週刊「我がヂレンマ」<9月30日号>

 残暑も終わり、涼しくなりだした九月末日。ギリギリTシャツで粘っている私ですが、そろそろシャツを着れる、お洒落が楽しくなる季節に突入します。しかし、「服バカ」から「本馬鹿」に転身したので、服を買う余裕はないので、すでにあるワードローブで楽しみます。
 そうそう、本日、つい、地元の書店で本を買ってしまった。本馬鹿だから仕方ないが、心の中のワイフが怒っております。
 まぁええわ。前から欲しかったヤツやし。ええねん。本やぞ? ええやんけ。本やねんから。エセ関西弁はこれくらいにして、
 今週のコンテンツ。
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍の紹介>
<月曜、ひとり歌会>
 金曜日に続いて蒙古タンメン中本で夕食となったので、満腹です。
 やる気ゲージは満タンです。
 もう書くわ。

<メモについての解説と考察>

「沛然(はいぜん)」
 大きいさま。
 雨が勢いよく降るさま。
「――として驟雨が来る」
 沛然として驟雨。
 凛として時雨みたいでカッコいい。そんな理由でメモしました。
「来たなと思う間もなく、豪雨は沛然として乾いた岩を黒く染めて行く」   (小川登喜男『一ノ倉沢正面の登攀(とうはん)』より。

「愁嘆(しゅうたん)」
 なげき悲しむこと。悲嘆。「わが身の悲運を――する」
 愁嘆場の略。
 愁嘆場とは、芝居で、登場人物が嘆き悲しむ所作のある場面。転じて、実生活上の悲劇的な局面にもいう。「愁嘆場を演じる」
 悲嘆でいい。
 通じない。

「現実に浸食される夢」
 ふと浮かんだ言葉。夢は取り留めもなく、目覚めれば内容は忘れていくもの。つまり、現実と思ったら夢だった、ということだ。例えば彼女にフラれた夜。夢でもフラれ、なんとか食い下がり、もう一度だけチャンスを貰えた。そう喜びを爆発させたところで、目覚める。
 夢が、現実と地続きになり、しかし、実体はなく、実際には存在しない展開が繰り広げられる。
 怖い、というより不思議な雰囲気である。

「ウィリアム・フォークナー(1897‐1962)」
 は、アメリカ合衆国の小説家。ヘミングウェイと並び称される20世紀アメリカ文学の巨匠であり、南部アメリカの因習的な世界を「意識の流れ」を初めとする様々な実験的手法で描いた。
 代表作に『響きと怒り』『サンクチュアリ』『八月の光』『アブサロム、アブサロム!』など1949年ノーベル文学賞受賞。
 フォークナーはその生涯の大半をミシシッピ州ラファイエット郡の田舎町オックスフォードにある自宅「ローアン・オーク(Rowan Oak)」で過ごしており、彼の作品の大部分は同地をモデルにした架空の土地ヨクナパトーファ郡ジェファソンを舞台にしている。
 これらの作品はオノレ・ド・バルザック的な同一人物再登場法によって相互に結び付けられ、その総体はヨクナパトーファ・サーガと呼ばれる。

「ラジウム・ガールズ」
 とは、ラジウムを含有する夜光塗料を時計盤に塗る作業に従事した結果、放射線中毒になった女性工場労働者の総称。中毒事件は1917年頃からニュージャージー州オレンジ、1920年代初頭からイリノイ州オタワ、コネチカット州ウォーターベリーという3つの異なる工場で発生した。
 塗装作業を行う工員として、推定4,000人がアメリカやカナダの複数の会社によって雇用された。各工場の工員たちは、塗料は無害であるという(間違った)説明がされていた。
 さらに、時間と塗料を節約するためにブラシの先を口を使って整えるよう指導がなされており、結果として致死量のラジウムを摂取した。

「ダモクレスの剣」
 とは、栄華の最中にも危険が迫っていることや、そのような危険、または、常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう。
 リチャード・ウェスト―ル『ダモクレスの剣(1812年の油彩画)』は、贅を尽くした饗宴の中、誰もが羨むと思われる玉座に腰掛けるよう当世の僭主から勧められたダモクレスは、細い糸で吊るされた剣が玉座の真上にあることに気付き、僭主の抱く恐れを理解する場面が描かれている。

「一一一(はじめ かずいち)」
 名字が一、下の名前が一一。そりゃ、一さんはいるだろうが、流石に一一とは名づけない。名前がないように思われるうえ、ふざけていると怒られかねない。るびをふらないと、読んでもらえない。
 似た発想で「青青青(あお しょうせい)」もある。 
 実際そんな人を知らないが、実在するとしたら取材してみたいです。

<購入した書籍の紹介>

「仮面物語 或いは鏡の王国の記」
                              山尾悠子
『長い封印を経て遂に復刊、著者二十代の幻の長篇小説』

影盗み/仮面/鏡/迷路/自動人形/ゴオレム/彫像/魔術師/鉱物/
ドッペルゲンゲル/鍵/結晶体/石蚤/水/柩/スピンクス
硝子/預言/玻璃/翳/月

『伝説の迷宮世界』

【目次】
プロローグ
〔第一部〕 影盗みと鏡
Ⅰ 彫刻師は粘土を買いにゆく
Ⅱ 詩人の煩悶とその苦境
Ⅲ もう一人の証言者が登場する
Ⅳ 影盗みは読書もする
Ⅴ 鏡の仮面が二重館に氾濫する
Ⅵ ついに殺人事件も起きる

〔第二部〕 仮面の翳
Ⅶ 自動人形が鍵を持つ
Ⅷ 誰かがどこかで目醒める
Ⅸ 柩の中身についての混乱が生じる
Ⅹ 魔術師の弟子、或いは預言者
Ⅺ 泥人形にも考えがあることが判る
Ⅻ 水上街炎上図
ⅩⅢ その後の軌跡さまざま
ⅩⅣ 芸術家が悲鳴をあげるまでのいきさつ
ⅩⅤ 再び鏡の仮面が二重館に氾濫する
ⅩⅥ 旅のおわりとはじまり
エピローグ
新版後記

 国書刊行会で一冊と思い手に取った、私の所持する国書刊行会の書で初の日本文学。アウターケース仕様で、お洒落。
 ジャケ買いです。書店で初めて出会った作家さんです。

「ニューサバービア」
                               波木銅
                          装画・高木真希人
『崩壊後〈ポスト・アポカリプス〉の世界を自転車で走れ!)
(((松本清張賞受賞第一作)))
『人喰いワニ×パワフルガール』

◎洪水が来たのにすべては洗い流されず、原発の町には方舟も来てくれなかった。そして華奢な未来が残った。
                        ――樋口毅宏・推薦!

「私は変わりたかったよ。変えなきゃいけないところを変えられないまま、いろんなものを失っちゃった。この町と同じだね(本文より)」

 原発のある田舎の町で、小説家を夢見ながら友人たちと退屈な日々を送っていた馬車道ハタリ。高校卒業を機に上京し数年が経ったある日、彼女のもとに見知らぬ作家の私小説の原稿が届く。
 そこには原発事故で壊滅した故郷にまつわる、彼女たちの重大な秘密が描かれようとしていた。大洪水、原発事故、カルト教団、未確認生物‥‥‥次々と襲い掛かる脅威に、ギグワーカー・馬車道は血気盛んに立ち向かう。現代の閉塞感を打ち砕く、新世代ハードボイルド小説。

 先週の『オール・グリーンズ 万事快調』につづき、波木銅作品を購入。
 一般的知名度を得る前に、唾をつけておこうとの欲を元に購入。
 1980円と安いしね! 

「火星無期懲役」
                          S・J・モーデン
                             金子浩=訳
『牢獄は赤い惑星、 
 火星での基地建設中、次々に命を落としていく囚人の男女7人』

息子のために殺人を犯し、終身刑で服役中のフランクは、火星基地建設プロジェクトへの参加を持ちかけられる。刑務所で人生を終えるか、火星で生きるか――後者を選んだフランクをはじめ、プロジェクトの参加者は老若男女の囚人7名。だが彼らは火星でひとりまたひとりと命を落としていく。酸素不足、過量服薬、二酸化炭素中毒‥‥‥これは事故なのか、自殺なのか、それとも? ディック賞受賞作家が贈る火星サバイバルSF。

 設定が面白そうで買いました。レビューを見ると、賛否が分かれているようで。読書の優先度は低いので気にしません。人は人、自分は自分。

「夜、すべての血は黒い」
                        ダヴィド・ディオップ
                          加藤かおり[訳]
友よ、おまえの魂は
どうすれば救われるのか?

親友の凄惨な死に立ち会ったセネガル歩兵。
やがて彼は夜ごと敵兵に復讐する”英雄”となるが‥‥‥。第一次大戦の極限状況に迫る、戦争文学の新たな傑作。

『世界的文学賞 ブッカー国際賞受賞』

『西部戦線異状なし』(エリッヒ・マリア・レマルク)、
『夜の果てへの旅』(ルイ=フェルディナン・セリーヌ)、
『天国でまた会おう』(ピエール・ルメートル)に連なる、
第一次世界大戦を描いた傑作。

◉続々受賞
高校生が選ぶコンクール賞、ブッカー国際賞、アマドゥ・クルマ賞、トロレーガ・エウロペオ賞。

 前々から欲しかった一冊。黒くて薄い本。装丁のカッコよさにジャケ買い。ジャケ買いしてばかりの私。

「クァジーモド全詩集」
                            河島英昭・訳

1959年にノーベル文学賞を受賞した、20世紀イタリアを代表する詩人サルヴァトーレ・クァジーモド(1901‐68)は、ファシズムの暴虐に抗して、人間を蹂躙する現実への激しい怒りを表現し、戦後は冷戦や核の恐怖を見据えた強靭な社会詩を書き続けた。社会の悲惨、歴史の苦悩に対峙する詩篇の圧倒的な強さと深さと重みが胸を打つ。

 岩波文庫から出ている詩集は全部買ってやろうかと、秘かに野望をもっているわけだが、それは半分冗談。
 それにしても岩波文庫、硬派なイメージがなんとも味わい深い。
 そして「赤N 七〇三-一」のような整理番号、収集癖のある人にはタマランでしょうね。

「葉隠入門」
                             三島由紀夫
武士が今を生きる私達へ問う!
「君たちはどう死ぬか。」

「武士道はいふは、死ぬ事と見付けたり」
「武士道は生きている――いま読むべき人生の教科書」

『三島が〈わたしのただ1冊の本〉と呼び心酔した「葉隠」の魅力』

「葉隠」こそは、私の文学の母胎――三島由紀夫
●武士道はいふは、死ぬ事と見付けたり。
●大事の思案は軽くすべし。
●初めより思ひはまりて濡るる時、心に苦しみなし。
●昨日よりは上手になり、今日よりは上手になりして、一生日々仕上ぐる事なり。
●人のすかぬ者は役に立たず。

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の一句があまりに有名な「葉隠」。過激思想の書と誤解されやすいが、その真髄は「死という劇薬」こそが自由や情熱、生きる力を与えるという逆説的な「生の哲学」である――。「葉隠」の処世訓の精髄を読み解きながら、凝縮された三島の思想に触れられる。時を超えて現代人の心に強く訴え続ける名著。「葉隠」現代語訳付。

 これも前々から欲しかった一冊。三島先生の思想に少しは触れておこうとの思いで購入。日本人なら「葉隠」くらい読んでおこう、て、感じです。

<月曜、ひとり歌会>

「五・七・五・七・七」「季語はいらない(使用可)」という最低限のルールを守りながら、言葉を研くために始めた短歌。いつごろ始めたかも忘れるほど時間が過ぎた。
 さて、効果はあったのか。分かりかねる。ただ、楽しいので続けているのが現状。だがそれでいい。あまり欲をだしても仕方がない。
 と、いうことで前置きがあまりにも面倒なので、詠います。

〇火花散るそばから落ちる暗闇に 沈み溶けてく冷える輝き

〇向日葵が枯れてく姿 見るわたし ともに枯れてもそれはそれでと

〇暮れなずむ夕日尻目にワンカップ 更けて明けたら朝から荒れて

〇何もかも「こんなもんで」と適当に 後悔ばかりの脳内花火

〇くさい河 欄干にいる 君と僕 さっさと渡るいつもの時間

〇クリスタル砕け散ってもクリスタル 粉砕しても煌めくココロ

〇どんぐりとBB弾が宝物 探して歩く 幼いあの日

〇少しだけあと少しだけ待っててよ 時は止まらぬ知ってはいても

〇振りかざす正義疑うこともなく いつしか悪に反転するな

〇時間ない焦りばかりが肝冷やす そんな時でも 浮かぶおっぱい

 時間ないです。締切まであと20分しかないです。だから、あとがきなんて書いてる余裕なんてねぇです。それでも簡単に済ませてしまうと、それはそれで淋しいので、粘ってますが限界です。
 体に悪いことを承知で酒でも呑んでやろう! そんな想いに突き動かされて、そろそろ終ってやりますよ。
 何せ、もう、時間が、ないんだから。
 明日から三日連続ショートショートなんで、頑張ります。



 
 
 
 
 


 
 

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