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#0035【マンション管理】マンション管理適正評価制度とは?

国土交通省が発表する「マンションに関する統計・データ等」によると2020年末時点で、分譲マンションは全国に約673万戸があるとされています。近年では、毎年約10万戸の新しいマンションが供給されています。ワンルームタイプ、ファミリータイプの区別はされていませんが、1戸あたり平均して約2人が住んでいると仮定すると約1,346万人がマンションに暮らしており、国民の10人に1人以上はマンションで生活していると推計されています。マンションの中には築40年を超えるものが同統計・データでは103万戸以上あると言われており、スラム化したマンション、老朽化したマンションが問題となっています。今回は、マンションストックの増加と課題を背景に2022年4月に導入されたマンション管理適正評価制度について説明します。

【マンション管理適正評価制度とは?】
マンションの管理状態や管理組合の状態を6段階で評価し、インターネットを通じて情報公開する制度です。年に1回、審査項目30項目を6段階評価することでマンションの管理状態や管理組合の状態を見える化しようとする取り組みとなります。人間でいえば、年1回の健康診断や人間ドックの受診のイメージの制度です。

【審査項目(評価項目)】
適正評価制度は、何を評価するかについて説明します。マンションの管理状態を5つのカテゴリーに分類しています。視点としては、現在の管理組合の運営などのソフト面と建物設備の維持管理のハード面の両面から30項目について評価します。評価項目の詳細は以下のとおりです。各項目の点数の合計点で6段階でマンション管理状態を評価します。

①管理体制
・管理者の設置
・総会の開催、議事録の作成
・規約の整備状況

②管理組合収支
・管理費会計の収支
・修繕積立金会計の収支
・滞納管理費等への対策
・修繕に関する資金計画の状況

③建築・設備
・法定点検の実施
・長期修繕計画の有無
・修繕履歴の保管

④耐震診断
・耐震診断の実施の有無
・耐震診断の結果、改修計画の予定の有無

⑤生活関連
・設備等異常時の緊急対応
・消防訓練の実施
・防災マニュアル等の整備状況

【制度を活用するメリット】
次のようなメリットがあると想定されています。
・管理組合の目標設定や運営がしやすくなる
・課題に取り組み、改善していくことで管理の行き届いた状態を長期的に維持することができる
・管理状態の最新の情報を発信することで市場での評価が期待できること
・適切な管理を維持することで、リセールバリューの向上を見込める

【最後に】
マンション管理適正評価制度は、一般社団法人マンション管理業協会が主導する制度です。これとは別に国が主導する「管理計画認定制度」という制度も並行して始まりました。管理計画認定制度はマンション管理適正評価制度とは別の制度となり、混乱している方もいるようなので、別の機会に比較してまとめたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。よかったらフォロー、スキを押していただけますと幸いです。


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