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「他団体には負けられない」瀬戸熊・寿人が鳳凰位になり見えた景色と心境。そして「麻雀ほんと下手」と批判してくるアンチへの二人の答えとは…? 瀬戸熊直樹・佐々木寿人対談スペシャル企画(2) 


近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。Mリーガーの瀬戸熊直樹と佐々木寿人はいずれも、日本プロ麻雀連盟、ひいては麻雀界を最前線で牽引する存在だ。頂点の景色を知る二人には今、麻雀界でどんなものが見えているのだろうか。(全3回の2回目/#1#3へ)
[文・東川亮]

■鳳凰位を獲った者にしか見えない景色

――お二人は、Mリーガーとしてのご活躍はもちろん、自団体の日本プロ麻雀連盟では、頂点となる「鳳凰位」を獲得されています。団体の頂点に立ったときの景色はいかがでしたか。

寿人 やっぱり、責任感が生まれますよね。団体のトップとして、特に対外試合には負けられない思いがより強くなります。連盟の中ではトップになったけど、たとえばモンド杯とか日本シリーズとか、他の団体の選手と戦うときには簡単に負けるわけにはいきません。

 それは最強戦もしかりで、僕は最強戦ではなかなか勝てないですけど、だからこそ去年瀬戸熊さんが優勝したことは本当に素晴らしかったと思います。
 選手としてやっている以上は誰かの勝利を素直に喜べることってなかなかないんですけど。

瀬戸熊 僕の場合、鳳凰位になることだけを目標にしてきたので、たぶん一回そこで目標が切れたんですよね。寿人は慣れていたと思うけど、僕は獲った後の自分がどうなるかを全然考えていなかったんです。
 さっき寿人が言ったように、鳳凰位を獲ると「鳳凰位」という目で見られるので、僕はそれが気になって、少し自分の麻雀が崩れました。3回目を獲ったときに「ごちゃごちゃ考えてもしょうがない」と思って、そこから吹っ切れたんですけど、寿人はそれがなかったのがすごいと思います。

 タイトルって重みがすごいですし、鳳凰位を獲った人にしか見えない景色とかは確実にあります。今は一番強い佐々木寿人という男が2連覇してくれているので、本当に強いままで3連覇してほしいなと思っていますね。

寿人 プレッシャーかけてきますね。ただ、タイトルを獲ってもそれがゴールじゃないですし、僕は鳳凰位を連覇できましたけど、昨シーズンのMリーグではとにかく調子が悪かったですし、片っぽがよくても片っぽが悪いみたいなときはなかなか難しい精神状態です。

瀬戸熊 魚谷(侑未)さんもタイトル戦で勝ちまくっているけど、リーグ戦はなかなか結果が出なかったり。全部で結果を出すのは難しいと思う。

寿人 難しいけど、僕らはそこを目指すじゃないですか。現役生活続けている以上はきっと、そこがいつまでもつきまとうところなんじゃないですかね。

■いつ何時も「佐々木寿人」として

瀬戸熊 僕らは試合数も多いし、誰がどこで見ているか分からないので、どこを切り取られても恥ずかしくないようにしようと思っているんです。そのためには一つひとつの試合を一生懸命やることしかできないかなと。ここでもうひとつ寿人のすごいところを挙げると、寿人はいつ何時も「佐々木寿人」なんですよね。

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