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私が手がけた本〜『ほどほどの医療でいこう』

私が編集者として手がけた本を紹介します。

最初はこれ、『「ほどほどの医療」でいこう 日本の医療の持続可能性を考える』です。

医療の「サステナビリティ」(持続可能性)がテーマです。

今の日本の医療は、すばらしく恵まれています。医師や医療関係者のレベルは高く、真面目な人が長時間よく働いてくれています。なにより「国民皆保険かいほけん」制度があるため、患者さんの自己負担は3割以下です。

アメリカのような国では、保険は自己責任であり、お金持ちばかりがよい医療にかかれます。極端にいえば「貧乏人は医者にかかれない」という状況になりがちです。

その点、日本では「国民皆保険」、つまりみんなが必ず保険に加入できるように制度がととのえられています。そのため、たとえば5000円かかるような治療・投薬を受けても、自己負担額は1500円で済むといったメリットがあります。

ただし、残りの額は保険組合や公費、税金などで埋めることになります。そこがデメリットで、みんなが「安くて使いやすい」ばかりに医療が過剰になり、公費負担がどんどん増えてしまうのです。この「医療の公費負担」が国の財政を大きく圧迫しています。

これでは、日本の医療は持続できません。ではどうするか、というところを医師の北口先生が具体的に、ていねいに、説明してくれています。大きく分けると、延命治療を中心にした、高齢の方の医療について削減案を出すのと、日本全体の制度改革について提言をされています。

医療の現場に40年近くいらっしゃる北口先生の提案は、社会的にも、人間的に見てもリアリティにあふれたものです。もちろん、この本に書かれていることだけが「正解」ということはないでしょう。こういう本をきっかけに、いろいろな議論や意見、現場の声が集まるといいなと私も思います。


この本は、医師の北口勝司さんと私の共著です。全体の8〜9割は北口先生が書いた本なので、私が共著で名前を載せるのはおこがましいのですが…

実は、北口先生は現役の医師としてご多忙であるため、本にしたい内容をまとめて出していただいたあとで、一般向けの読みやすい文章に私がととのえていった、という経緯があります。そのため、文体は私が作ったと言えるので、結局「共著」という形になりました。少しはずかしいですね…(共著というと50%書いていそうに見えるので)。

この本には、考えさせられるエピソードも紹介されており、また別の機会にそんなこともご紹介したいと思います。


出版にご興味のある方はお気軽にお声がけください。



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