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なんでなん

老健に就職した友人から相談をうけた。


『今日さぁ、エレベーター乗っちゃダメって言われてさぁ腹立った。これって差別じゃね?』


「いやぁ、新人のうちに施設の決まり事や設備の使い方や優先すべきことを習うわけだから、そう早合点してはならぬ。」


『でもさぁ、私以外にも乗ってたひといたもん。』


「そりゃあれだろ。慣れたら忘れる、守れないひとだよ」


幼い頃に横断歩道は手を上げて渡りましょう。
ゴミをポイ捨てしてはなりません。
人を殴ったりイジワルはいけません。
薬物はダメゼッタイ。(by前園真聖)古い。


大人になった僕たちは、幼い頃に習ったはずのことをいくつ守ることが出来ているだろうか。



法を犯すことなく生きることは
不可能に等しいらしい。
法律はめちゃくちゃ
細かくて含みを持たせた表現なので様々な解釈ができる。

日本国憲法を元とした法律以外にも
細かなルールが
住む地域や会社
コミュニティ、家庭に存在する。


仕事が続かないこの友人は、新人時代が長い。

だからこそ『いつも私だけ』という
意識が生まれるのだが
軽度知的障がい という自身の個性が
疑心暗鬼にならざるを得ないという
側面はあるとおもう。


私は吃音持ちだ。
今はだいぶ改善したが、発言のスピードはかなり遅いし、つまりやすい行などはある。

これが原因でかなり苦しんだ時期もあったが
そんなとき「なんでなん」と思ってた。


あ、理解してもらえてないから苦しいんだな。
じゃあ説明してみるか。

自分の弱点をオープンにすることは
勇気のいることだ。


当時、衣料品店に勤めていた。
マイクでの店内放送を決まった時間にやる。

『○○○○さんがやるとつまるから変な空気になる。』

と、吃音症をオープンにしたあと言われた
あの女性の同僚の顔は今でも覚えているし
頭のなかで200回は往復ビンタとおしりペンペン
をした。


「ちゃんと原因を伝えたのになんでなん。」

と憤りを隠せなかったが、全ての人に
理解、配慮をしてもらうのは不可能だとも
悟った。

少なからず、頭のなかでビンタやおしりペンペンをした彼女のように
迷惑に感じるひともいるのだ。


みなさんも「なんでなん」の連続なのでは
ないだろうか。


毎日の生活にあふれた
憤りを含む「なんでなん」は
繊細な人ほどストレスになりやすい。




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