風邪声

風邪を引いてしんどかったので、「あま病」の風邪対策をメモしてみた #健康 #子供

突然ですが、今月2回も風邪を引きました。

タイ旅行から帰ってきて、真冬の寒さとのギャップで風邪を引いたと思っていました。のですが、南極では風邪を引かないとのこと。

南極から中継された特別番組がNHKで放送された直後だった。そのテレビを見て感心した、とおっしゃった。「南極では風邪をひかないんですね。寒くても、外部から風邪のウイルスがやってくることがないから、風邪にかからないんです。咳が出たりすることはあっても、風邪にはなりません」とかなんとか。
 おぉ、そうだったのか。当然と言えば当然のことなのだが、目から鱗。この話はとても大事なことを教えてくれる。風邪をひきおこすウイルスにさらされることがなければ、どんなに寒くても風邪をひくことは決してないのである。もちろん寒すぎて死ぬことはあります、念のため。
第23回 風邪の対策、これで万全!(かも)|(あまり)病気をしない暮らし|コラム | 住ムフムラボ

振り返ると、僕自身は風邪はあまり引いたことがなかったのですが、子供と生活するようになってからは風邪を引く頻度が激増しました。

ちょうど風邪を引いているときに、たまたまTwitterで目に止まったこの本を一気読み。

プロフェッショナルは風邪引かない」的な言説に納得できない僕にも、この本の話には頷けるポイントばかり。おすすめの意味も込めて記事を残すことにします。

研究に基づく本は、「やるべきこと」だけでなく「やっても意味ないこと」も書かれているので、実践的で納得感があります。

なお、この本はWebコラムを編集したもので、風邪の話は以下のページで読めます。
第23回 風邪の対策、これで万全!(かも)|(あまり)病気をしない暮らし|コラム | 住ムフムラボ

今回は、この風邪コラムをメインに、風邪に関するメモしておきたいことを紹介します。

冒頭長くなりましたが、この記事の結論は、こんな感じです。

風邪対策まとめ
◆前提
200以上も原因菌がある風邪を、完全にはブロックできない
◆風邪予防のために
有効なのは、睡眠不足とストレス回避、運動、15秒以上の手洗い、顔を手で触らないこと。疲れやサプリ、アルコール消毒も風邪には効果がない
◆風邪を早く治す方法は・・・
ない。優しいお医者さんがいれば、話をきいてもらいましょう。

ウイルス対策というよりも、免疫力低下の回避と、流入経路への対処が重要なようです。

それでは、もう少し詳しく紹介します。

風邪とは?

冒頭で引用した南極の話のとおり、風邪はウイルスによって引き起こされます

そして、風邪の原因ウイルスは200種類もあり、「風邪」とひとことで言っても、毎回の症状・ウイルスは違います。

200種類もあるウイルスのうちどれかに感染して風邪をひくと、そのウイルスに対して免疫ができる。しかし、原因ウイルスは総数200種類もある。ひいてもひいても、別の種類のウイルスによる風邪をひく可能性があるということなのだ。
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で、ウイルスにかかるたびに耐性ができていきます。

少し意外かもしれないが、統計的には、歳をとればとるほど、風邪に罹りにくくなることが知られている。これは、いろいろな種類のウイルスの風邪に罹って、それらのウイルスに免疫ができていくためと考えられている。
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しかし、風邪の研究は、理由があって、あまり進んでいないとのこと。

残念ながら、風邪についての研究はあまり進んでいない。大きな理由は、放っておいても数日たてば治るということ、そして、原因ウイルスがたくさんあるので研究が難しいということ。
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しかし、研究は進みにくくても、一生のうち、風邪に関わらない人はいないはず。

特に、家族や関係者が多くなるほど、風邪のことを知るメリットは大きいと思い、メモを残します。

(あまり)風邪になりやすい人、なりにくい人

「多くのウイルスを、完全に防御/退治するのは無理...。」という中でも、いくつか風邪になりにくくする要因はあるようです。

睡眠不足や、慢性ストレス、運動に加え、地位が高いと思っている人、対人関係の豊かな人は、風邪になりにくいとのこと。

一方、疲労が関係ないというのは意外でした。サプリも無駄らしいです。

睡眠不足や慢性的なストレスがあると風邪をひきやすい、ということが知られている。あたりまえやろ、と思われるかもしれないが、意外にも疲労は関係ないらしい。風邪でも、他の多くのことと同じように、タバコは悪玉だし、適度な運動は善玉だ。ちなみに、サプリメントで風邪を予防することはできない、という研究成果はしっかり頭にいれておきたい。ムダな投資と抵抗はやめましょう。
 おもしろいのは、社会的地位が高いかどうか、ではなく、地位が高いと思っている人はひきにくいという結果があること。もうひとつ、これも理由はわからないが、社会的ネットワークが広い人、対人関係の豊かな人も風邪をひきにくいということ。付き合いが多ければひきやすそうな気がするが、逆らしい。不思議なことです。
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風邪対策には経路を断つ「手洗い」

各ウイルスへの耐性を作るのは難しいですが、侵入経路を断つ方法は有効です。

風邪のメインの流入経路は「手→口や喉」なので、ベタですが手洗いは一番効果的です。また、マスクに風邪の予防効果は期待できないようです。

こういったことが影響するとはいえ、風邪をひくには、ウイルスに感染せねばならん。そう、それが絶対的必要条件である。ということは、逆に考えたら、ウイルスにさらされなかったら風邪を引かない、ということになる。では、どうすればいいか。
 ウイルスの侵入部位は、上気道、すなわち口や喉だ。そこへウイルスが来るのは、飛沫か接触である。キスもあるんちゃうか、という意見もありそうな気がするが、風邪をひいてる人とキスをするような輩は少ないやろう、ということで却下。風邪の主要症状に咳があるのでなんとなく飛沫によると考えがちだが、むしろ接触の方がメインではないかと考えられている。もちろん飛沫もありえるのだが、よほど濃厚な接触の場合だけらしい。だから、マスクはあまり予防に役立たない。
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しかも、15秒~20秒洗わないとウイルスは取れません。そして、「手で顔を触らない」という方法も効果的だそう(とかタイプしながら、頭をかいている自分に気づきました)。

なので、重要なのは手洗いだ。外から帰ったら、あるいは、屋内でも、風邪の人が触ったような場所を触れた後には、しっかり手洗い。普通の石鹸でいいけれど、指や手のひらといった部位それぞれを15秒~20秒は洗わないとウイルスは落ちないのでいささかやっかいだ。しかし、そこまで完全にやらなくとも、できるだけ手洗いするのが望ましい。手で顔をできるだけ触らなくするだけでも効果がある。ただ、これは、ほとんどの人が無意識にやっているので、なかなか難しい。
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そして、アルコール消毒は風邪にあまり効果がないそう。

 アルコール消毒剤はインフルエンザウイルスを含む一部のウイルスには効果があるが、風邪のウイルスには一般的にあまり効かない。家族に風邪ひきが出たときには、家の中で手を触れがちな場所を清潔にするだけでリスクを下げることができる。とか、知っておいたほうがお得です。
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風邪になったら・・・

とはいっても、幼児は問答無用で手を親の口に突っ込んできます

笑顔で手に持った食べ物を分けてくれるとき、(少なくとも僕は)断れません。ウイルスと嬉しさを一緒に飲み込みます。

もちろん、ウイルスは侵入するので、風邪は避けられません。

そして、風邪を引いたら、早く治す方法もありません。薬で諸症状を抑えることはできますが、風邪が治るのは早められません。

いくら気をつけても、風邪をひくときはひく。感染してしまったらどうしたらいいか。一日も早く治りたいのが人情である。では、風邪を治す方法があるのか、というと、ない。身も蓋もない言い方だが、ないものはない。仕方がありません。
第23回 風邪の対策、これで万全!(かも)|(あまり)病気をしない暮らし|コラム | 住ムフムラボ

しかし、「お医者さんに共感してもらう」という嘘のような短縮方法はあるそうです。

なんかないんか、責任者出てこい!と言う人がいるかもしれない。ちょっと落ち着いてください。それがひとつだけ、有効な方法があるんです。副作用もなく、風邪が一日早く治るという夢のような方法が。
 それは、お医者さんに誠意をもって共感してもらう、ということであります。驚くべきことに、心からの同情を持ってお医者さんにやさしくしてもらえれば一日早く治るというのだ。それも、何度もしてもらう必要はなくて、一度だけで効果があるらしい。ホンマですか、と言いたくなるような話なのだが、2009年に「治療者の共感と感冒の期間」というタイトルで、ちゃんとした学術雑誌に紹介されている。
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論文を探してみると2009年の実験で0.9日ほどの短縮追試では1.1日ほど違いが出たらしく、嘘のようなホントのお話のようです。

そして、以下は別の記事ですが、治りを早くできなくとも、遅らせてしまうことはできそうなので、またまたベタですが、我慢せずに休むのがよさそうです。

仕事といったストレスに直面すると、これらの免疫反応が抑えられるので、症状が一時的に緩和したように感じられるのです。
しかしその代償として、免疫反応が抑えられて、風邪はかえって治りにくくなります。言わば、「免疫力の落ちた高齢者が風邪をひくと、症状は出にくい代わりに長期化・悪化しやすい」のと同じような現象が生じているのです。どうりで仕事が一段落した途端、風邪がぶり返すわけです(熱が出て倦怠感が募って……という反応は、つらい症状ではありますが、免疫が活発化している証ですので良い兆候でもあるのですが)。
【おうばく心理室コラム/2018年8月】「風邪をひくのは気の緩み!? ~病は気からの科学」

まとめ

冒頭に既にまとめは書きましたが、この本を読んでから、完全に防げないことを前提に、睡眠、運動、ストレス対処と、手洗いを15秒以上やるようにしています。

子供と洗面所で15秒数えながら、手を洗っています。

で、風邪を引いたら無駄にあがかずに休みます。

風邪をひいたら「休むが勝ち」
 さて、まとめに入ります。風邪をひかないためには、ウイルスに接触しなければいい。とはいうものの、季節になれば、人の集まるところ、多かれ少なかれウイルスがあるはずだ。まったく出歩かなければいいのかもしれないが、そういうわけにもいかないし、家族が持ち込んでくるかもしれない。だから、できるだけ体の中に入れないようにする。それには手洗いがいちばん大事。
 普段から、対人関係をたくさん持つようにしておく。しっかり睡眠をとって、適度な運動をして、慢性的なストレスをため込まないようにしておく。すなわち、日常的に健康的ないい人を目指していればいいのであります。というても、なかなか難しそうですが。
 それでも風邪をひいたら、どうせ何日かたったら治るのだし、治療法はないのだからとあきらめて、ゆったりとした気持ちで休むこと。できたら、とってもいいお医者さんを受診して共感してもらいましょう。
 なんかもう、当たり前すぎてスミマセン。まず、風邪はひかないようにする。それでもひいたら、無理をして仕事に出ず、ゆっくりするのがいちばんということですわ。そうしたら、職場や学校で同僚にうつすこともないのだから集団にとってもありがたい。いつも思いますけど、日本人は働き過ぎとちゃいますか。風邪をひいた、あるいは、風邪をひいたと思った時くらい、ラッキー、ゆっくり休めるわ、と思って一日中寝ていてもバチはあたりませんで。
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ここまでの引用文から明らかですが、この著者の書き口はクセが強いです。

書籍ではこのトーンで、がんやDNA、代替治療から、ダイエットの話まで、色々な研究結果を紹介しています。

はじめにも書きましたが「効果がないこと」(=やめて良いこと)にも触れられているので、非常に実践的です。

著者は、今ノーベル賞受賞で話題の本庶先生の門下だった方だそうで、当時の思い出や、研究についての考え方なども書かれており、エンタメとしても面白いですよ。

本はこちら。

風邪に困ってる方は、webコラムだけでも読むと面白いと思います。

賢い人達が積み上げてきた研究成果を突きつけられると、風邪を気合いでごまかすのではなく、結局はベタな対策と、風邪を引いても大丈夫な仕事の進め方を心がけるしかない、という面白みのない結論に至ってしまうのですが。

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