2014 12/24 OPEN
出店の勉強をして、工事して、そんな二ヶ月が過ぎました。
秋だった季節もすっかり冬です。
気づくと準備期間中に何と10kgも痩せてしまいました。ちゃんと食べていたのに・・・
今思うとやっぱり大きなストレスを感じていたんだと思います。
2004年12月、僕の最初のお店「noan」が完成しました。
17日に保健所の審査が通って、24日、年も押し迫っての開店となりました。
壁の漆喰は始めと終わりで手際がだいぶ違いますが、なかなか味のある出来になりました。
インテリアは気に入ったものを探しに古道具やなどをたくさん回り、まずまずのものが揃えられました。
都会的なピカピカのサロンではありませんが、僕なりに満足のいく仕上がりを合計100万の予算で作りました。
12月24日。クリスマスイブの開店でした。
その日はほとんど一日中椅子に座っているだけでした。お客様は今の奥さん、当時の彼女一人きり。
不安いっぱいのスタートでした。
前にいたお店のお客様の少数の方にはDM(ダイレクトメール)で(こっそり)お知らせしましたが、それ以外はただ座って待つ事にしました。
それには訳があります。
今まで働かせてもらっていたお店は、店の力(立地、広告、内外装等)で、お客さんがたくさんきてくれていました。
そのようなお店で指名していただいても、それは僕の力なのか、お店の力なのかはよくわからなかったのです。
純粋に自分の力のみでどこまでやれるのかを知りたくなってしまったんです。
ダメだったまたどこかで雇われればいいかなって本気で思っていました。
今だったら絶っっっ対にそんな無茶な事はしないですが・・・・。
当然、オープンしてから店で座っているだけの日々が続きました。
お店の前を通る人はやはり少なくて、犬の散歩の方や、買い物で通り過ぎる、往来の顔ぶれを数えていられるほどです。
仕方がないから本でも読んで勉強しようと、その時流行っていたお金に関する啓発本を手に取ったりもしました。
つまらなすぎて、少し読んだだけで放り出し、本棚の肥やしにしてしまいましたが。
それでも友達や、前の店のお客さんがチラホラ来てくれます。
そのうちに「ここやってるの?」と近所の方が何人か扉を開けてくれるようになりました。
そうして開店3ヶ月後には収支がなんとか黒字になりました。
僕の店はお話しした通り、坂の上。
丘の上にある住宅街の中ですから、駅前の大通りのように人通りがあるはずはありません。
ですが逆に丘の上にお住いの方にとっては、坂を下りて電車に乗って行かずとも気軽に利用できる美容室に利便性があったのかもしれません。
結果的にはショージさんの友達、ユキコさんの言う通りにして良かったということでしょう。
「チャンスがあったらやってみろ」
その後ユキコさんに会う機会もありましたが、僕に何を言ったのかなんて全然覚えてらっしゃらないご様子。
僕にとっては結構人生を変える一言だったのですが・・・
案外そんなものですよね。
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