見出し画像

いいなり【摂食障害のお話】 #4


摂食障害になる人の多くは
幼少期に受けた心の傷や寂しさを持っているといいます。


前回の話はこちら。


幼少期の傷②

アダルトチルドレン


そのような言葉は当時知りませんでしたから、気づくのは大人になってからです。

アダルトチルドレン(英: adult children)とは、

・親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人。「adult children of alcoholics」の略語。

・親や社会による虐待や家族の不仲、感情抑圧などの見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人。「adult children of dysfunctional family」
機能不全家族の下で育ったことが原因で(大人になっても)深いトラウマ(外傷体験)を持つという考え方、現象、または人(大人)のこと。
Wikipedia

父親はアルコール依存症でした。

何もフラッフラに酔っ払ったり、手が震えるのが依存症ではありません。

飲んでるうちに、いつのまにかアルコールの量が増えていくのは良くある話で、そのうちに依存性と耐性が上がっていくので、気づいた時には自分の意思ではやめられません。

これは否認の病と言われています。
否認とは、自分が依存症とは認めないこと。

とても厄介なこの病。
詳しくはまた別の機会にお話ししようと思います。

小学生の頃の記憶

何故か、その男は仕事に行ってるはずなのに、平日の昼間にちょこちょこと家に戻ってくるのでした。
学校から帰って家にいる私は、車のエンジン音がするたびドキっとします。

玄関のドアが勢いよく開けられ、ドタドタと足音を立てて入ってきます。
木造の一戸建ては、あの男の歩く振動や声を
2階の部屋にまでよく伝えました。

居間から大声で呼びつけられます。
それはとても大きな声なので、ドアが2つ隔てているというのによく聞こえてきます。

何事かと思うくらい怒鳴りつけられるので、慌てて降りて行くと、部屋が散らかっているだとか、食器を洗えと言いつけられるのでした。
私は黙ってその通りのことをしました。

友達が遊びに来ていてもお構いなしです。  
怒鳴りつけられるので、友達を部屋に待たせておいて、私は居間の片付けや食器洗いをしました。

友達の前で、怒られたり殴られたりしてる自分がみっともなくて、皿洗いをしてる自分が恥ずかしくて、そんなことを見せつけてくる父親が嫌でした。

憎しみは募れど
力では敵わない相手です。
まだ小学生だったので
その家から出て生きていくことも出来ません。

うかつに家出などしたら、戻った時に何をされるかわからないし、家にいれてもらえるかもわからないので、下手なことは出来ませんでした。

帰る家があるのは愛されてる証拠じゃないでしょうか。
家出したとか言ってる友達を、それは家出ごっこだよって、口には出さないけど思ってた。

その頃できた精一杯の反抗

私は、家の中に落書きをしました。

部屋の壁の下の方。

大人は、なかなか見つけられない場所。
でも、もしかしたら発見されるかもしれない場所を選んで。

“おとうさんだいきらい〟


もし見つかったら
また自分が痛い目にあうというのに。

精一杯の反抗でした。
その頃できた精一杯。


      ✴︎

何も私の意見は通りません。

どうしたいか聞いてくるくせに
何も聞いてはくれません。

だんだんと自主性は奪われ
意思をなくしていくのでした。

どうせ言っても無駄。

現在も、そんな風なところは残っています。
何かをしたいとか決めたいとかはないです。

休日の予定も旅行のスケジュールも
決めたい人が決めてくれて、それに従うだけです。

やりたいのに出来ないとかじゃないので
苦ではありません。

ただそういう性格の人になった、という感じです。


         ✴︎


摂食障害は、単に痩せ願望とか誤解されがちですが違います。
原因はもっと深いところにあります。
食べ方とかいう単純な話ではありません。
時には死につながる病です。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?