寄り道スタイル

ラテンアメリカに関すること、あまり流行りでないこと、ひそかに異彩を放つものに心惹かれて…

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ラテンアメリカに関すること、あまり流行りでないこと、ひそかに異彩を放つものに心惹かれています。

最近の記事

5年ぶりのアナ・ヴィドヴィチ来日コンサートに行ってきた

クラシック・ギターのアナ・ヴィドヴィチの5年ぶりの来日公演に行ってきた。 会場の浜離宮朝日ホールは、新橋駅からやや遠く、目印も少ないため、さんざん迷ったあげくに2分前にすべり込み。 5年前の来日公演は銀座のYAMAHAホールで聴いた。2階席まで音がハッキリ聞こえてくる遠達性に感心したことをよく覚えている。 さて、コンサートの一曲目は早いパッセージからなるバッハのBWV1006前奏曲。少々緊張気味なのか、テンポも運指も乱れて感じた。 正確無比なテクニックの持ち主のはずが

    • パンデミックとサブスクとの出会い

      新型コロナウイルスによるパンデミックの記憶もだいぶ遠くなり、かつて小池都知事が言った「三密を避けて」などという言い回しも、そういえば、という感じになってしまった。 外出規制なるものが、自主的に受け入れられたことさえ、いまとなっては不思議な気がする。 ただ、パンデミックの記憶がうすれていっても、パンデミック以前と以後では決定的に変化したこともある。わたしの場合は、それがサブスクとの出会いだ。 2度目のコロナ予防ワクチン接種のときのこと、だるくて無気力な時間をやり過ごすため

      • ギターの力を感じさせたティボー・ガルシア

        29歳のフランス人若手クラシック・ギタリスト、ティボー・ガルシアの来日コンサートへ行ってきた。 期待を裏切らない素晴らしい演奏。なんといっても奏でる音色が美しい。高度な技術を持ったギタリストは他にいても、心を鷲掴みにする音色を持つ人はそうそういない。 座った席はホールの最後列だったが、浜離宮朝日ホールの音響がいいのか、ティボー・ガルシアが上手いのか、生音でも音の小ささが気になることはなかった。 つねづね、ナイロン弦のギターは非力だと思っていた。でも、ティボーはそんなこと

        • ダンスを描いた映画「情熱の王国」(6/1 ユーロスペースで公開)

          素晴らしいダンスを映像に取り入れた映画はたくさんあるけれど、ダンスが生まれ出る過程をモチーフとした映画というのはそう多くない。 スペインのカルロス・サウラ監督はそうした映像作品を数多く生み出したひとだ。 6月1日から、渋谷のユーロスペースで、カルロス・サウラ監督のダンス映画『情熱の王国』が、ドキュメンタリー作品『壁は語る』とともに同時公開される。 3月におこなわれた『情熱の王国』の試写会に行ったので、推しのポイントを記しておきたい。 映画の原題El rey de to

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          アップルペンシルと再会したはなし

          アップルペンシルをなくした。これで二度目だ。2万円以上する高価なものなのに・・・ 一度目は、図書館で、本を探しに行ったときに、落として書棚の下にもぐり込んでしまった。 こんどは駅の改札を出て、iPad miniを無理やり上着のポケットに押し込んで、そのときに落としたのに気づかなかったらしい。 アップルペンシルはとても便利で、普段付属品として使っていることを意識しないぐらい。それだけに、不必要な場面でも持ち歩いてしまう。 サードパーティの安価な製品も試してみたが、やはり

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          しんちゃんがやってきた

          しんちゃんが誰かというと、かつて旅先のブエノスアイレスで、2、3週間お世話になった日系アルゼンチン人家庭の末っ子で、出会った当時はまだ7歳ぐらいだった。 当時、家族や親戚のあいだで、しんちゃんは「ワルガキ」として知られていた。にこやかで愛想の良い2人の姉に比べると、たしかにしんちゃんはきかん坊であった。 でも、いきなり家にやってきた見ず知らずのニホンジンに対して、しんちゃんはやさしかったし、なにがしか興味を抱いている様子でもあった。 ともあれ、それからウン十年が経過し、

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