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英語&翻訳解説【Sun Is Shining】

まず曲を理解する

謎めいた歌詞の難解な曲です。

テーマは「現実逃避」と「目覚め」と「救い」です。

主人公は夢の中にいます。

そこは太陽が降りそそぎ、踊り出したくなるような快適な場所です。

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来る日も来る日も眠りをむさぼり続けている主人公はどんなことが起きても自分を苦難から守ってくれる主がいつもそばにいることを知りません。

神さまだけでなくボブも主人公の傍らにいて常に見守っています。

主の約束を示す虹のように、ボブもメッセージを伝える存在です。救いの神は君のすぐ近くにいるよというメッセージです。

だから夜明けと共に起きて、神さまと出会うんだ。

幻想の世界から目を覚まして現実を生きるんだ。救いは眠りの中じゃなく、この現実の世界にあるんだ。

そんな救いのメッセージを奥深いところに隠した哲学的ナンバーです。

英語表現と訳し方

Make you want to move your dancing feet
直前のsunとthe weatherが主語です。

主語を入れてきちんと書き直すとSun and the weather make you want to move your dancing feetです。

Make you want to ~ は「~したくさせる」です。

Move your dancing feetは、dance(踊る)という意味です。

あえて別の言葉を使って詩的に表現しています。

思わずダンスしたくなるぐらい気持ちいい天気だと言っているので「踊りたくなるのも当然さ」と訳しました。

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To the rescue
Here I am

この歌に登場するのはyouとIの二人だけです。

従ってHere I am(俺はここにいる)理由は「君(you)を助ける(rescue)ため」です。

To the rescueという形になっていますが、意味はto your rescueです。

言葉を置き換えて分かりやすく書き直すと、Here I come to your rescueとなります。

「君を助けるために俺はここにいる」という意味です。

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ここでは何の前振りもなしに「君を助けるために」と歌っています。

唐突過ぎるので英語にはない「でも」を入れて「でも君を助けるために俺はここにいる」と訳しました。

Here I amというフレーズは旧約聖書の次の箇所からの引用です。

Then shalt thou call, and the LORD shall answer; thou shalt cry, and he shall say, Here I am.

(Isaiah 58: 9 King James Version)

あなたが呼べば主は答え、あなたが叫べば「わたしはここにいる」と言われる。

(イザヤ書58節9章 新共同訳)

Where I stand
直訳すると「俺が立っている場所」です。

ここで大事なのは具体的な場所ではありません。「存在していること」です。

なので「俺がいること」と意訳しました。

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なぜwhere I sitではなくwhere I standなのかというと、sitには「動かない」というニュアンスがあるからだと思います。

この曲のボブには動く可能性があります。相手が目覚めて動き出すなら離れずに一緒についていく、そんな存在です。

Dawning
Dawnは「夜明け」のことです。

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動詞として使う場合、「夜が明ける」です。

名詞dawnはdaybreakと言い換えることができます。

「夜明けに」は、at dawnともat daybreakとも言います。

At the break of dawnも同じ意味です。

「夜明けから夕暮れまで」はfrom dawn till duskと言います。

When the morning gathers the rainbow
直訳すると「朝が虹を集める時」です。

ボブの感性が生み出した詩的で美しいフレーズです。

直訳のまま使ってもよかったんですが、一般的な言葉に置き換えて「空に虹がかかる朝」としました。

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ボブが語っているrainbowは単なる自然現象ではありません。

旧約聖書に記されている神の人間に対する約束です。

I do set my bow in the cloud, and it shall be for a token of a covenant between me and the earth. And it shall come to pass, when I bring a cloud over the earth, that the bow shall be seen in the cloud: and I will remember my covenant, which is between me and you and every living creature of all flesh; and the waters shall no more become a flood to destroy all flesh.

(Genesis 9: 13-15 King James Version)

わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。 わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、 わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。

(創世記9章13-15節 新共同訳)

ちなみにこの聖書箇所では虹がbowとなっています。

Rain(雨) + bow(弓)で「雨の弓」です。

雨が降った後に出現する弓の形をしたものという意味です。

キリスト教的解釈では「空に向けて引き絞られた弓」です。神さまが自らを戒めるため「自分に矢を向けた」ことを表わしています。

We lift our heads and give Jah praises

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Lift our headsは「頭を上げる」です。

頭を上げる=空を見るという意味なので「天を仰ぐ」と訳しました。

「神さまは天上にいる」という古典的考えに基づいた表現です。

Give Jah praisesは、give thanks and praises to the Lordという形で頻繁に登場するフレーズの別バージョンです。

これまでに何度も書きましたが、Jahはアブラハムの神です。キリスト教やユダヤ教の唯一神ヤハウェ(Yahweh)のラスタ式呼び変えです。

誤解している人が多いですが、ボブがJahと呼ぶ神はエチオピアの皇帝だったハイレ・セラシエ(Haile Selassie)のことではありません。

Sleep and slumber
Sleepは「眠り」、slumberは「まどろみ」です。

後者は「うたた寝」というやつです。

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突然襲ってきた睡魔にやられて10分ぐらい気を失ってしまうアレです。

ここではふたつ単語を重ねて区別していますが、sleepの言い換えとして「睡眠」という意味でslumberを使うこともよくあります。

ビートルズがこの名曲で歌ってるのは深い眠りの方だと思います。

Today could bring your lucky number
Lucky numberとは、「当選番号」とか「当たりくじ」とか「縁起のいい数字」のことです。

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Today could bring your lucky numberをわかりやすく言い換えると、you can get lucky todayになります。

「君は今日幸運に恵まれるかもしれない」という意味です。

すぐ前のところで「眠りとまどろみから」と言っているので「抜け出せば幸運がそこにあるかもしれない」と意訳しました。

韻を踏んでいる箇所


次の5か所で韻を踏んでいます。

The weather is sweet
Make you want to move your dancing feet

Here I am
Want you to know, you-all
Where I stand

Tell myself a new day is rising
(Thursday evening)
Get on the rise
A new day is dawning

Away from your sleep and slumber
Today could bring your lucky number

翻訳する上で難しかった点

「太陽が降りそそいでいる」のに「助けに来た」のはどうしてなんだろうという疑問が解けず、何について歌っているのかなかなか把握できませんでした。眠りから目覚めるんだと優しく伝えているナンバーだと気づくまでかなり時間がかかりました。 








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