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人生の賞味期限

私には一つの確固たる決意がある。それは29の冬に練炭で死ぬことだ。まだ若いのに、とか、生きていればいいことがある、とかそんな言葉は私に通じない。死ぬと言ったら死ぬのだ。

29で死ぬというのは随分と早いと思うだろうが、まだあと7年もある。私にとって7年は十分長い。それに、寿命を設定することで、今やるべきことを決められるのだ。自堕落な毎日を永年繰り返すよりも寿命まで意味のある日々を過ごす方がいいと、私は思う。賞味期限切れの人生、蛇足の人生などいらない。それに何より、親の死に目などという辛い行事に遭遇したくない。もう辛いことは十二分に味わったのだ。だから、自分を労るつもりで死のうという話だ。
私はきっと、好きな人は作らないと思う。下手に恋人を作ってしまってその人に悲しまれるのも嫌なので。唯一の後悔があるとするならば愛を知らぬまま一人死んでいくことだろうな、と思う。でも私は親族にはたくさん愛されたから、それで充分だ。

何度か自殺未遂をして思う。死ぬのって、めっちゃめっちゃ怖い。怖くて怖くて手が震えて刃物が上手く持てなくて、それでもほんのわずかな余計な勇気で首筋に刺してしまう。それが自殺なんだと思う。でも、それを乗り越えれば少なくとも生き地獄からは解放されるから、勇気を出してしまうのだろう。

私は死ぬまで創作を続けようと思う。描いて、描いて、とにかく描いて、自分の生きた証を深々と残して悔恨なくこの世とおさらばしようと思う。この日記もいつか私の生き様を記す足跡になればいいと思っている。


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