いまどきの社長(第3回)
私は、ディー・ブレインの株主になってくれそうな人に声をかけることにしました。
まず最も身近で頼りになるのは、やはり父親です。
「お金を貸すんじゃないんだな。投資なんだな?」
といいながら、父は500万円を出資。
続いて、親戚と大学の同級生。一口50万円。資金の余裕がないから申し訳ない・・・と断られるケースもありましたが、7名から出資をいただき、その金額は合わせて400万円。
これで私の手元資金300万円と合わせて1,200万円です。
目標の2,000万円まであと800万円。考えた挙句、監査法人で私が担当として上場の指導をしているクライアントの社長や社長の息子さんなどに、お願いすることにしました。
出資を得られなかったら、私の能力が評価されていないか、人として信頼されていないか、どちらか。
信頼もなく能力もなかったら事業は成功するはずもない。
資金が集まらなかったら起業は止めた方が良い、との思いでした。
ある意味、株主の募集は事業成功の試金石とも言えます。
私は、マーケティング、ファイナンス、システムの3つの軸で中小企業の成長支援コンサルティングを進めるディー・ブレインの事業計画書を作成。 説明して回りました。 その結果、新たに10名が株主となっていただけることになり、ちょうど800万円の出資を得ることができました。
10名の中には、当時破竹の勢いだった家電量販店コジマの小島勝平社長のご子息の小島章利常務(その後社長、現:同社相談役)や、その後、経営統合でホームセンター最大手となるダイキ(現:DCM)の大亀孝裕社長のご子息の大亀裕経営企画室長(現:ダイキアクシス社長)も含まれています。
この時は知らなかったのですが、友人知人や親せきに株主になっていただき資金調達する方法は、米国では、その名の通り、Friends & Family Financeと呼ばれています。創業したばかりの会社がごく当たり前に行っていて、金融用語辞典にも載っているくらいです。この話は、奥が深いので、また改めての機会に譲ります。
いずれにしても、こうして私の起業を応援してくれる皆さんへの株式の発行で2,000万円を調達。事業をスタートすることができたのは、大変ありがたいことでした。
しかし、その後、株主を集めたことにより起きたことに、驚くことになるのです。(つづく)