【要約】アラン｜幸福論

哲学者でありながら教育者としても活躍し、一般の人々にもわかりやすい言葉で人生の知恵を説いた20世紀フランスを代表する思想家のアランの幸福論についてわかりやすく要約しました。

👇こんな人にオススメ👇
・物事を考えすぎてしまう人
・感情のコントロールが苦手な人
・対人関係に疲れやすい人
・夢や目標を追いかけている人

幸福になるためには、自ら幸福を作り出す努力が必要

アランは、幸福には2種類あると言います　1つは与えられる幸福、もう1つは自ら作り出す幸福です

与えられる幸福とは、たとえば宝くじに当たったり、大きな遺産を相続したりすること　でもそれは本人の努力とは無関係に訪れる一時的な満足感でしかありません

一方、自ら作り出す幸福とは、たとえば芸術家やスポーツ選手が長年の努力の末に得る達成感のようなもの、これは持続的で深い満足感をもたらします

本当の幸福を手に入れるには、自ら努力して作り出していく必要があるのです　棚ぼたを待っていても幸せにはなれません　

幸福は自分で方向性や行動を決めて作り出すもので、流れでたどり着く結果ではないのです
多くの人はあれがない、これがないと不満を抱いています　しかしその原因は、本気でそれを求めていないという本人の態度と決して無関係ではありません

健康にせよ、お金にせよ、幸福にせよ、何かを本気で手に入れようとする時に必要なのは、単なる期待ではなく、何が何でも手に入れるという意思を持って、具体的なアクションを起こすことなのです

考えすぎるクセは「無関心」と「脱力」で克服しよう

物事を考えすぎてしまう人は少なくありません　些細なことでもクヨクヨ考え込んでしまい、結果的に感情に振り回されてしまうのです　でもそんな時、アランが提唱する「無関心」と「脱力」の姿勢が役立ちます

まず「無関心」について説明しましょう　考えすぎるクセがある人は、どうして私はこんなに不愉快な気分なのだろうと頭で解決しようとしたり、ネガティブな思考を巡らせたりしがちです　

でもそれは常念という制御しがたい感情に振り回されているだけ、だからこそ、一旦立ち止まって、そんな感情に無関心になることが大切なのです

次に「脱力」のコツをお伝えします　体の力を抜いてリラックスすること、これが考えすぎる癖を克服する秘訣なのです　具体的には、体を動かしたり、深呼吸をしたり、あくびをしたりして、思考をリセットするのです

頭で考えるよりも体を使って感情をコントロールする事が考えすぎるクセを克服する上で何より大切です

もちろん、最初のうちは難しいかもしれません　でも焦らずゆっくりと実践していけば、きっと「無関心」と「脱力」の姿勢が身につくはずです

そうすれば、物事を考えすぎて感情に振り回されることなく、冷静に対処できるようになるでしょう。

人間関係を円滑にするには「礼儀」と「友情」を大切に

アランは、人間関係を円滑にするカギとして、「礼儀」と「友情」という2つの要素を重視しています

まず「礼儀」について。礼儀作法を身につけることで、感情に流されずスマートに振る舞えるようになります　

相手への敬意を示し、場の空気を読む、それが人付き合いをスムーズにするコツだと言います

一方「友情」も同様に大切です　アランは、相手の不幸に同情するよりも、温かい友情の心を示すべきだと説きます　

哀れみは相手を傷つけるだけですが、友情は相手に希望を与え、前を向く勇気をもたらします

友情には素晴らしい喜びがあり、その喜びは伝染するものだと気づくことが肝要です

他者に優しくするには、まず自分が幸福でなければなりません　そうして初めて真の友情が生まれるのです

このように、アランは礼儀と友情という両輪によって、人間関係の悩みは軽減され、より良好な関係性を築けると説いています

礼儀によって感情をコントロールし敬意を示すこと、友情によって温かい心を伝え合うこと、その2つを大切にすることが、人付き合いの極意なのです

幸福になるためには、今この瞬間を大切にすること

アランは、幸福になるためには遠大な目標を追うことも大切だけれど、それと同時に今この瞬間を大切にすることが何より重要だと説きます

ある老人が臨終の際にこう語ったそうです　「私は人生で多くの素晴らしい瞬間を過ごしてきた　でも、いつもその時は気づかなかった」

私たちは未来の目標や過去の思い出に心を奪われがちですが、本当に確かなのは今この瞬間だけ　今日一日を丁寧に生きること、目の前の小さな喜びを感謝の気持ちで受け取ること　そうやって日々を積み重ねていくことが、本当の幸福への近道なのです

「今」を大切にするとは、今やるべきことに全力で取り組むこと　今いる人を心から大切にすること、今感じている喜びや感動を噛みしめること、そうした日々の積み重ねこそが、人生の真の財産になるのです

幸福とは、遠い未来にあるのではなく、今ここにあるもの一日一日を大切に生きることで、いつしか人生全体が輝きだすのです

まとめ

アランの『幸福論』が教えてくれるのは、幸福になるためのシンプルな心構えです

自ら努力して幸福を作り出すこと

考えすぎる癖は無関心と脱力で克服すること

人間関係では礼儀と友情を大切にすること

そして何より、今この瞬間を大切にすること

悩める現代人の皆さん　ぜひアランの知恵を借りて、幸福への一歩を踏み出してみてください　きっと新しい扉が開かれるはずです

アラン 幸福論 (岩波文庫)