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礼~心の器を上向きにすると吸収力がかわる   

 先日、読書会に参加してきました。
 今回は「修身教授録」(森信三 著)の「第32講 教育と礼」を読み、感想などを交流しました。


 
 今回の講で、私が気になった文章は次の通りです。
 
礼と言うものは、ちょうど伏さっている器を、仰向けに直すようなもの。
 

器が伏さったままですと、いくら上から水を注いでも、少しも内に溜まらないのです。ところが、一旦、器が仰向きにされると、注いだだけの水は、一滴も余さず全部そこに溜まるのです。

 実際人間は、敬う心を起こさなければ、いかに優れた人に接しても、またいかに立派な教えを聞いたにしても、心に溜まるということはないのです。
 
・敬う心を起こすということは、実際にはそう容易な事ではないのです。そこでその手がかりとして、ここに形の上から敬う心の起きるような、地ならしをする必要があるわけです。そうしてそれが広い意味での「礼」というものの意味でしょう。
 
 
 よく、「素直な人は伸びる(成長する)」といわれます。
 ある意味、今回の話でいえば、「器が上向き」な人なんだと思います。
 たくさんのアドバイスや話が「心」に入って成長できます。
 しかし、器が下向きの(伏せっている)人は、どんなにいいお話を聞いても、たくさん本を読んでも、自分にこだわって自分の思いでコップがいっぱいな状態になっていると、新しい内容を受け付けないので、成長につながりません。

 よく学校の勉強に関して、教科の好き・嫌いが話題になる時があります。
 その中に、担任(担当)の先生の事が好きになったら、その教えている教科も好きになった」(逆も、然り)という話が出ます。
好きになるのは、その先生の教え方が上手だったり、話す内容が面白かったりすることが大きな要因ではあると思います。

 「心の器」と言う意味では、先生の事、「その先生がする」授業の事が好きになることで、自然と心の器が上を向き、しかも、器の容量自体大きくなって、どんどんと器の中に話が入っていくからではないでしょうか。

 それだけ、どんどんと吸収できれば、教科の成績も上がるでしょうし、得意になって、より教科を好きになるのかもしれません。

よく「素直な人は伸びる(成長する)」と言われますが、きっと、心の器が上向きな人なんだと思います。

 たくさんのアドバイス、時に注意されたことを受け入れ、自分を磨いたり、改善につなげたりするからだと思います。
 
 パナソニックの創業者、経営の神様と言われた松下幸之助さん。
 部下をはじめ、部屋にクーラーを取り付けに来た技術者さんなど、いろんな人に気さくに声をかけ、話を聞いていたそうです。そして、どんな時でも、感心して話を聞きました。

「いい意見やなあ」
「その話は面白いな」
「きみの、その話はおおいに参考になるわ」

と、必ずと言っていいほどほめたそうです。

 また、経営者として、いろんな問題に直面した時は、まず、自分で考えぬき、その上で、できるだけ多くの人から知恵を聞き集め、答えを出そうとそうです。

 そんな「衆知を集める」上では「素直さ」~心の器が上を向いていることが要でした。そして、不思議なことに、話を聞かれた人の方が、聞いた人(松下さん)に好意をもち、そのおかげで、さらに、いろんな情報が集まって来たそうです。
 
 自分がどんな心の状態で相手に向き合っているか。
 心の器を伏せた状態~相手を嫌って、嫌だと思っている~だと、制限をかけてしまい、せっかくの情報も入ってこなくなります。

人の話を聞くときは、せめてその時だけでも「むなしくして」(心を空っぽにして)いきたいなあと思いました。
 そして、その「きっかけ」づくりとして、「礼をする(頭を下げる)」ことが必要だなと思いました。

 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです

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