障害者が恵まれている神話について。雑記。

 こういう話には普段触れないし私自身詳細を納得行くレベルまで探求しきれていない為体を理由に、書くべきではないと思っている。しかしどうにも資本主義社会にいると知能指数が基礎から下がるらしいので認知的問題を等閑にしがちになり、あろうことか事実関係はどうでもよくて理論を白紙の上に描き出した者が賢者と讃えられるまでになってしまうケースは珍しくない。そしてそのケースを私は観測してしまい、なおかつ興味深いと思ってしまったので記すに至る。



 さて、身体・精神障害者が共に恵まれているといった論拠に金の額面を持ち出すのはいかにも典型的な勘違いであるが、その多くは同時に金について知らず、また憎んでさえいる場合が多い。金銭的優遇措置が無数にあろうと社会的優遇とイコールで結ぶ事はできない。何故なら国家全体の運営を考慮すれば歳出と歳入の比率は然して問題ではなく、物理法則に囲まれた現実を生きる以上はモノ・サービスが生産され続ける事が程々保証されていればそれで良い。この生産活動こそが通貨価値の源泉であるが、生産活動全般は不思議な事に必ずしも国家に余さず買い取られる事はない。

 生産物(モノ・サービス)がその場に廃棄される事は日々目にされる。ゴミをそこらに捨てないように行動を自制したり、既にセオリーを逸脱した形で放棄されたゴミを片手ほど拾ったりする事は、国土全体の環境の保守点検という奉仕(※現在金銭に換算されていないため)であったり所謂「割れた窓硝子」を作らせないような地域の治安向上に資する奉仕に他ならない。他の無意識の行動にも無数に隠れている破棄された生産物は、人口比率で考えれば国家を衰弱させる一要因として機能し得る。これらはある意味で健常者も障害者も同様に生産活動を日々行なっている証左なので、金銭的優遇などあり得るはずがない。国家は生産活動に値段を付けないでタダ飯を貪り、ふんぞりかえって虚勢を張る事で社会のお荷物という蔑称を用いたりして自らの怠慢を詭弁と煽動によってひた隠す事に成功している。ゴールがあればこそルート選択の効率化が意味をなすが、国家は文字通り家であるので長く存在して国民を育む役割を帯びている。効率的な生活など誰一人建国以来目指していない。

 繰り返しになるが仮令健常者だろうが障害者だろうが数京円の補助が出ていようともモノ・サービスを生産する形なら、モノ・サービスを生産しない形で株や証券や仮想通貨などを転がして数垓円稼ぐよりも生産性が高い。額面を人権と平気で結びつけるからこそ文字通り資本主義の犬と呼ばれるのであり、私のようにろくに探求もしない状態で、人権を変動価値と想定するからこそ病的精神と病的知能をバイブルのように携えることになる。社会の性質は野生に似て弱肉強食ではない。ヒトは野生的本能を持つのではない。他者に愚痴を吹き込み続ける生態系など存在しない。無い物の様子を語って道具とするなかれ。


 金銭の論拠はこれぐらいにして、次いで社会的優遇についても考えたい。

 現代では神経衰弱の末に電車の走る線路へ飛び込んで世を去った人間に罵声を浴びせかける有様だと認知しているが、もしも優遇に時間的ロスが生じるなら歓迎する者が目に映りやすい状況だろうか。社会的優遇も金銭的優遇と同様に健常者に帯同するようにして障害者にも為される。世情が混迷し、白痴化し、切り捨てを是認した時順序の問題として真っ先に責任転嫁を受ける。(※断言したのはコロナ禍で明らかになったからである)

 ヒトが歩くには重心に依存して最初に頭を前方へ傾倒させ、次に手、最後に足が連動する。養分を浪費する頭が優遇されているので手と足は頭を捨てようと画策するだろうか。

 自由意志を持ちたい人々が優遇されていると言うにしても、視点と前提があまりに乖離しているのではないだろうか。確かにビジネスとして暴利に群がる人間がいるのだろうが、それ以前にビジネスや金銭に人権を紐付ける蛮行を個々人が省みる必要は本当に皆無だったのか。肩書を笠に着て横暴な振る舞いをする当事者もいるのは承知しているつもりだが、それに真っ当に対抗する健常者へ差別だと因縁をつける花畑の住人を散々放置した文化的ツケなら共に清算して行く必要がある。

 単純にそれらしい理屈を並べてより多く欲望を叶える生活がしたいならそう表現すれば良い。誰かの同意を得る必要は無い。そうして欲を素直に出せば健常者と障害者は良き生産者として共に、唯一の消費者である現行政権に矛先を正しく向けられる。「政府は親じゃない」というフレーズが一時期横行していたらしいが、歴史的に見ても現政府は紛れもなく寄生虫であり、頼り縋ろうとは誰も思っていないはずだ。政府や国に頼るなと言う前に頼る相手が実在しているか確かめた方が比較的正気に近づけるのが正味のところである。無い物の様子を語るとろくなことにはならない。

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