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鬼滅の刃が流行る世界は優しい

映画「鬼滅の刃」を見た。
執筆中、LISAさんの「炎」をリピートしていて、最高すぎる歌を劇場で聞きたいと思ったのと、どうせ生きているなら、流行りにはできるかぎり触れたい。
流行るものには流行る理由があり、流行っているものには、絶対に飛びぬけて素晴らしい部分がある。
だからTwitterでバスったレシピは作るし、流行っている映画は絶対に見に行く。
予習でアニメを3話まで見ただけの、ほぼ初見の状態で、映画館に行った。
正直、あまりはまれなかったらどうしようと不安に思っていたけど、杞憂だった。
序盤から圧倒されて、開始三十分経った頃には、涙が溢れてマスクがべちゃべちゃになり、「そりゃ流行るわ」と頷いていた。
まず映像美が素晴らしかったし、夢の残酷さに心が震え、初見にもかかわらず、バトルシーンも本気で応援しまうくらい最高だった。諦めない力が、ほんとうの気持ちだけが、ひとの心を動かすのだと思った。

ひとに悪く言われたとき、「優しくしていたのにどうして」と、思ってしまうときがある。

でもほんとうに優しいひとは、優しさを、すこしも押しつけたりしない。
そして相手に、「優しいひとでいる」ことを、求めない。
弱さも、恐怖も、わがままも、醜く、穢い心でさえも、それ以上の優しさで包みこむ。
そういう、表面じゃない、ほんものの優しさで包まれたとき、ひとは涙がこぼれる。
自分も、やさしくなりたい、と思う。
炭治郎はいつも、ひとのために生きていて、ひとのことを思って悔やみ、よろこび、悲しみ、強くなる修行をして、逃げ遅れたひとりを助けるためなら、たとえ死と隣り合わせでも、一秒だって躊躇しない。自分がそのひとりだったとしたら、どれほど感謝するだろう。

こんな私でもいつか、だれかのために生き、そして、だれかの心を救う小説を書けるだろうか。
すぐには無理でも、成し遂げられなくても、きっと書く努力はできる。
「鬼滅の刃」は、自分を信じる心を思い出させてくれた。
真っ暗闇だった心を、やさしく、あたたかい炎で、燃やしてくれた。

この作品が流行る世界は、きっと美しくて、それがうれしいと思った。

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「一番弱い人間が一番可能性を持っているんだ」

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