見出し画像

わたしが人生で1度だけ、自ら命を絶とうとしたはなし

わたしが人生で1度だけ
自ら命を絶とうとしたはなし


若干重いタイトルですが
カジュアルな おはなし


過去に1度だけ
自らの命を断とうとした事がある


その時、私は5歳だった


多分夏がもう完全に終わった
冬より少し前の時期だったと思う


あの日は、親戚一同と行った
旅行から帰った日、


祖父母の家は、巨大団地の10階で
長期間 大人数での旅行は荷物が多く


車の中で寝てしまった私は
荷下ろしの時に
祖父母の家にいったん先に寝かされたのだと思う


そのおもりで
親戚のお兄ちゃんだけが残った


そしてその時、寝てる私は
親戚のお兄ちゃんに×××された


気がついた時には
雑に服を着させられ
逃げるようにお兄ちゃんは居なくなっていた


訳がわからず怖くなった私は
家の鍵とチェーンをすぐに閉めて


泣くこともできず


ただただ自分は汚れてしまったのだと
座り込む事しかできなかった


そして唐突に死のうと思った


10階のベランダの柵を越えて
9階の窓の屋根に立つ


どうしてかは分からないけれど
その時ふと、死ぬところを
お母さんに見て欲しいと思った


祖父母の部屋は団地の端っこで
そこからはエレベーターホールの窓が
よく見えた
丁度いい事に窓が開いていた


お母さんがエレベーターで上がってきて
ここから声をかけたら


あの窓から
私が飛ぶところがよく見える


私はしばらく
お母さんを待つことにした


その日は風が強く
長い私の髪がパシパシと顔にあたる


それが鬱陶しいと
なぜか思えなかった


9階の屋根に腰掛けて
真下を見下ろす


落ちたら確実に死ぬ高さ


死ぬ事ってコワイ事じゃないんだな
案外簡単な事なんだ


いつも登ってる木から
飛び降りる事となにも変わらない


そう思った


これなら大丈夫


躊躇わずに飛べる


止められる前に飛べる


そう安心した


赤い褪せたキュロットと
薄手のロンティ姿


裸足の自分のつま先の向こうに
死が見える


夕陽が紫色になりかけている
それを髪が遮る


ふと音のしない風に気付く
どうして寒くないんだろうって
遠くから見てる自分が思う


その時、


ヒトは死のうと思った時に
心が先に死ぬんだ


だから私はもう
生きていないんだ
だからもうコワくないんだ


その時そう思ったのを
今でも覚えている


ふと我に返ったとき
紫色だった空がもうだいぶ暗くなっていた


こんなに暗くなってしまったら
お母さんに飛んでるとこ
見てもらえない!


もう!なんでこんなに遅いの!
って、腹が立ってきたとき


なぜかふいに
私の足首を掴みながら
私が死ぬのを待つ
恐ろしい女の幽霊が見えた気がして


めちゃくちゃ怖くなった


そしたら急に足先も指先も
すごく冷たくて痛くて
自分の体が吹きさらしの
風の中に居ることに気付いて


慌てて怖くて寒くて
部屋に入った


それから直ぐにチェーンが
ガシャーンって大きな音をたてて
隙間からお父さんの呑気な
○○〜〜!開けて〜〜って声がした


手がかじかんで開けれない
チェーンを乱暴に開ける


そしてお母さんに飛びついて
大泣きした


冷え切った体をさする母の手と
起きて誰もおらんからって
そんな泣くなよ アカンタレやなあと
からかう父の声に


私は真実が言えなかった


言わなかったら
無かった事にできる気がした


汚くなった自分を
両親に隠せる気がした


それからずいぶん経ち、
わたしは第二次性徴を迎えた


オンナのカラダに成長していく自分が
とても汚いように感じて


あまりご飯が食べれなかった


給食はほとんど残した


保健室の先生が心配するくらい
体重が増えず


1kg増えるだけで先生がよく褒めてくれた


オンナになりたくないという
思い込みで生理も止めれた(?)


(余談)
なぜかいろんな婦人科を回って検査して
薬ものんだけれど異常がないのに
脳から女性ホルモンが少ししか出ておらず
生理がこないらしい(排卵はする)


けれども


真っ平らのオッパイ
少年みたいな関節


今となってはエノキみたいな自分のからだが
気に入っている
(今は中年なのでぽちゃっとしてる)


あの日、私の心は先に死んでしまったのかも

中二病みたいな事を思うときがある


考えても仕方がない
答えはまた何十年先の話だと思う


人には甘くない過去もあるけれど
過去を積み重ねた
今の自分が幸せだと思えたら


過去は間違ってないし
否定する事ない
自分だけの色だと思う


(もちろん、事故や暴力はない方がいい)


うまく言えないけれど


あの日、自分の足先を見ながら
死について考えていた時間


実際はほんの数十分だろうけど


ものすごく長い時間にも思えて
ほんの数秒のような気もした


風も景色も光もあるのに
音も色も温度もなくて
感情も自分もない感じがした


それを遠くから感じる
意識がどんどん無になる感じ


あれが死なんじゃないかなあと思う
それを確かめたくて生きてる


いつか死んだ時、
あの時の体験は
死だったのか確かめたい


できたらそれは
寿命で感じられたらいいなあと
なんとなく思っている


自分の人生なのだから
死を選んでもいいし
好きに生きたらいいと思う


ただ、今ある平凡な底辺の幸せが
すごく愛おしいと思えているので


今は、生まれてしまったし
しょうがないから生きようと思う


いつまでも過去の自分に囚われてしまう事は
自ら死を選ぶ事に似ている気がする


自殺した霊は、成仏できず、
同じ死を何度も何度も繰り返すと
聞いた事がある


過去に囚われている状態は
これに似ている気がする


仮に私の子供が9階のベランダの上で
何十年も同じ思い出に苦しんでいるのなら


私は母親として自分を
あたたかい部屋に入れてあげて
苦しい日が1日でも少ない方法を探すと思う


そういう慰めは生きることにおいて
大切なことだと思う


自分で自分を慰めてあげられるのが
1番楽だと苦しみから得れた


それだけで意味がある思い出なんだ


他人から見たらバカみたいな
親子ごっこだけれど


わたしには生きやすい方法が得れた
意味のある過去だっと慰めている


まだ苦しい過去だけれど
そんなに真面目に苦しまなくてもいいかな


あの日、飛ばなくてよかった
生きててくれて、ありがとう


起きてしまった
自分では仕方がない過去があるわたしに


必要なのは、その言葉
陳腐でバカみたいだけれど


誰にも言えない過去だから
誰にも言ってもらえなかった


だから自分に言ってあげる


なんとなくそうやって
折り合いをつけて
みんな多分だけど生きてるから


自分だけ苦しいんじゃない


これは、別のおはなしか


本当にカジュアルな話なので
重い話じゃないんだけれど


心配しないでね


関西人なのに落ちがなくて
9階のベランダの屋根の上のままで
すみません


ふわふわ


着地せず、


長文駄文独り言。


余談、
秋は嫌な思い出があるからか
なぜか今年も思い出してしまい、
書き散らしました。

画像1


この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,460件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?