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読書会で得た話題あれこれ~大谷選手と立腰教育、永平寺で掃除機を使っていいの?素敵なお医者さん

 先日、地域の読書会に参加しました。
 森信三先生の「修身教授録」を輪読して、感想を述べあうことを主な内容にしています。年齢も職種も違う方の集まりなので、様々な角度からの意見があり、いろんな見方、切り口を知ることができ、本の内容以上に心に残る話が多く聞けることも会に参加する楽しみの一つです。

 もちろん、一般的なことではなく、個別の事例であったり、その人ならではのものであったりするので、すべてに当てはまる、通じるものではないと思いますが、それでも、だからこそ、一面の真理をついているところもあって、おもしろさを感じます。
 
 今回は、本の内容以外の、心に残った参加者から出た話を紹介します。
 よかったら、お付き合いください。


1 大谷選手の母校に森先生の教えあり

 読書会では森信三先生の「修身教授録」を読んでいますが、森先生の教えは数多くあり、現代に受け継がれています。
 
 会員の方が、

大谷翔平選手の母校である花巻東高校では、森先生の教えを学校の教育方針にして、立腰教育の実践をずっと行っている、

ホームページでも紹介されているということを教えてくれました。
 
 立腰教育とは、「心を立てようとしたら、まず体から起ててかからねばならぬ。具体的には、腰骨を立てること」と言うことです。体から入ると、心もシャキッとします。
 
 具体的には、

足の裏を床にぴたりとつけ、お尻を思い切り後ろに突き出し、へそをぐっと前に出す。へその下の丹田に力を入れて、肩の力を抜いて楽にする。

のだそうです。集中力を高める極秘伝と言われています。
 大谷翔平選手は、もちろん、才能や練習と言う努力があってこその活躍だと思いますが、

その土台に、森先生の教え、立腰教育などがあることを知って、さらに森先生、その教えの偉大さに感じ入りました。

2 効率化の中で「目的」「本質」を見失わないことの大切さ

「永平寺などのお寺の修行に掃除があるけど、あれをコスパやタイパを考えて、掃除機やルンバを使って掃除をしたら、全く意味がない。意味が違ってきちゃう」

と言われた方がありました。

 お寺をきれいにするという目的であれば、たしかに掃除機を使った方が速く済みますし、ひょっとしたら、人が行うよりもきれいになる部分もあるかもしれません。

でも、「修行」にはなりません。あるいは、雑巾がけなどの掃除を通じて「伝える(伝わる)」本質が変わってしまいます。

 自分の体を使って掃除をするからこそ、気づけることもあります。
 学べることもあります。
 しかし、そこで掃除機などを使ってしまったら、その学びや気づき自体を失ってしまいます。

 便利な世の中になっていますが、同じように、便利さの中で、気を付けておかないと本質を見誤る、見失うことも多い気がしました。

 特に、「コスパ」「タイパ」「PDCAサイクル」と言う考え方は、工場などで製品を作る時などには、有効だと思います。
 しかし、人間関係でも同じ考え方をあてはめていいものかどうか?
 あるいは、子供の教育にあてはめて考えていいものかどうか?
 
 モノと人は違います。
 「ゆっくり成長」する人もいますし、「手がかかるからこそ生まれる深い関係」だってあります。
 
 子供は、大人の思った通りに動くロボットではないので、予想外の事をしたり、言ったりします。
 
 あるいは、子供の成長は常に右肩上がりでもありません、行きつ戻りつ、人によっては、ずっと停滞していて、ある時パッと花を咲かせる人だっています。
 そんな時、教師など、子供に接せる大人にゆとりがなければ、子供をせかしたり、追い立てるような接し方になったりすることは容易に想像がつきます。
 また、働き方改革があちこちで進んでいますが、ただ効率を考え、時間を切り詰めるだけでは、人と関わる仕事~教育、福祉、介護・・・などの分野にはなじまないのかもしれません。

3 素敵なお医者さん

「〇〇さん、随分とお待たせしてすいませんでしたね」と、開口一番の一言。
 また、診察後、席を離れようとする時、立ち上がって「お疲れさまでした。気を付けてお帰り下さい。困ったことがあったらいつでもご相談ください」と言って、一礼。

 会員の方が出会ったお医者さんの立ち居振る舞いだそうです。
 
 病院に予約をして行っても、15~30分ほど待つのは当たり前。しかも、お医者さんも、患者の待ち時間を気にするでもなく診察していきます。  
 また、若いお医者さんのパソコンの画面ばかり見ながら一言、二言。すぐに次の患者と交代・・・という診察に慣れているので、よけい、その出会ったお医者さんが印象に残ったとのことでした。
 
 

「医療は体の病気を治すことにとどまらず、思いやりを示すこと」でもあるので、「医は仁術なり」という言葉もあるそうです。

 立派に、それを体現されている方もあるのだなあと知って、私も嬉しくなりました。
  
 読書会では、人が直接集まることで、本を読み感想を交流する以外の大きな学びがあります。
 その一番の内容は、その人が経験してきたこと、知ったことの紹介と、それを受けて、自分も刺激を受ける事かなあと思います。
 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです 

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