病気だと気づかなかった拒食のはじまり 【摂食障害のお話】#1
14歳で拒食症になりました。
この先20年も苦しむことになるなんて
思いもしませんでした。
原因は心の中に
この病は食べないとか食べ過ぎるとかいう
単純な問題ではありません。
心の傷や痛みが、摂食障害という症状として現れたということではないでしょうか。
とてもしっくり来ます。
ダイエットは単なるきっかけに過ぎません。
たとえば、鼻水が出るとか咳が出るとか熱が出るとか沢山あるけど、これは風邪の症状なんですね。
摂食障害の症状の根本の原因は
心の中にあります。
※あくまで私の経験に基づいたエッセイです。
なるべく多くの人に読んでもらえるような文章を心がけていますが、もし読んでいて辛くなったりするようでしたらその時は無理なさらずにお願いします。
拒食になるのは簡単でした。
話は中学生の頃にさかのぼります。
ふつうの標準体型の女の子でした。
強いて言うなら、体重のわりには足が太くて
それを気にしてたかなぁと思います。
よくメジャーで太ももやふくらはぎを計ったりしてましたね。笑。
今となっては、どうでもいい話なんですけど。
1990年代。
当時、芸能人やモデルさんは今より痩せてる人が多かったように思います。
雑誌やテレビでも様々なダイエット方法が取り上げられていました。
りんごダイエット、ゆで卵ダイエット、炭水化物抜きダイエットにタイミングダイエットなど…。
だから、ちょっと試してみようかなという軽い気持ちでやってみたりしたものです。
それは特に珍しいことではなく、そんな風にダイエットを始める女の子なんて、沢山いるよなぁという感じの。
で、当たり前なんですが初めは簡単に体重が減るんです。
少しだけ細くなった腕や脚、なんだか可愛くなれた気がしました。
おもしろくて色々なダイエットをするうちに
ダイエットの基本や食べ物のカロリーは頭に叩き込まれていきます。
食べる順番はスープや野菜から。
揚げ物は衣を外して、炭水化物は少しだけ。
お肉は揚げるより焼いたもの。
焼くよりは茹でたもの。
お菓子は量を決めて少しだけ。
高カロリーなものは控えて、きのこやこんにゃく、野菜を沢山食べるようになりました。
ご飯やパン、ラーメンやうどん、トンカツ、ハンバーグ、コロッケ、ポテトサラダなどは敬遠するようになっていきました。
食べられないものが増えていきます。
個人差があるので人それぞれではありますが
摂食障害に苦しむ人は、このおかしなマイルールに支配されていきます。
食べて許せる量は次第に減っていき
100g食べてたご飯は50gに。
うどんは10本だけ、油は取らないとか…。
給食で食べるご飯もほんの少しだけ。
家で食べるご飯は、計りで計るという徹底ぶりでした。
脳内麻薬のせいだった?
当たり前にどんどん体重は落ちていきます。
体重をコントロール出来てるという快感。
それはもう、どんどんエスカレートしていくんですね。
空腹感も気持ち良い。
ランナーズハイに似た感覚です。
マラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、脳内でそのストレスを軽減するためにβ-エンドルフィンが分泌され、やがて快感や陶酔感を覚えるという、あれです。
飢餓感を麻痺させるためにβ-エンドルフィンが分泌されていたのです。
モルヒネと同じような作用をする物質です。
なんとモルヒネの数倍の鎮痛効果があります。
44kgあった体重。
ヘルスメーターの針が 37kgを指すようになるまでに、そう時間はかかりませんでした。
数ヶ月〜半年なかったと思います。
もともと標準体型でしたから、減量が軌道に乗った頃には、当然月経は来なくなりました。
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補足になりますが
2006年、21才でこの世を去った“痩せすぎモデル”がいます。彼女の死は、ファッション界に問題意識を投げかけ、「痩せすぎモデル」雇用を禁じる法律もできました。
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最後まで読んでくださりありがとうございます。
渦中にいる方やサポートする方へ。
少しでもこの厄介な病の理解を深めたり
立ち向かう希望を持っていただけたら。
治す糸口になればと、そんな想いで綴ります。
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