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差別とか暴力とか 【摂食障害のお話】 #3



14歳で拒食症になりました。
この先20年も苦しむことになるなんて
思いもしませんでした。

※あくまで私の経験に基づいたエッセイです。
なるべく多くの人に読んでもらえるような文章を心がけていますが、もし読んでいて辛くなったりするようでしたらその時は無理なさらずにお願いします。


幼少期の傷 ①

摂食障害は、しばしば母親との関係が問題視されることが多いようです。
うちの場合は少し違ったかもしれません。


父親という人

この人を一言で表すと
類稀に見る短気な人間。

顔も怖いし、柄もよくない。

どこへ行っても、すぐに大声を出して怒る人です。
そこがお店であれば、店員の対応がなってないとか、頼んだものが来ないとか、すぐに店長を呼びつけます。

道路では、何か起きればすぐに車から降りて怒鳴りつけに行きます。
ちょっとルールを守らなかった車がいると
どこまでも追いかけて行きます。
車から降りて怒鳴り散らします。

私は恥ずかしさとバツが悪い気持ちで、車内で揉め事が終わるのを待ちます。

そんなことが日常茶飯事でしたから、一緒に出かけるのは、あまり好きではありませんでした。


人の意見を聞いてくるくせに、まるで聞かない人。
聞かれるから答えてるのに、思い通りの答えじゃないと途端に機嫌が悪くなります。

じゃあ、聞くなよ。

母親を怒鳴りつけ、私を怒鳴りつけ
時には暴力をふるって、結局は自分の言いなりにする人でした。

雪の中に放り出された話

私が2歳頃の話です。
真冬のベランダに放り投げられたことがあります。
もちろん上着を着てるわけもなく
靴だって履いていません。

裸足で雪の中を歩いて
近所の親戚の家に助けを求めに行くのです。

なぜ2歳の頃の話を書けるのかというと、父親は事あるごとに、この話を笑いながら面白おかしく人に話していたからです。

私にとっては、まるで楽しい話ではないというのに。
その話を聞かされる度に、惨めで恥ずかしい気分になるのでした。


自分が惨めで恥ずかしいんじゃない。
この胸糞わるい出来事を、人様に笑って話すこの人が恥ずかしいのだ。
デリカシーがなく、馬鹿な人だと気づくのは大人になってからでした。

いつからか大嫌いでした。

妹との差別

家の中では、父親はいつも私を叱りつけ
妹と差別をしました。
叱るというよりは、感情的に体罰を与える人でした。
私にだけ。

物心ついた頃、押し入れに閉じ込められたり
外に出されていたのをよく覚えています。

おまえはゴミ捨て場で拾ってきた、ともよく言っていました。

そんなことは、よくある話かもしれないので、冗談かと聞き流ようにしていましたが、普段の仕打ちを考慮すると本当かもしれないと思うようになりました。

叩かれないとわからないのか!


あの男がよく言うセリフです。
思い通りにならないと殴ったり蹴ったり
物を投げつけてきます。

妹にはしません。

新聞紙で叩かれるのはまだいい。
ティッシュの箱も痛くない。
リモコンは怖い。
げんこつはまだいい。
蹴られるのは痛かった。


ビール瓶を振りかざされ、もう今回は駄目かと思った時、普段は見て見ぬふりの母親が、さすがに止めてくれたということがありました。


本気で血が繋がってないんじゃないかと思って
母親に尋ねたことがあります。

母はこう答えます。

本当の父親なのにおかしい。
同じ娘なのに2人への態度が違いすぎて
不思議だよ。
良くないと思ってる。
けれど、あまり言うとまた怒るから言えないと。

どうやらこの男が父親なことに間違いはないらしい。

あからさまな差別があったので、頭ではわかってはいたけれど、母親の口から、自分が差別されていると聞かされるのはショックだったのを覚えています。


「なんで私だけ」
「なんで私だけがこんな目に」


痛くて泣いたことは1度もありません。

泣くもんか
こいつの前で涙なんて流すもんか

それでも堪えきれずに溢れたものは
あれらは全て悔し涙です。

泣くもんか。

          ✴︎

このような話を書けるようになったのは
過去のことにできたからです。
その心が病を打ち消したと思っています。

少し長くなったので
続きはまたにしますね。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

        ✴︎

摂食障害は、単に痩せ願望とか誤解されがちですが違います。
原因はもっと深いところにあります。
食べ方とかいう単純な話ではありません。
時には死につながる病です。

渦中にいる方やサポートする方へ。
少しでもこの厄介な病への理解を深めたり
立ち向かう希望を持っていただけたら。
治す糸口になればと、そんな想いで綴ります。


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