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プールの水道垂れ流し事件に思うこと

NHK横浜放送局の報道は以下のとおりである。

『事案が発生したのは2023年5月17日です。
川崎市の稲田小学校で、30代の男性教諭が、プール開きに向けて水をためようとして、給水装置とともに、水をろ過するための装置を作動させました。
最初のうちはろ過装置に水が入っていないため、空だきのような状態になり、警報音が鳴り始めました。
しばらく放っておけば警報音はやみますが、教諭はすぐに音を止めようとして、ブレーカーを落としてしまったということです。
教諭は6時間後、給水を止める操作をしましたが、ブレーカーが落ちたままだったため、装置が反応せず、そのまま注水が続きました。』

使い方を知らない機械から突然大きな警報音がしたら、誰でも直ちに何とか止めようとしません????
ボタンを押したり、スイッチや電源を切るのは、ごくごく普通の操作だと思いますが、・・・。

その後、
『プールは屋上にあり、水泳の授業も始まっていなかったため、巡回は行われず、5日後に用務員が補修作業のために訪れるまで水が出しっぱなしになりました。
プールおよそ6杯分、2200立方メートルが無駄になり、190万円余りの損害が出たということです。』

やっちゃいましたね!
5日間もプールの水栓を全開にし、給水を続けると、その程度になるのかなと思います。

でも、その結果・・・・
『市の教育委員会によりますと、プールの給排水については、操作盤に簡単なメモが貼ってありましたが、空のプールに水を入れる手順を示すマニュアルはなく、担当した教諭にとっては初めての作業だったということです。
教育委員会は再発防止のため、8月、プールの給水の際に複数の職員でチェックすることなどを定めたマニュアルを作成しました。
今後はマニュアルに基づいた運用を徹底するとしています。』

市の教育委員会も、「マニュアルもない機械の操作盤を、初めて一人で扱うと、手順を間違えて、水の垂れ流しが起こる可能性がある」ということを認めたから、【再発防止マニュアル】ができたということね!
再発防止とは、このままの状態を放置しておけば、もう一度、同じような事故やトラブルが再び起こる可能性が高いと言うことだよね!
それを、市教委が認めたから、再発防止マニュアルを作成し、市内の全ての学校に配布したんでしょう!!!!

それなのに、・・・、市教委としては、5割引????

『市は8月、担当した教諭や校長に半額を請求すると発表しました。』
『9月15日、請求通りおよそ95万円が支払われました。』

え? え? えーーーーーーーーーー!!
これって、個人が責任を負わなきゃいけないこと???

「使い方がそもそも分かりづらい機械を、使ったこともない先生に、
たった一人で操作させて、間違いが生じたから責任をとってね!」
これって、あり得なくな-------い!!!

これを聞いた他の学校の先生は、納得できるの?
プール担当になったら、教頭先生に次のように言いたくなるね、・・・・・
「それって、私、今までにやったことないから、私じゃなく、これまでにやったことがある誰か別の詳しい先生にお願いして下さい。だって、失敗したら、責任取らせられるんでしょう。そんなのご免です。自分の専門外のことだし、よく知らないことだし、そもそも、私がしなければならない理由がわかりません、・・・・。」
「ただでさえ、過労死ラインを超えた仕事を毎月していて、・・・。しかも、『自主的に超過勤務をしているんだから、倒れても自己責任』が原則という職場でしょう。
『時間外手当は、教職調整手当で、4%もっらっているんでしょう!だって、教員働はかせ放題だから・・・。』と言われても。
教職に心臓を捧げている訳ではないから、・・・・」

「少なくとも、子どもを直接教える仕事なら、自分の専門分野だから、初めてのことでも挑戦しますよ。でもこれは、・・・。プールの管理なんて、本来学校の先生の仕事とは違うんじゃないですか! だれも、大学の教職課程で、プールの水入れ手の操作手順なんて教えてもらっていない。しかも、もし失敗したら、100万円単位で自己責任!
もうばかばかしくて、やってられないよ!」
というのが、普通の先生方の自然な反応では・・・?

川崎市の先生方は、この決定に対して大いに憤慨すべきですよ。
だって、捜査方法がよく分からない先生に仕事をお願いしたんでしょう!
マニュアルがなければ、このような事故もまた、起こるというので、
再発防止マニュアルまで作って、全校に周知したんでしょう!
誰が考えても、システムの不備が問題でしょう!!!
個人のミスを問題にするよりも、
システムの不備を見直し方が、緊急の課題ではないのですか?
どちらの責任が大きいかは、自明でしょう!!!

この問題が完全に解決するまで、子どもを教える以外の業務に関しては、
今後、責任の所在がはっきりするまでは、
誰が考えても、教職員が100%責任負うべき教育活動以外の業務は、
この川崎市立の学校においては、一切行うべきではありません。
危険すぎます!!!

どこの職場で、上司から業務を指示され、その際生じた業務上のミスを理由に、100万単位で責任を負わされなければならないような職場があるのでしょうか?

たとえ、責任を問われる場合があっても、道義的責任のみで、経済的な責任は組織が負うべきものだと考えます。
どうなっているでしょうか、川崎市教育委員会は、、、?
教員が安心して、働けないではないか!!!!!

働き方改革の1丁目1番地は、教員が個人として、また、教育専門職として、責任を負うべき仕事の範囲を明確化することから始まるのではないでしょうか?

こんな川崎市では、絶対に働き方改革はできないと思います。

私と同じように、この問題に警鐘を鳴らされる方がいらっしゃいました。


「プールの水垂れ流し」は教員が賠償すれば解決するのか…学校や官公庁が抱える「根本的な問題」 (msn.com)

でも、子どもたち、特に低学年は、プール大好きだな----!

この様な意見も出されました。

https://gendai.media/articles/-/116375

学校は間違いが許されない場所?
間違いをフォローする体制を整備しようとする考えもない、ひどい職場?
この様な問題は、一部の教育委員会だけの問題・・・?

プール事件は、終わりでなく、これからが、始まりのように感じます。

思い出すのが、ギリシャ神話の一つです。

プロメーテウスが天界から火を盗んで人類に与えました。
このことを知って、ゼウスが、激怒した。
そして、人間に災いをもたらすべく、神々に命じて箱を作らせました。
この箱は、パンドラという名前の女に与えられました。
【パンドラの箱】です。
その際、「決して開けてはならないと」と指示されました。
しかし、彼女は好奇心に負けて、箱を開けてしまった。
するとその箱から、禍のもとや、心配の種が次々と飛び出しました。
慌てて蓋を閉めると、あるものが箱に残ってしまいました。
そいつは、決断が遅く、動きが鈍く、
世界に飛び出す絶好の好機を逃してしまいました。
そいつ、・・・、箱に残されたのは、【希望】でした。

教師という仕事に、【希望】は、まだ、残されているのでしょうか?

PS・・・続報:同じように公務員の負担に疑問の記事がありましたので、ご参照ください。

下水道トラブルで前代未聞の「全職員減給」も 公務員の責任どこまで問う必要があるのか (msn.com)

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