
そんな言葉も掛けられず私は婆ちゃんの手を握って泣き崩れたのを今でも覚えている。
歳をとればいつかは死がやってくる。今思うのは最後まで孫を思いやる優しい婆ちゃんは今でも私の心の中にいるし、一生忘れることはない。それが婆ちゃんの生きた証なのかな。
私も大切な人の心に残れるように大切な人を一番に思いやって生きていこう。
こんなことを毎年婆ちゃんが亡くなったこの時期に決まって思い出す。
婆ちゃんが近くで見守ってくれてるのかな?
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