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瀬戸熊が麻雀界に立ち上げる新たな取り組みと、寿人が自分には無いと言う〇〇の能力。そして強さを認め合う二人が贈る互いへのエールとは…? 瀬戸熊直樹・佐々木寿人対談スペシャル企画(3)

近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。瀬戸熊直樹、佐々木寿人が麻雀界におけるトッププロであることに疑いはない。一方で麻雀界は激動の最中にあり、プロのあり方もどんどんと変わってきている。二人は麻雀プロという存在をどのように捉え、どのような未来をこの世界に描こうとしているのか?(全3回の3回目/#1#2へ)
[文・東川亮]

■麻雀プロはどのようにあるべきか

――お二人がプロになられた頃と比べ、麻雀プロのあり方や活動の仕方は大きく変わってきていると思います。麻雀プロ業界のその変化については、どのように感じていますか。

寿人 プロって、食えなくちゃしょうがないと思うんですよ。どのような活動をしているにせよ、麻雀に携わってくれているなら、それは立派な麻雀プロだと思います。

 なぜかというと、麻雀プロは賞金で食べられないから。賞金で食える世界だったらまたちょっと違うでしょうけど、そんな選手が一人もいない以上は、たとえばYouTubeとかもそうだと思いますけど、いろいろなところに視野を広げて、しっかり生計を立てられているなら、僕は本当に素晴らしいことだと思います。

瀬戸熊 僕は常に多井さんとも話しているんだけど、麻雀を知る入り口はどこでもいいと思うんですよね。寿人さんを見てカッコいいと思いましたでもいいし、園田(賢)さんのインタビューが面白かった、でもいいですし。
 麻雀界は入り口が大事なので、YouTubeとかしゃべりが得意な人はどんどんやってほしいと思うし、麻雀のパフォーマンスがいい人は麻雀で見せるべきで、いろいろなところで網を張っていくのは大事だと思います。

 僕で言えば、それほど器用なタイプではないんですけど、今年やっていた麻雀最強戦の振り返り配信は僕が発案したんですよ。去年まであった「ザ・リベンジ」っていう大会の選出基準が明確でないところがあったので、試合ごとに惜しかった人にポイントをつける企画をやろうって僕から金本晃実行委員長に提案したんです。
 今年は「ザ・リベンジ」をやらなかったんですけど、そういう企画は僕も最強位として頑張りたいと思っていて、そのままスタートしたという経緯です。
 そうやって、各自ができることをやっていくのが大切だと思います。

■立場で変わった意識

――お二人は、Mリーグではチームの最年長だと思うのですが・・・。

瀬戸熊 わかんないですよ、黒沢(咲)さんの方が上かもしれない(笑)。たまに呼び捨てにされるので。

――(笑)。特に寿人さんは、昨シーズンからチーム最年長になられて、意識が変わったところはありましたか。

寿人 それはありますね、やっぱり。滝沢は年齢も近いからそんなに苦労はしていないけど、女性選手2人はプロとして何年もやっているわけじゃないし、特に伊達(朱里紗)は2、3年目の選手なので、アドバイスできることがあれば積極的にしていきたい思いはあります。
 高宮(まり)もいろいろ迷っているところもあるし、なかなか成績が出なかったりすることもあるから、教えられることはできるだけ教えたいというのはありますね。

 一番は個々人の打ち方を尊重したいけど、こうしたほうがいい、というところは少しだけ口をだそうかな、という感じです。

瀬戸熊 僕はチーム状況が違うんですよね。KONAMI麻雀格闘倶楽部さんは毎年ファイナルに進んでいますけど、こっちは今回ファイナルにいかないとチーム解体の危機ですし、個人としても去年Mリーグ最下位で僕自身が頑張らなきゃいけないので、あまり余計なことは言わないようにしようというのがあります。

 あと、チームの雰囲気作りは気をつけていますね。今シーズン、雷電は試合後にその日の感想を動画で撮ってYouTubeにアップするんですけど、そこでは自分の結果がどうあれ、笑顔で盛り上げようとしています。ラスだったりマイナスしたりで落ち込んでいると、みんな心配しますから。

■後輩プロたちのアタックはうれしい

――自団体では、お二人は若手を指導することはあるのでしょうか。

寿人 僕はどっちかというと、教えるのはそんなに得意じゃないんですよ。若手勉強会の講師で2回くらいかな、呼ばれたこともあったんですけど、やっぱり向いていないと感じました。
 教える能力ってあって、僕にはそれがないから、プレーヤーでやるしかないなと思いますね。

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