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おもしろくて勉強になる👸好きな中世ヨーロッパ映画トップ5

こんばんは。きなこもちです。

好きな〇〇トップ5みたいな、ある特定のジャンルで自分ランキングを紹介してる記事や動画はみなさん割と見かけるんじゃないでしょうか?私はよく見かけますし、その中に自分の好きな映画などのサムネが入ってたらつい気になって最後まで読んじゃったりします。そういうジャンルで私が見たことあるのって、ホラー、恋愛、人間ドラマ、SF、サスペンス、ミステリー、アクション、ノンフィクション、邦画、ハリウッド、フランス、韓国、アニメ、アカデミー、カンヌ、モスクワ…と思いつく限り書いてみましたけど、歴史映画のランキングを紹介してるのは少ない気がします🤔あとノンフィクションとよく混ざってます。

歴史映画も結構たくさんあって、時代ごとでも古代ギリシャ、中世ヨーロッパ、古代中国、日本の戦国時代、近現代など(この分け方もだいぶガバですが)単に歴史映画と言ってもいろいろです。そこで今回は中世ヨーロッパ(12〜19世紀あたり)を舞台にした私が好きな映画トップ5をご紹介します。

なお、熱量高めに書いてるので文量が多めです。

第五位 仮面の男

若かりしレオナルド・デカプリオ主演の映画です。が、私は枯れ専なのでジェレミー・アイアンズとジョン・マルコヴィッチが目的で見ます。今のレオナルド・デカプリオは当時よりだいぶ年取りましたけど、まだ枯れには至ってないですね(当社比)。

雑にいうと老いた三銃士復活の映画です。フランスのルイ14世(ヴェルサイユ宮殿を建てた人)の治世が舞台なので、実際の三銃士の話よりは少し後の話をアクション多めで描いた作品となっています。悪王ルイ14世には実は心優しい双子の弟がいて、その弟が鉄仮面を被せられてバスティーユ牢獄に収監されているからルイ14世と取り替えてサイコーの王様に変えちゃえ!というフィクション。こちらは記事のタイトルに「勉強になる」とつけてますが、本当に勉強になるのか正直疑問な作品です😅ですがあなたがもし枯れ専なら満足いただけることは間違いないだろうし、若いイケメンが好きでも満足いただけると思います。

特に枯れ専でマッツ・ミケルセンあたりが好きなら、たぶんジェレミー・アイアンズもいける口だと勝手に思っております。

第四位 ジャンヌ・ダルク

日本では今年に上映された『モンスターハンター』で主演を演じたミラ・ジョヴォヴィッチが悲劇の聖少女ジャンヌ・ダルクを演じた映画です。『レオン』、『フィフス・エレメント』で有名なリュック・ベッソンが監督した映画です。

ジャンヌ・ダルクが神の声を聞いちゃって担ぎ上げられて戦争で勝っちゃってフランス王から疎まれて異端審問で火刑になるまでを描いた作品です。内容的にはフィクションと言われても全然アリなんですけど、ジャンヌ・ダルクは実在の人物でノンフィクションなんですよね…。そりゃ映画なので脚色はあるんですが、大筋は映画の通りなので驚きです。

ジャンヌの村が襲われるシーンや戦争に出撃するシーンなど、アクションシーンが非常に派手で見どころがあります。さすがリュック・ベッソンといったところ。当時のミラ・ジョヴォヴィッチはまだ『バイオハザード』シリーズに出る前なのですが、このときからアクションで体張ってる印象がありました。『フィフス・エレメント』はまだ守られる側のイメージでしたね。

個人的には火刑に処される直前にジャンヌの前に現れた神による問答がお気に入りですね。「お前は『神に続け』と言ったのではなく『私に続け』と言った。」というシーン。ダスティン・ホフマンがここにだけ出てるのですが、とてもいい味出してます。もっともジャンヌが本当にこのような問答をしたのかなどは私たちには知る由もありません。ここは監督の解釈だと思います。リュック・ベッソンはフランス人ですし、他のフランス人もこのように思っているのですかね?

ちなみにジャンヌ・ダルクは異端とする判決が出されたから火刑になったのですが、死後ローマ・カトリック協会で異端判決は無効とされ、なんと聖人に認定されるまでになりました。死して改められるというのは、何とも複雑な気持ちにさせられます。

第三位 レ・ミゼラブル


ヴィクトール・ユゴー作の同名小説の映画化です。こちら多くの人は2012年上映、ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ出演の映画を思い浮かべると思うんですが、個人的には1998年上映、リーアム・ニーソン、ジェフリー・ラッシュ、ユマ・サーマン出演の『レ・ミゼラブル』も捨てがたいです。ミュージカルが好きなら2012年版、シンプルにお芝居を求めるなら1998年の映画を見るとよいと思います。あとは出てる俳優で選ぶとか新しさで選ぶとかですかね。あと映画化されるより前から舞台で何度も上演されている超名作です。日本でもジャン・バルジャンを鹿賀丈史が演じてます。

時代は19世紀。1789年にフランス革命が起こって王朝は一度滅びたのですが、ナポレオン帝政を経て王政復古がフランスでは起こっていました。その王政をまたしてもひっくり返すべく市民による革命が起こった(六月革命)ことが背景になっています。しかし小説ではフランス革命以後のフランスでの歴史などの回想がちょいちょい挟まれるものの、映画としては主人公ジャン・バルジャンがどん底から這い上がり市長まで登り詰めたと思ったら私服警官のジャベールに見つかって逃避行するストーリーのほうがよりフィーチャーされるので、歴史を学んでる感覚はちょっと薄いかもしれません。2012年版だと市民運動の熱量が1998年版よりやや高めに描かれていると感じるので、革命を起こす側の熱量を少しでも感じたいなら2012年版がよいように思います。

私が1998年版も推している理由は私がミュージカルがちょっと苦手なこととヘレナ・ボナム=カーターが2012年版には出ていて、彼女も好きなんだけど出てるとどうしてもコメディ色が強くなるのが物語のイメージに合わないこと、1998年版レ・ミゼラブルのジャベールを演じたジェフリー・ラッシュの最期の演技が最高に光っていることの3つです。とはいえ2012年版も非常によいので、どちらを見ても良いと思います。ヒュー・ジャックマンはもちろん、出てる俳優全員歌がめちゃくちゃうまいです。

第二位 キングダムオブヘブン

十字軍の話です。サラディンが出てくることとラストで獅子王リチャード1世のことが出てくるので、第三回十字軍直前あたりを舞台にしています。

十字軍とだけ言われてもなんのこっちゃわからんという人のためにもうちょっと説明しておくと、エルサレムというキリスト教徒にとってもイスラム教徒にとっても聖地とされる場所があって、そこをキリスト教陣営である十字軍がイスラム教陣営から取り返すためにおこった戦争のことを指します。十字軍はキリスト教陣営から見た呼び名なので、イスラム教陣営だと別の名がある気がするのですが、その名は知らないです…。イスラム教徒にとってはジハード(聖戦)の一つとされているってことは知ってます。

『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出演したオーランド・ブルームが主演です。でも私はオーランド君よりもエルサレム女王を演じたエヴァ・グリーン(『007 カジノ・ロワイヤル』のボンドガール)の方がにおい立つ美人といった感じでとても好きです。監督は『エイリアン』や『グラディエーター』で有名なリドリー・スコット。同じく映画監督のトニー・スコットのお兄ちゃんです。どちらもとても良い映画を作る監督さんです。

この映画で私が好きなのは大砲の狙撃位置を測るシーンです。ここよーく考えてみるとわかるのですが、測量技術が今よりもない時代にどのようにして玉が飛ぶ位置を調整したのかを描いてるんですよ。これ地味に私に刺さります。マニアックなシーンですが、人によっては好きになれるんじゃないでしょうか。あとサラディンがめちゃくちゃカッコいいです。西欧諸国から見るとサラディンは敵役なのですが、イスラム諸国からすると英雄で、その堂々たるや、確かに王の風格があります。十字軍陣営から見てもすごい貫禄で「こんな人格者に勝てるわけないやろ」と思っちゃいます。

あと出てる俳優さんがいいです。『仮面の男』にも出ているジェレミー・アイアンズがこの作品にも出てますが、デイビッド・シューリス(『ハリー・ポッター』シリーズのルーピン先生役)も出てるんです😍デイビッド・シューリス、めちゃめちゃ好き。最高ですね。

補足ですが、なるだけ史実に忠実に描こうとした作品ではあるものの、やはり映画、脚色が多分に含まれます。なので、勉強がてら見るのであれば鑑賞後に歴史書をいくらか参照して補完、修正するのがよいでしょう。

第一位 エリザベス


便宜上、1998年の映画は無印、2007年の映画はゴールデンエイジと呼ぶことにします。無印は、イギリスはテューダー朝最期の女王エリザベス一世の即位からヴァージンクイーンと成り上がるまで、ゴールデンエイジはまさにイギリスの黄金時代、スペインの無敵艦隊アルマダの撃破までを描いた作品です。物理的に強い女性ではなく芯の強い女性として、この映画をはじめて見たとき、いたく感動したことをよく覚えてます。ちなみにエリザベス二世は現在のイギリスのエリザベス女王のことです。急に歴史と現実がつながった気持ちになりませんか?

エリザベス一世はケイト・ブランシェットが、側近のウォルシンガムはジェフリー・ラッシュが演じており、二人ともニ作品続けて同じ役で出ております。そしてこの作品では受賞していませんが、二人ともアカデミー賞受賞俳優です。彼らだけでなく、無印にはジョセフ・ファインズ、ヴァンサン・カッセル、そしてちょい役すぎてほとんど気が付かないんですがダニエル・クレイグ、ゴールデンエイジにはクライブ・オーウェン、エディ・レッドメイン(これもちょい役)など非常に豪華です。なお、この映画より前から有名だった人もいますが、この映画を経てスターになった方もいます。特にケイト・ブランシェット自身この映画で花開いたと言っても過言ではないでしょう。

前提としてエリザベスの生い立ちが過酷すぎます。父親はヘンリー八世で、ヘンリー八世の二番目の妻であるアン・ブーリンが母親です。この母親はヘンリー八世の手で姦通罪と近親相姦の罪をでっち上げられて処刑されてしまいます。なので、エリザベスは自分もいつか母親のように処刑されるのではないかと怯えながら生きていたんです。姉のメアリー一世から幽閉されたりと、いきなり人生ハードモード。ハードっていうか難易度ナイトメアくらいですよね。なのですが、姉のメアリー一世がなくなる前にエリザベスを次期女王に指名して即位することになるのです。それでもまだ生きていけるかわからない。女性で未婚だったため早く世継ぎを産めと様々な人から縁談も寄せられます。でもそれ自体が罠だったり、そもそも若い女性だと侮られていたりと、処刑こそ免れたもののその後も簡単ではなかったわけです。その辺りの話を多分に脚色しつつ描いたのが『エリザベス』です。

個人的にはエリザベスの晩年を描いたゴールデンエイジよりも無印のほうが好きです。ゴールデンエイジもスコットランド女王メアリーとの間でなんやかんやあったり、スペインとの間ですったもんだあったりするんですけど、もうエリザベス自身の地位はある程度確立されたあとの話として描かれてるんで、無印の、まだ周囲がエリザベスのことをどうにでもできると思っている不安定な状況とそれをウォルシンガムががっちり支え守っていく感じが好みです。

また映画としてはとてもおもしろいですが、こちらも多分に脚色されているため、史実の裏取りをするなら別途資料をあたるのがよいでしょう。まぁでもテューダー朝は非常に人気が高く、ヘンリー八世、アン・ブーリン、ブラッディーメアリー、エリザベス一世とコンテンツてんこ盛りなので、資料だと思って読んだものが実はフィクションでしたーみたいなこともあるかもしれません(フィクションでも時代考証しっかりしてるものはあるので、資料になり得るものもあります)。そういう「実際どうだったか知りたいんだけど、どうやって当たればいいの?」って人には以下の動画シリーズがオススメです。

一本一本が若干長い(約30分)ですが、内容はとてもおもしろいです。映画『エリザベス』だけではわからない背景にも多少触れているので、軽く知るのにはちょうどいいと思います。

私は『エリザベス』を見て、高校大学では選択で世界史、イギリス史を選ぶ程度には『エリザベス』にハマったので、ぜひこの映画を見てテューダー朝に沼ってほしいです。(あ、でも私、理系なので専門ではないです💦)

おわりに

というわけで、私が好きな歴史映画の中でも中世ヨーロッパに絞った作品トップ5を紹介しました。時代考証というのは難しく、人によっては史実に新解釈を加えて表現してしまうので、何が事実なのかは別途調べる必要があると思います。ただ、こういう作品を入口にして、好きなものを見出すのもまた作品の素晴らしさなので、細かいことは気にせずまずはじゃんじゃん見てって、自分の興味関心がどこにあるのか探ってほしいです。

好きな歴史映画は他にもあるのですが、それはまた別の機会に紹介しようと思います。

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