きむらやすえ

くだらないことで笑っている時間がたまらなく好きです。 何気なくて、なんでもない、だけど…

きむらやすえ

くだらないことで笑っている時間がたまらなく好きです。 何気なくて、なんでもない、だけど、ふりかえった時に大切に思える。 そんな、なんとなくパシャっと撮った写真のような、今の思いを書き残しておこうと思います。

最近の記事

なんのために書き、何のために、読むのか。

誠実さだけじゃ、飯は食えない。 きっと、そうだと思う。 誠実な仕事をしたいなんて、理想論かもしれない。 春以降、物理的に外に出る機会が減り、人と会うことも少なくなった。 今年1年を振り返ってみても、 記憶は全部、白い壁に囲まれた狭い部屋の中での出来事ばかり。 思い出の風景が、ここまで変わらないことなんて、人生でなかなか無いことかもしれない。 そうなるとつい、スマホを眺める時間が長くなる。 何か新しい発見は無いか。 何か、希望の持てる情報はないか。 刺激を求めて、インターネ

    • 「素敵」かどうかを決めるのは、あなたじゃないのよ。

      「本日はとっても素敵なゲストにお越しいただきました!!」 コミュニティFMでディレクターを始めたばかりのころ、番組をたくさんの人に聞いてもらおうと、ブログを書くことに力を入れていた。 すると、パーソナリティの女性にこう指摘された。 「素敵かどうかを決めるのは、あなたじゃないのよ。素敵って言葉、私の番組のブログには使わないで」と。 驚いた。当時20代半ばのわたし、恥ずかしながらそんなことを真剣に考えたことはなかった。 おそらく母よりも先輩であろうその女性に「それは、な

      • たとえ今死んだとしても、後悔はないけれど

        「バケットリストを書いてみましょうか」 月に一度集まる仲間内の勉強会。 机に向かってガリガリ学ぶというよりも、 ひとつのテーマについて、そのことについて考えて、それを共有する。 同じ組織の中だと片意地張ってしまうようなことでも、利害関係のない相手との価値観や意見の違いは、素直にすんなり受け入れやすい。 「人って、こんなに違うんだ」 そんな気持ちを持ち帰って、 翌日の職場では、他の人の意見に耳を傾ける。 前回、課題図書になった本の中で、 映画『最高の人生の見つけ方』の

        • 夏の終わりに

          「時間があると、そんなこともできるんだね」 電話越しに、母がしみじみと言った。 上京して6年。 ようやく、時間にも余裕ができて、 食べるには困らないくらいのお金の余裕も持てるようになった。 ほんと30代前半は、 「なんの修行だったんだろうか……」 と思うくらい、いろんなことがあった。 おそらく、肩にずいぶん力が入っていたんだろう。 何か結果を出さなきゃ。 何かできるようにならなきゃ。 何か人に喜んでもらえることをしなきゃ。 何か、、 わからないけど、このままじゃ、だめ

        なんのために書き、何のために、読むのか。

          狭めてみたら解放感

          しばらく、何をしたいかも、何をするかも、自由に決められる時間があった。 せっかくだから、何をしたいかじっくり考えてみよう。 せっかくだから学ぶ時間にしよう。 せっかくだから、いろんな人に会ってみよう。 そんな風に思ったけど、一見、楽しそうに思えたこの「自由」が、なかなか厄介なものだった。 今日何をするかも、これから先、数ヶ月後、1年後、5年後、10年後。 すべての予定がリセットされ、今決めていいと言われると、何をしたいか、何も浮かびやしなかった。 それよりも、全部を一から

          狭めてみたら解放感

          何に影響を受けるかは、自分が決めている。

          誘ってもらった勉強会。 初対面の人たちと、これまでの人生のライフラインチャートを使いながら自己紹介。 今の業種も、バックグラウンドも、まったくバラバラな人たち。 男女や年齢、家族構成とかも、それぞれ違う。 話を聞いてみると、環境が違うから、ではなく、価値基準が人によって、まったく違う。 何を嬉しいと思うのか。 何をもって成功と思うのか。 環境を変えようと思うきっかけ。 耐えられないこと、許せないこと。 似たような体験をしても、 それを、自分の人生においてどんな位置付け

          何に影響を受けるかは、自分が決めている。

          35歳、『町田くんの世界』を観る。

          なんとなく、中高生が観そうな映画を観に行くのは、ちょっと恥ずかしい。 35歳がひとりで、しかもポップコーンを片手に。 『町田くんの世界』も、初恋がテーマだから、なんとなく自分とは違うかなと思ってた。 だけど、映画館の宣伝でエンドレスに流れる平井堅のテーマ曲が気になって。 平井堅のライブに行ったら、 「47歳、頑張って最大級のかわいいを表現しました! 劇場でぜひ」って言ってて、 そうか、劇場に行こう。みたいに思って。 映画館は想像どおり、お友達同士の高校生とか、若いカップ

          35歳、『町田くんの世界』を観る。

          もしも、なんて考えることに、意味があるとすれば。

          今年に入ってから、誰かの訃報を目にすることが続いている。 また会いたいと思っていたあの人だったり、 大切な人の大切な人だったり。 自分の直接のつながりもあれば、知っている人の知っている人、だったりもする。 いずれにしても共通しているのは「突然の」ということだ。 もちろん「死」は予期せぬ場合が多い。 「死」は訪れるのがいつごろかなんて、わかっていることなんてほとんどないだろう。 あまりに若すぎる、あまりにさみしすぎる突然の別れ。 そんな報せを目にして、心に浮かぶことがある

          もしも、なんて考えることに、意味があるとすれば。

          どうしても、忘れられない人のことを、今日もまたこうして、考えている。

          もうこんな時間だ、と思ってシャワーを浴びているとき。 今日くらいいいよね、と思ってビールを飲んでいるとき。 ふとした時に、突然思い出す。 なんのきっかけもなく、唐突に。 そして、結局まだ、消化しきれていないことに、ちょっとだけ困惑する。 忘れられるわけがない。 消化できるわけもない。 何年経ったって、どんな経験したって、忘れられるわけがない。 マンゴーの種を、まるごと飲み込んで死んでしまったという、彼女のことを。 もう何年も前のことだ。 当時わたしはフィリピンに暮ら

          どうしても、忘れられない人のことを、今日もまたこうして、考えている。

          アイスクリームって、やっぱり、おいしいよね。小説『あなたの人生、片づけます』を読んで。

          アイスクリームを「やっぱりおいしい」って思えた時、きっと人は元気なんだろうなって思う。 生きていれば、思いもよらないことが起こることはしょっちゅうあるし、余計なことを言って、意図せず誰かを傷付けてしまうこともある。 きっと、「今日は絶好調だ!!!」なんて日は、あとから数えてみたら、少ないのかもしれない。 だけど、前向きな時は、気持ちも元気だし、体中にエネルギーも満ちているから、きっと記憶には残りやすい。 そんな記憶が、「今日はしんどいな」って日の、助けになってくれる。 過去の

          アイスクリームって、やっぱり、おいしいよね。小説『あなたの人生、片づけます』を読んで。

          あたまの中を、まるっと入れ替えてみる。

          去年、仕事を辞めて、なんだかいろんなことを考える時間ができた。 当時はあたりまえに思っていたことなのに、時間が経つと、違和感を覚えることもある。 組織の中にいる時、違和感を覚えることは時に危険だ。 それが、より良くしていくために、現状と未来の間に生まれる違和感なのであれば、問題はない。どんどん向き合って、言語化して、行動に移していくといいと思う。 だけど、もし、それが、組織と、本当は思っていること、との間に生まれた違和感なのであれば、ちょっと厄介だ。 自分の気持ちを聞いて

          あたまの中を、まるっと入れ替えてみる。

          横断歩道で出会ったおばあちゃんから学んだ「返報性の原理」

          「すみません、ここに行きたいんだけど、わかるかしら?」 人で混み合う池袋の横断歩道。 チラシを配ったり、勧誘したり、いろんな人が多いから、普段は、声をかけられてもあまり反応しない。 だけど、その日声をかけてきたのは、おばあちゃん。 大きな文字が表示されるスマートフォンを握りしめ、その画面には地図が表示されている。 見てみると、ここから随分近い。 「えっと、ちょっと待ってくださいね」 そう言いながら頭の中に必死で地図を描く。 あのお店はたしか閉店したはずじゃ…… で

          横断歩道で出会ったおばあちゃんから学んだ「返報性の原理」

          人生で一番難しくて、わからなくて、だけどどうしても答えを知りたい宿題のこと。

          「あけましておめでとうございまーす」 ケラケラ笑いながら、そう言っている人がいた。 目が覚めた瞬間、思わず目に涙が滲んだ。 どうして、夢に。 いつもと変わらないように、高い声でケラケラ笑っていたその人は、 少し前に亡くなった先輩だった。 わたしにとって、 人生最大の難問を残していった人。 宿題の答えを教えてくれないうちに、いなくなってしまった人。 彼女に聞かれた質問のその答えを、 何年経っても、わたしは探し続けている。 「こうだろうか?」と思っては、 「いや、そうじゃ

          人生で一番難しくて、わからなくて、だけどどうしても答えを知りたい宿題のこと。