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「逆さ脳」を活かして

口に出していったことが現実になる
他人に感謝していると運が良くなる
悪口を言うと、人相が悪くなる
 
まことしやかに語られる内容のいくつかを挙げてみました。
確かに…と何となく思い当たるものばかりですが、実際はどうなのでしょうか?
 
生活の中で生かせる、心理学や脳科学の考え方、理論について、ちょっと見聞きした内容を紹介します。
 
脳は「主語」を理解できない
 
簡単に言うと、相手に向かって言った言葉は、自分にも向かっているし、届いています。
 
「お前、馬鹿だ」は「私は、馬鹿だ」

「(あなたは)愚図でのろまでどうしようもないやつだな」は「私が愚図でのろま」

だから、人への悪口は、自分に悪口を言っているのと同じ。

自分で言った悪口が、自分の耳から直接、脳に入っていきます。
言われた相手は嫌な気持ち、へこみますが、同じように自分の脳、メンタルも傷つけています。
悪口は、平手打ち1回分のストレスがかかるとも言われています
だから、悪口を言った本人も、同じようなストレスを自分にかけています。当然、続ければ、「人相が悪くなる」のも納得です。
体の不調もつれて来そうです。

しかし、これは、逆の励ます、勇気づける言葉でもいえます。
友人を励ますことは、自分を励ますことでもあります。
友人を応援することは、自分を応援する事にもなります。
友人の喜びを喜ぶと、脳は主語を理解しないので、自分も喜びの気持ちにあふれてきます

喜びが喜びを引き寄せる、連れてくることになりそうです。
 
脳では「未来」が先に来る

私たちの感覚として、時間は過去→現在→未来の順番い流れていく気がします。

しかし、脳の中では違います。潜在意識や脳の中では、「未来」が先に来ます。
簡単に言うとイメージです。何かをしている、なし遂げている映像です。
その映像(イメージ)は、別の言い方をすれば未来の目的。
何をしたいか(しているか)になります。

歩くという行動を起こすときにも、先に頭の中に「目的」があります。
例えば、ダイエットのため、コンビニでスイーツを買うため、駅に向かうため等。

ある意味「未来をどうしたい」という目的がないと、脳の時間は動きません。

目的がなければ、脳は「動け~」と体に命令出せません。
目的がない(先に未来のイメージ図がない)と、歩く行動につながりません。
 
これは、自分の夢を叶える時にも必要になってきます。
例えば、自分が作家になりたいという夢があるとします。
しかし、夢の段階では、作家になった経験はありません。
経験がないから、どうやったら作家になれるのか、作家の日常をいくら考えても、いいアイデアも知恵もわいてこないし、いくら考えても何をしていいか、どうやっていいのか分からないままです。
 
そんな時は、まず「イメージ」する。作家の人がどんな生活をしているか映像として思い浮かべる。
 
すると、机に向かってパソコンのキーをたたいている姿が目に浮かぶ。
物語を書くために、図書館で調べたり、取材旅行で現地を歩いたり、編集者の人と打ち合わせたりなどの姿も見えてくる・・・。

そうやって思い浮かべると、その夢(目的)に向かって、何をすればいいか、具体的な行動が見えてきて、脳から指令も出せます
そこで、一歩動き出せば、また、見えるものが変わり、次のイメージに基づいて、違う行動指令が出てきます。
こうやって、ただ、考えて考えて動けないままとは違い、一歩として歩幅は小さくても、どんどんと前進はしていけます
 
そういえば、アドラー心理学では「目的論」を考えます
過去の原因に目を向けて、「なぜこうなったのか」を考えると、「犯人捜し」になって、あまり解決につながりません。なぜなら、文句や人のせいにするのは楽だからです。それは、人や周りのもののせいにしていれば自分が変わらなくてもいいからです。
アドラー心理学では「本当はどうしたいのだろう」「どうすると〇だろうか?」などと未来に目を向けることを目指します。このほうが、建設的に考え、何らかの取り組みにつなげていけます。
 
目的があって行動できる人間の脳の仕組みで考えれば、アドラー心理学に共感、納得できます。
 
③「否定命令」は逆効果
 
「~してはだめ!」「~はやめて!」と言われる(そういう表現を見る)と、なぜか余計にやりたくなる、そういう行動をとりたくなります。
これはいったいどうしてでしょうか?

特に落書き禁止!」というような禁止や「汚すな」というような否定的な命令は、言われた内容とは裏腹に、逆にひどく実行されてしまうことが多いです。
 
まず、結論から言うと・・・

「~してはだめ!」は「~して!」という命令と同じだった(脳の中では同じ意味になる)!!

ちなみに、この「~してはいけない」と言う言葉遣いは、「否定命令(否定表現)」と言われます。

「落書き禁止」も「トイレを汚すな」も、言っている(貼り紙をしている)側は、「~してほしくない」という気持ちで言っているのですが、受ける側の脳は「否定命令」をそのまま理解できません。
 
例えば、「廊下を走ってはいけません」と言う言葉を聞く(貼り紙を見る)場合、頭の中では、一番にどんな想像が生まれているでしょうか?

きっと、「廊下を走っている姿」が浮かぶはずです。

その後に、「それ(走る姿)がだめ、やめる」ということとして、頭で理解すると思います。
つまり、2段階のステップを踏むことになります。
 
「トイレを汚さないようにしてください」も同じです。

語尾は少し丁寧ですが、「トイレを汚す」という状態が先に思い浮かび、それをしないという否定の2段階になります。
とくに、幼い子供は、この2段階目に行きつかないことが多いですし、大人でも、先にイメージした姿を実現しやすくなります。
 
これが、脳は「してはいけない」は、「~しなさい」と同じ、の意味です。

では、どう表現すればいいのでしょうか?

これはそのまま「肯定文で指示する(してほしい行動そのままを表現する)」になります。

先ほどの例でいえば、次の通りです。

「廊下を走ってはいけません」→「廊下は歩きます」
「遅刻しないように!」→「間に合うように、時間にゆとりをもって・・・・」
「トイレを汚さないで!」→「トイレをきれいに使ってください」

最近のコンビニなどでは、さらに進んで「いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます」などと言う貼り紙がしてあります
これも、目にした時、脳では「感謝されるぐらい綺麗に使った状態」が意識されるので、より上手に、綺麗にトイレを使ってもらいやすくなりますね。
 
余談ですが、「私達、もう逢わない方がいいわ」なんて言うと、どうなるでしょうか?

もうわかりますよね。否定命令なので、逆に会いたくなってしまう!ということです。
これは、一種の恋愛テクニック!?それとも、無意識に使っているのでしょうか???
 
皆様の心に残る一言・学びがあれば幸いです
 

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