寄り添うということ④「ちゃんと」ってどういうこと?
「ちゃんと前向いて座って!」
「ちゃんと歩いて!」
「ちゃんと話して!」
「ちゃんと見て!」
などと、つい子どもに言ってしまう人いませんか?
「ちゃんとってどういうこと??」
と子どもに質問されたらどのように答えますか?
おそらく説明できる人はすくないでしょう。
というようり考えたことすらないと思います。
無意識に使っているからです。
だから
「ちゃんとってどういうこと??」
などと子どもが質問してきたら
「うるさい!!」
「いいから言ったことできるようにすればいいの!」
など、質問の答えにならないような解答をする人さえいます。
「ちゃんと」は、何かを正確で、適切に行うようにという意味を持つ表現です。
例えば、教師が「ちゃんとすわりなさい」という指示をした場合
言われる前の状況が、正しい座り方をしていないと思ったから発した言葉であると考えられます。
では、どんな座り方をしていたのでしょう?
姿勢が崩してすわっている。
足を机の上に投げ出して座っている
椅子を斜めにしてすわっている。
足を組んですわっている。
前を向かずに後ろや横を向いている。
手が膝の上にのってない。
ひじを机についてすわっている。
思いつくものを挙げてみました。
おそらくこのうちのどれかでしょう。
ですが、言われた子どもは「ちゃんと」といわれて、それに果たして気づくでしょうか?
その指示で、教師が思った正しい姿勢になることができるのは、多数派の子たちだけです。
少数派の子は意味がわかりません。
もし、指示をするのであれば、
「ちゃんと」の部分を具体的な言葉に変換させる必要があります。
「ひじをつかないで、背筋のばしてすわりなさい」
といった感じです。
子どもの中で
「ちゃんと話を聞く」
ことを、先生の話をしずかに聞くことだと認識していたら、
仮にひじをついていたとしても、ちゃんと座っていたことになるので、
「ちゃんとすわってるよ」
と答える子もいるのです。
「ちゃんと」という言葉は、多数派の子にとってもわかりにくい指示です。
使わない方がよいでしょう。
子どもに寄りそっていくためには、指示は具体的でないといけません。
「ちゃんと」は使わないほうがいいでしょう!
それではまた!
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