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「感謝」にまつわるエトセトラ➀~今の幸せに気づく、感謝できる人は強い、味方が増える   

「感謝する」ことが大切だと、家でも学校でも教わってきた気がします。
 何かしてもらった「ありがとう(ございます)」と言うのよ」と。
 あるいは、講師の先生や使わせてもらった施設の方へ「お礼の手紙を書こう」などと言われて。
 それで「感謝することって、大切な事なんだな」と「頭」では理解していました。

 しかし、「心から」ではありませんでした。

 だから、「こういう時は、お礼を言わないと(お礼のメール)を送らないと、相手に失礼だ」「ありがとうも言えない人だと、変に思われるかも」「ここで、感謝しておけば、次につながるかな・・・」などなど。

 打算、損得勘定を「頭」で考えた感謝ばかりしていました。
 あるいは、時にどうしても感謝の言葉が出てこなくて、やたらと「すいません「すいません」と言う言葉を発していた時もありました。

 なので、言葉では感謝が大切と「理解」していても、今一つ、その深い意味が分からず、心のこもった「ありがとう」が言えていなかったのではないかと思えてきます。
 きっと、自分は「感謝」について学びそこなった、あるいは、逆に感謝について考えるゆとりが出てきて、これからの「課題」になるのかなあと感じています。トラブル続きだった頃は、感謝の「か」の字も出てきませんでしたので。
 
 さて、感謝について、いろいろと調べてみました。
 よかったと付き合いください。


1 松下幸之助さんのエピソード

 パナソニックの創業者であり、経営の神様と言われた松下幸之助さんは感謝を忘れない人だったそうです。こんなエピソードが残っています。
 
ある人(部下の一人)が言いました。
「幸福と言うことが分からなくなりました。人にとっての幸福とは、どういうことなのでしょうか」
松下幸之助さんは問い返します。
「君は、今晩、寝床はあるか」
怪訝な顔をしながら部下の人は答えます。
「はいあります」
同様に、
「君は、ご飯をちゃんと食べているか」
「はい、食べています
その後、きっぱりと言われたそうです。
「それで十分幸せではないか。多くのものを与えられていることに対して、当たり前と思うから、そんなくだらない悩みを持つようになるのだ。」
 
 「足るを知る」「今ある幸せに気づく」と言う言葉があります。

私が感謝の気持ちを持てなかったのは、今ある生活を当たり前と思っていたからでした。

 また、いろいろと手に入れて、物が豊かになっても、ようやく手にしたものを大切にすることなく、すぐに飽きて「次はもっと別のものを」「最新のものを」などと、すぐに次の事へ意識が行ってしまっていたからでした。
 逆に言うと、

トラブルや災難に遭って、「当たり前ではない」ことを経験する事で、いかに普段の生活が、なにもない「平凡な一日」が貴重なものであるか、「感謝」する気持ちになれるのかもしれません。


2 「強い者だけが感謝することができる」

 臨床心理学者の河合隼雄先生の名著「こころの処方箋」に出てくる言葉です。

 内容として、こんなことが書いてありました。
 
 他人に心から感謝するというのは大変な事である。まず、そのためには、自分が他人から何らかの援助や恩義を受けた事実を認めねばならない。弱い人はそもそもそのような現実の把握ができないのである。それにつぎつぎと襲ってくる不幸や災難い対処してゆかねばならないので、それに追われていて他人のことなど考える余裕がないのである。・・・
 感謝と言っても、適切な感謝ということが大切で、不必要に有難いを繰り返されたり、不相応な贈り物を持ってこられたりする時は、感謝の拒否と同等のことが心の中に生じていると思ってまちがいないだろう。
 
 ああ、私の事だなあと思い当たる文章でした。特に一時期、本当に「ありがとうございます」の一言も言えない時がありました。今思うと、自己無価値観があり、自己肯定感がめっちゃ低かったので、相手からの恩義や援助を認めると、よけい自分が惨めになる、低く見られる、ダメな自分を認めることになるというような思いがあって、「弱い自分」だったから、うまく言えなかったんだろうなと思いました。また、「すいません」と謝ることも難しい時期でしたが、同じ心理だったんだろうなと思います。

3 小林正観さんの「ありがとうの法則」

 

「ありがとうの法則」とは、自分が自分の力で生きているのではなくて「あらゆるものの支援によって生きている」ことが分かる事

として、次のような話を紹介しています。
 
 ある有名な食品メーカーの話。
 その会社の社長さんが急死され、会社のことを何も知らないその奥さんが受け継ぐことになりました。
 とにかく社員の事も、取引先や、商品の事も何も分からなかったそうです。
 そこで、その奥さんはどうしたか?
 社員や取引先に「ありがとう」「ありがとうございます」と、ただ頭を下げたそうです。「みなさんのおかげで、この会社は成り立っています。ありがとう」と言っていたら、何一つ経営手腕を発揮していないのに、売り上げは3倍になったそうです。
 
 どうして売り上げが上がったのか?
 きっと、その奥さんから「ありがとう」を言われた人たちが奥さんの「味方」になったからです。
 
 私が「ありがとう」を口にできなかった日々は、とにかく「努力・努力」「頑張る」ことで生活していました。「人に頼らず、自分の力で道を切り開く」ことをよしとする価値観で生きていたと思います。そして、困難なことがあったら、歯を食いしばって・・・とか我慢して・・・とか。今、文を書いていても、肩がこってきそうです(笑)。
 うまくいく時もありましたが、努力のわりに、苦しい思いの方が大きくて、さほど成果は出ていなかったです。
 小林正観さんの「ありがとうの法則」は言い換えると「すべての存在を味方にする言葉」ともいえます。そして、そんな味方になった人と「相手をあてにしつつ、自分も相手から頼られる関係」、

互いに「喜ばれる関係」のことでもあります。

 こっちのほうが、楽しそうです。そして、おもしろいことがどんどんと起きて来そうです。
 

互いにありがとうを言い合える関係を築けたら、とても素敵です。

皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。
 

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