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#0013【マンション管理】投資型マンションの管理組合の役員なり手が不足している背景

居住目的であれ、投資目的であれ、分譲マンション(区分所有マンション)を購入すると、マンションの運営は一般的には管理組合が存在し、管理組合の活動を通じて、マンションの重要事項を決定していきます。しかし、管理組合の意思決定機関である総会(集会)をタイムリーに開催して、区分所有者が集まる機会を設けるのでは機動性が確保されません。そこで、理事会を設置して区分所有者から理事を総会で選任し、理事会の活動を通じて、総会に上程する議案を検討したり区分所有者の代表として、重要事項の検討をします。しかし、投資で所有する方が多いマンションの場合、管理組合の役員なり手が不足しています、役員のなり手が不足している背景について説明します。

〈遠方に住んでいる〉
そもそも、投資目的でマンションを所有している方の場合、マンションの近隣に住んでいない方が多いのではないでしょうか。私が都内23区内に所有する区分マンションでも3割から4割くらいは、一都三県以外の方が所有しています。

〈マンション管理に無関心〉
管理組合の運営はボランティアの活動になることが多いです。管理組合の理事会の対応事項は多岐にわたり、総会に上程する議案の検討、工事の見積もり取得、工事内容の検討、各種トラブルへの対応方針検討、決算内容の把握など興味がない人にとっては、避けたい時間になってしまいます。

〈知識が不足している〉
マンション管理に関心がない原因の一つでもあるのが、マンション管理に必要な知識が不足していることがあげられます。理事会で検討する内容について知識がないと議論する内容にも関心がなくなってしまいます。理事会への積極的な参加は期待できません。

〈区分所有者が高齢化している〉
バブル期に分譲された区分マンションの場合、築30から40年経過しています。当時に購入した方が引き続き所有している場合、70代から80代となっていることも多く、マンションの管理のための活動に参加が期待できない状況となっています。

【管理者方式(第三者による管理)の是非】
役員のなり手が不足しているからと言って外部者を理事長代行(管理者)として選任するのは慎重であるべきと思います。管理規約を改正して管理者方式の採用を許容することには賛成です。しかし、理事長代行をまるまる区分所有者が理事長をしていた権限のまま外部者に行わせているマンションは権限を持たせ過ぎると感じます。区分所有者でもない外部のコンサルタントが理事長代行(管理者)をして何でも決めることができてしまうのはリスクが高いです。具体的には、総会招集権、総会議案作成(管理者自らが不利になる議案上程をしないため)、総会での議決権(総会を欠席する場合の議長への議案権の委任)、理事長印を持つ等(支払いや工事の発注)はしっかり手当てをしてからでないと管理者方式(第三者による管理)のデメリットが大きくなりますので留意が必要です。

【最後に】
マンション管理組合の役員のなり手が不足している管理組合の場合、マンションの建物管理会社も意思決定をしてくれる組合員(区分所有者)がいないため、困っていることがあります。資産を守る、資産価値を高めるためには管理組合の活動に可能な限り参加することが有効です。もっとも投資目的で所有してれば、家賃収入がキチンと受け取れること、出口で売却ができるのであれば、自分の時間を割いて管理組合の活動に参加するほどではないと考えるのも合理的な判断です。投資スタイル、生活スタイルに合わせて機会があれば管理組合の活動に参加してみてください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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