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120点主義と80点主義、仕事処理のコツ~拙速主義、優先順位、一気呵成に仕上げる     

 先日、地域の読書会に参加しました。
 今回は「修身教授録」(森信三 著)の「第31講 真面目」を読み、感想などを交流しました。
 
 今回の講で、私が気になった文章は次の通りです。
 
・真面目ということの真の意味は、自分の「真の面目」を発揮するということ。
 真面目と言うことは、その反対語の「ふざけている」という言葉の内容から推してみても、それが力の全充実であり、全力的生活でなければならぬ、ということは明らかです。
 
・常に自己の力のありったけを出して、もう一押し、もう一押しと努力を積み上げていくんです。そこで真面目とは、その努力において、常に「百二十点主義」に立つということです。
 仕事でも、いつも先方の要求や予想より、二、三割方余分の努力をするつもりでいうると、第一気持ちが清々しくなるのです。
 
力というものは、一たんその気になり、決心と覚悟さえ立ったら、後からあとから無限に湧いてくるものです。
 
・力というものは、限度がありそうでいて、実際には案外出るものですが、時間の方は明確に限度があるということです。
 そこでほんとうの真面目な生活、すなわち全力的な生活に入るには、どうしても時間の無駄をしないということが、何よりも大切な事柄となる
わけです。
 
 
 今回の内容は、なかなか難しく、具体的な行動と言うより、「精神的な」部分での話かなと感じました。

「覚悟を決めなさい。覚悟が決まると、力を発揮できますよ~」

ぐらいに受け止めていました。

 しかし、そこは読書会。私の浅い読み方とは違い、他の会員の方からいろいろな感想、意見が出て、パッと目の前が開けてきました。
 例えば、会員の方から、次のような指摘がありました。
 
「この講義では、覚悟を決めて取り組む時は、120点主義で、と先生は言っています。しかし、別の講義~例えば、「仕事の処理」というところでは、一度着手した仕事は一気呵成にやってのける。最初から最上の出来ばえを、と言う欲を出さず、仕上げはまず80点級というつもりで、一気呵成にやってのけることが大切~と言っています。この違いは何でしょうか?」
 
 たしかに、気持ちとしては、すべてのことに力を出し尽くすことが大切だとしても、何でも真面目に、すべて「120点主義」で関わると、時間の制約を受けることになります。
 とても追いつきませんし、人それぞれの得意、不得意、好き、嫌いがあるので、何でもうまくこなせるわけでもありません。

 そこで、大事なのが「覚悟を決める」こと。
 

自分は何に力を入れるのか、他の事は「80点主義」だとしても、これぞということには「120点主義」で行くことが大切なのではないか、

と考えさせられました。

 また、

現在は働き方改革があちこちで進んでいますが、その人のやりがい、働き甲斐を考えて進めないと、ただ「時間を短くする」「残業をなくす」という、形式的なところだけに注目して進めると、その人の「生きがい」を奪ってしまう方向に行くかもしれません。

  ちなみに、

森先生は仕事の処理のコツ

として、次の事を紹介しています。
 
・仕事の本末軽重をよく考えて、それによって事をする順序次第を立てる。
 大切なことを先にして、比較的軽いものを後回しにする。
・大事な事柄の中でも、大体何から片付けるかという前後の順序を明弁する。

・順序が決まったら、まず真先に片付けるべき仕事に、思い切って着手すること。
{とにかく、手を付けること}

・一度手を付けた仕事は、一気呵成にやってのける。仕上げはまず80点級というつもりで、とにかく一気に仕上げることが大切。(いい意味での拙速主義)

・どうしても、一度中断せねばならぬ場合は、最低6割は峠を超えておくこと。


 
 そういえば、

 ヒルティの「幸福論」にも、「仕事の処理法」と言う内容が書かれています。
 それだけ、仕事の取り組み方と幸せには、深い関係があるということでしょうか。


 
 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです
 
 
 

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