とある着物作家の赤裸々な日常

noteは特に、赤裸々に。腹の立つこと、嫌なことも含めて、すべての肉感的な感情を書きま…

とある着物作家の赤裸々な日常

noteは特に、赤裸々に。腹の立つこと、嫌なことも含めて、すべての肉感的な感情を書きます。もちろん着物作家の目線から。ただの愚痴ノートでもなく、カッコつけた栄光でもなく。HPやFacebook、Instagramともまた違う、際どいからこそ誰かの心に届く内容で書ければ良いな。

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最近の記事

振袖の納期

母が取ってきた別注の振袖。 双子のお嬢さんが好きだという、赤と青の振袖。 ひとつは赤地色。に、黒のバラとのことだが、いざ赤に染めてみると、全然柄が浮いてこない。 そもそもの設定ミス。黒の上に金を置く予定だったらしいが、それでも柄が見えてこないだろう、ということになった。 さらには、生地に、よく光る糸がたくさん使われているため、赤に染めたときに、カラフルにラメのような感じになった。 イメージが違いすぎたため、急遽染めた二枚目に、金彩屋さんだけで、柄を置くことに。ほな職

    • 職人さんは、評価を気にしている。

      母が言った。先日、俺が加工を頼んでいる金彩屋さんが、「こんな感じで良かったでしょうか?」と聞いていたらしい。 「職人さんは、出来を気にしてるからね」と言っていた。 よく言う。どの口が言うてるのかと驚く。 うちの作品は、7割がた叔母の工房で染めている。 ところが、初めて創った作品の評価がないので、「いまいちだったのかなあ」と、二回作らず、一回ものになってしまったものもたくさんあるという。 通常着物というのは、図案が一番時間かかる場合すらあるもので、一つの図案を色違いや、同じ

      • お客様と、呉服屋との関係。

        今日は、相手方にばかりVIPが行き、あまり売れなかった。こちらはタイミングが合わない。かなり厳しかった。結果、なんだか気持ちが腐ってる。 気付いた。 売れるから、催事に行きたいと思う。 優越感? お客様との繋がり。は、売れるから。 売れなきゃダメ。売れてその上で仲良くなりたい。 催事だから。 では、売れなければ、その出会いに価値はあるの? 人と、人の出会いを求めに来てるよりまず売りに来てる。だから、そう思えない。 では、売れない=価値がないなら、その時間に価値はあるの?

        • 敵はいつも中にいる

          それは、組織の中?それとも自分の中? 周りはバカばっか。 悪い噂は言ったもん勝ち。 外に敵がいる時は、ひとつにまとまる集団も、それがなくなれば、派閥だの軋轢だの生まれたり。歪みが見えてくる。 さて今日は、三代目にあたる親たち。母。めちゃくちゃややこしい。 本当に心底ムカついている。12年くらいずっとムカついている。 古くは、妻に新しい仕事を覚えさそうとするのを邪魔した。例えば染め。 染めは、伯母が天下一。誰に習うよりこの人に習うのが良い。ということで、うちの事務とし

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        • 京都の着物職人・作家の様子
          8本

        記事

          クリスマス

          今日は長女にとっては四回目のクリスマス。去年よりものすごい喋るし、きちんと会話が出来るし、記憶の保持も全く一年前とは違います。 でも、クリスマス午前はずーっとお仕事。サンタさんが来るのは27日の午前にしました。 こんなことが出来るのも、今年までだろうな。その分26日は用意します☆

          なんもしないの?

          今日は札幌催事入り日。 さて、母に、「出ていくときはお父さんに、よろしくね、と言ってから出てね。」と言われた。 「いない間、廻り(職方さん廻り)をしてるんだから、廻りの人じゃないんだから」 だそうだ。 え?それしなきゃ、何やるの?と、こちらからしたら思う。 あとは、庭掃除してテレビ視るだけでしょ? 「もっと相談しろ」と言われたこともある。 正直、何も相談したくないし、というのも、してもややこしくなるだけなのだ。 散々あった。 「やっぱり相談出来ないな」って思うこと

          猶予3日で辞めさせられる

          僕と同い年の店長が、店を2月に辞めると告げると、「月末に辞めろ」と返された。猶予は3日。 仮にその店長が、独立したり、他店に引き抜かれるならば、お客さんを取られることが最も脅威と考えたのだろうか。 僕がこの業界に母の手伝いに入った最初の頃からのお付き合い。まだ催事場でほぼ何も出来ない僕を知り、そして、現在人気一番になった僕の軌跡を知る同い年の敏腕店長。 全国の呉服屋の店長職に就く半分くらいの人は頭が良い。しかし、そのなかで、 ○風彩染を売りたい、つまりブランドを大切に

          猶予3日で辞めさせられる

          二代目ピカソ

          なんてものが無いように、僕ら着物作家も、あんまり関係ないのかもな、とも思った。 勿論代を追うごとの技術の積み重ねや歴史はあるし、学ぶことも助かることもある。そんなことは当然として。 うちの工房は、僕が言うまで「何代目です」なんて、言ってこなかった。 だから、実際のとこが分からなくて、分かった範囲で「4代目」ということに僕がした。 それは、このキャリアを始めた際に、「言うこと言わないと勿体ない」ということと、「自分自身を名乗るツールをたくさん欲しかった」からに違いない。

          やる気あんのか?職人募集

          たくさんご応募頂くものの、残念ながら、不合格通知を出し続けています。 Indeedに今は出してるんですが、残念ながら中途半端な人が多い。(今日は毒舌ですよ) 最低なのは、メッセージ既読にならない人。 次に、メッセージに返信遅い人。(当日、ないしどんなに遅くても次の日の朝には返せよ) 同じく、メッセージに返信せず、数日かかって履歴書用意する人。(翌日にくれるなら良いですよ?既読スルーって、今の文化なんですか?「はい、何日までに送ります」とかぐらいせめて言えないの?) 次

          やる気あんのか?職人募集

          鬼滅の刃

          やはり泣いた。今日放映の映画版。 結局観に行かなかったので、初見でした。 そして、とんでもないことに、頭の中の映像が映画を上回っていて、そして期待しすぎていて、という、悪条件になってしまっていた。 勿論良かったですよ。とっても良かった。泣いたし。 そして、そのあとのプロモーション映像がまた良かった‼️胡蝶さんが見送るシーンがあるなんて。。 まさに、僕が染めたお二人。 なんだか、ジーンと来てしまった。一話に新作持ってくるのも、やはり鬼滅の刃のプロモーションは、頭が良い。最

          育児と生業

          僕は最も大切なものは、夢より愛だ、という答えを大学浪人生の時に出している。 もっとも、そのときの夢は漫画家やったけど。(25歳のとき、『週刊少年ジャンプ』ストーリーキング賞入賞、担当付きになる。) 催事で困るのは、家族と離れること。 僕がいない間、二歳半の娘は、困ったことがあると「おとうさーん!!」ご飯が出来たら僕のいない部屋に「おとうさーん!!ご飯できたよ~!!あれー!?いないのー!?」と呼んでくれているらしい。 死ぬときに、決めていることがある。 「もっと家族と一

          着物は心の形

          催事8日目。疲れた~。。 ホテルもゆっくり眠れるわけではなく。 やっぱり展示会中は覚醒状態。 初めて会うお客様。毎年会えるお客様。 笑い合えるお客様。心を通じることが出来ないお客様。 僕の接客は友達を作るのと似ている。 会った瞬間から、ピンと来る方となら、話が弾む。 心を捉えれば、似合う着物が見つかる。 うわべの「似合いますね」ではなく、 「なぜ似合うか」を、作者くらいにしか分かりにくい感覚でお伝え出来る。 心の形、風彩染。 僕のお客様は、良い方ばかり。 それは

          コロナ中の着物作家

          こんにちは☆着物作家、しております。 さて、コロナになると着物作家はどうなるかというと、いくつかのパターンがありますが、うちのように催事で生きている作家はこうなります。 ◎展示会が全部飛ぶ。 ◎作り控えする。(自分が出来ることはしているが、着物はどこかは分業するので、その工程を職人さんに、頼まない)→京都中の職人さんに仕事が回りにくくなる。それはそれで、仕事回す。 ◎とりあえず3カ月休業する。→補助金ありがたい。 ◎家族で過ごす時間が増える&出張中、コロナに怯えてい