週刊「我がヂレンマ」<8月19日号>

 夏が終わろうとしている。
 思い返せば小学生。夏休みの宿題。早く終わらせることも、ギリギリでダンスすることもなく、すこしづつこなしていた。午前中にやってるアニメを見て、素麺食って、友達と遊んで、宿題をやって終わる。
 気づけば二学期。そんな子供時代。
 現代。
 今年の夏の思い出と言えば、
 先月15日の「木更津・海の日帰り旅行」。
 今月14日の「徒歩、電車移動で墓参り」。
 以上です。
 強いて言えば、書籍代を八月にはいって奮発してるぐらいか。
「すこし、物足りない」
 だが、あまりお金をかけられない。今考えているのは、「冷やし中華とかき氷を食べる」が有力候補だ。夏らしい食べ物を滑り込みで喰らう。
 思い出は待っていては駄目だ。自分から作らなくてはいけない。
 今度の土曜日に新宿に行く予定なので、その時に両方とも食べようかと。
 それはそうと、今週のコンテンツ。
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍の紹介>
<マンデーひとり歌会>
 できる限り楽しんで、書いていきたいですね。物事は楽しんだ者勝ちである。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の精神で踏み込めば、それが道となるということだが、勢いだけでは質はついてこない。
 頭を回転させます。グルグルと。

<メモについての解説と考察>

「頭より、体を使えよ」
 これは『とんねるずのみなさんのおかげでした』でとんねるずとスタッフによって結成された『野猿』の一曲、『チキンガイズ』の一節。
 考えるよりまず行動。ジャスト・ドゥ・イットってことです。中途半端に賢いヤツが一番損する世の中ですから。

「韜晦(とうかい)」
 意味は「自分の本心や才能・地位などをつつみ隠すこと」「身を隠すこと。姿をくらますこと」です。
「韜晦」の「韜」とは、剣を入れる袋を指し、「かくす」「おさめる」という意味がある。「晦」は「大晦日」で使われる文字だが、「光がなく暗いこと」を意味する。
 この二つの文字を組み合わせ「自分の本心を隠す、いなくなること」という意味になる。

「転合(てんごう)」
 ふざけること。また、そのさま。いたずら。冗談。「――を言う」
 使わなそうだが、珍しいのでメモしたのだろう。ただそれだけであって、何ら思い入れのない単語である。どう考えても、
「転合言わないでくださいよ」よりも、
「冗談言わないでくださいよ」の方が伝わる。
 言語マニアの方から「やるじゃないか」という評価をもらうために、99%以上の人を無視するわけにはいかんのです。

「駘蕩(たいとう)たる春風。」
 町田康先生の作品にでてきたような気がします。
 意味は、さえぎるものなどなく、のびのびとしているさま。春の情景などが、平穏でのんびりしているさま。
 つまり「駘蕩たる春風」とは、
 平穏でのんびりとした春の風、ということでしょう。「――たる」なので、何となく、さえぎるものない壮大な景色にも思える。
 しかし、難読漢字ですねぇ。

「盆茣蓙(ぼんござ)」
 とは、丁半博打で、壺をふせる所に敷くござ。普通の人は映像作品でしか見ることのないもの。参加する人は堅気でない方々。その昔、明治の時代なら田舎の農家の男も、遊び程度に顔をだしていたとか、いないとか。
「半か丁か。伸るか反るか。一か八か」
 なんだか風情を感じますね。息をのむ緊張感と、結果に一喜一憂する緩和の瞬間。今でも、人知れず丁半博打は行われているのか。
 ロマンですねぇ。

「五族協和(ごぞくきょうわ)」
 は、中華民国北京政府が掲げていた漢族、満州族、蒙古族、ウイグル族、チベット族の五民族の協調を謳ったスローガン。中華民国北京政府を象徴する民族統一を目指すスローガンとして、北京政府の国旗・五色旗と関連付けて考えられた。ただし五色のどの色が、どの民族にあたるかは公式に定められたことはない。
 これは安倍公房先生のインタビュー映像で、でてきた言葉。歴史に興味はあるが、あまりに遠大である。只、勉強したい気持ちはある。

「不自由研究」
 自由研究の記憶などない。小学生の記憶は悠久の彼方である。テーマ選びが勝負であり、本当は研究する気はないが、仕方なくコレかと選び、それとなく終える。うっすらとした記憶がある。
 ならば、全員共通のテーマを与えて、方法の多様性を見る。それでいいのではないか? 二学期になって提出された課題を、クラスみんなで様々な視点や方法を共有する。違いや傾向を学ぶ。
 ええやんか。素敵やん。

<購入した書籍の紹介>

「人間失格[新潮文庫]」
                               太宰治
「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。
「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。
 ひとがひととして、ひとと生きる意味を問う、太宰治、捨て身の問題作。

 前々から欲しかった、読みたかったが手にはとらなかった言わずと知れた名作。値段は300円ちょっとでお値打ち。薄い文庫本好き。

「くっすん大黒」
                               町田康
『共感できないし、どうしようもないし、変。でも十代の自分を救ってくれ 
 たのはこの物語の主人公なんです。』
                  ――尾崎世界観(クリープハイプ)

「賞賛と悪罵を浴びた戦慄のデビュー作」

 三年前、ふと働くのが嫌になって仕事を辞め、毎日酒を飲んでぶらぶらしていたら妻が家を出て行った。
 誰もいない部屋に転がる不愉快きわまりない金属の大黒、今日こそ捨ててこます――日本にパンクを実在させた町田康が文学の新世紀を切り拓き、作家としても熱狂的な支持を得た鮮烈のデビュー作。
                           解説・三浦雅士

妻が出て行った部屋の片隅に、金属製の大黒が転がっていた。
だらしなく横になったまま、にやにや笑っている。
今日という今日は勘弁ならぬ。捨てよう、大黒を。
古新聞に包んで日和下駄を履き、なんとなく駅の方へ
ぶらぶらと歩きだした――。

「圧倒的な支持を得た、作家・町田康の原点」

 大黒様を捨てようとして始まる日常の中の異次元世界。ユーモラスな語り口と奇妙な形で噴出する鬱勃たる感情が話題を呼び、日本文学史に衝撃的に登場した芥川賞作家の処女小説。「河原のアパラ」を併載している。
 第19回(1997)野間文学新人賞受賞とともに第7回(1997)Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。

 気になってた一冊。『告白』を読破中であり、必携の一冊と思い購入。

「パラダイス・モーテル」
                       エリック・マコーマック
                           増田まもる=訳
ブラック、グロテスク、シュール!

『父親に殺された母親の遺体の一部を、父親自身の手でそれぞれの体に埋め
 込まれた四人の子供・・・・・・。』

マコーマックらしさが一番よく現れた、入口として最適の一冊。
                        ――柴田元幸(解説)

 長い失踪の後、帰宅した祖父が語ったのは、ある一家の奇怪で悲惨な事件だった。一家の四人の兄弟は、医者である父親に殺された母親の体の一部を、父親自身の手でそれぞれの体に埋め込まれたという。
 四人のその後の驚きに満ちた人生とそれを語る人々のシュールで奇怪な物語。ポストモダン小説史に輝く傑作。

 これは何処で知って、手にとったか、記憶が定かではない。
 それにしても表紙の西洋人形の女の子と目が合った。それでブラック、グロテスク、シュール! なんて煽るものだから買ってしまった。
 300ページもないのに、税込み1430円ですから、文庫のくせして。
 まぁ引き寄せる何かがあるので、一向に構いませんが!

「レッド・アロー」
                        ウィリアム・ブルワー
                            上野元美・訳
「ぼくをだめにした本は、ぼくが書いた本だった。(本文より)」

作家デビュー、次作契約、結婚・・・・・・
成功をつかんだはずが満たされない心。
うつ病に悩まされる作家はやがて、幻覚剤[サイケデリックス]の旅へ――

翻訳権独占/早川書房  
円城塔(巻末解説)

◎大胆かつスリリングで、奔放な想像力。こんな物語に出会ったのは久しぶりだ。
 ――チャールズ・ユウ(『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』)

◎異次元からあなたの脳を優しく刺激するような本。
苦悩する心への深い洞察に富み、ユーモアにも溢れるこの小説は、まばゆいばかりの精神の旅[ヘッド・トリップ]であり、深い喜びだ。
                 ――ネイサン・ヒル(『ニックス』)
◉ウィリアム・ブルワー
 ウエストバーニジア州出身。2016年、オピオイド禍と貧困をテーマにした詩集デビュー作『I Know Your Kind』がナショナル・ポエトリー・シリーズを受賞。
 長篇デビュー作となる本書『レッドアロー』は、2023年のカルフォルニア・ブック・アワード(カルフォルニア州在住の作者の作品に与えられる賞)の銀賞に輝いた。
 現在、カルフォルニア州のスタンフォード大学でクリエイティブ・ライティングを教えている。

「新装版 愛」
                      ウラジーミル・ソローキン
                            亀山郁夫/訳
『ロマン』『青い脂』の鬼才ソローキン、
 本邦初の最強・最狂短篇集が復活!!!!!!!!!!!!!!!!!!

『青い脂』で飛び出た目玉を拾って入れてまた、目ん玉飛び出るがよい!
                         岸佐知子(翻訳家)

国書刊行会創業50周年、記念復刊。

 本というものに対する私の子供のころからの不満は「文字でてきているんだからどんな無茶をやってもいいはずなのに、どうしてみんなお行儀よくルールを守っているんだろう」ということで、それで中学ぐらいまであまり本を読まなかった。
<物語のお約束>をことごとくぶち壊してなお壮絶に面白いこの本を、あの頃の自分が知っていればなあと摂取したら、きっと今の何倍も変態になっていただろうとも思う。
                            ――岸佐知子

 ちがうね、諸君、もう一度言うが、それはちがう。君たちは若いし、頬っぺたにも熟れた林檎みたいな赤みがさしている。
 ジーンズだって擦りきれ、声も明るく甲高い。だがね、ステパン・イリイチ・モロゾフが恋人のワレンチーナを愛したような愛し方はどのみち絶対にできっこないんだ。

 愛の物語を一切省き突然の狂気へと読者をひきずりこむ、ゼロ形式の恋愛小説というべき表題作「愛」。
 女教師と教え子のアブノーマルな<授業>を即物的に描いた「自習」。
 故人に関する驚愕の事実が友人によって明かされる「弔辞」。
 そのほか「真夜中の客」「競争」など、日常の風景のさなかに悪意を投げ込んで練りあげた文学的オブジェの数々。
 あまりの過激さに植字工が活字を組むことを拒否したとされる、最もスキャンダラスな作家が放つ、グロテスクかるアンチ・モラルな短篇集。

 装幀のデザインがサイケで狂ってて最高。目にくる。ジャケ買いと書きつつ、存在は知っていて、満を持しての購入です。楽しみ。

<マンデーひとり歌会>

「五・七・五・七・七」「季語は必要ない(使用可)」という最低限のルールで好き勝手に、言葉を磨く目的で、楽しく詠っていく企画です。
 短歌です。
 前置き。面倒クサすんぎなんで、もう詠む。

〇不健康メロンソーダが喉通過ほんのひととき浸る快楽

〇締め切りよ迫ってくるな厳しいて削れる時間高鳴る鼓動

〇かわいい子とおりかかってついていくウロウロしたらやっぱり殺す

〇底辺の激安寿司は不味くない美味くもないね買う莫迦野郎よ

〇突然にゲリラ雷雨が鳴り響く雨滴うちつけ雨のヴェール

〇紙の本カッコええやつ買えばええ気持ちええよなエセ関西弁

〇君を待つ駅のホームに風が吹く気づけば横でほほ笑むエクボ

〇雷鳴が轟く空に叫んでも打ち消されても重ねる言葉

〇夏終りされど猛暑とめどなく怒り霧散し汗に溺れる

〇素麺をたっぷり茹でて飽きてくる後悔しても夏の思い出

 なんとか十首詠ってみました。
 我ながらくだらない。一応、頑張ってみましたが。現在時刻23時23分ですよ。時間が過ぎるは流れ星の如くですよ。別ウィンドウでYouTube動画観てるから、それが集中力を阻害しているのか。いや、ネタになったりするからあながち無駄ではない。
 短歌には効果がある。
 短い中でどうやって表現しようかと、パズル感覚です。頭の体操ですね。出来る限り巧くやろうとか考えず、楽しんで自由にやれたらいいけれど。
 適度に欲をもって、明日からも頑張ります。


 

 
 
 
 

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